レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
こどものおもちゃ の感想と評価(良いところ、悪いところ)
こどものおもちゃ
著者: 小花美穂
連載: りぼん
ジャンル: 少女漫画/学園ドラマ/ヒューマンドラマ/コメディ
評価: 9.2/10
あらすじ
テレビで大人気の子役・倉田紗南は、いつでも元気いっぱいの小学生。ところが彼女のクラスは、問題児の羽山秋人が男子を仕切って授業にならない荒れよう。真っ向からぶつかった紗南は、自分を産んだときに母が亡くなったせいで羽山が家族から「悪魔」と呼ばれてきたことを知り、出演中のドラマで彼の父と姉に思いを届けます。やがて紗南自身が捨て子だった事実が世間に知れわたり、中学では初めての恋が親友との友情とぶつかっていきます。いじめや家庭のゆがみといった重い題材を、頭にリスをのせた母や底抜けのギャグで笑わせながら描き切ります。笑った直後に胸をぎゅっとつかまれる、明るさの奥に痛みを抱えた少女と少年の成長物語!
読む前に確認したい相性
向いている人
- いじめや家庭崩壊といった重い題材を、ギャグで笑いながらも真剣に受け止めたいと思える人
- 子どものころ夢中になった少女漫画を、大人の目線で読み返して新しく味わい直したい人
- 前向きな主人公と、心に傷を抱えた少年が少しずつ互いに心を開いていく関係にどうしても弱い人
向いていない人
- 子ども同士のいじめや暴力の場面に、コミカルな絵柄で描かれていてもつらさを感じてしまう人
- 恋愛がすれ違いで足踏みする展開より、ふたりの恋がまっすぐ進む物語を読みたいと思う人
- 軽いラブコメのつもりで読み始めると、終盤の笑いが消えるほどの重さに戸惑ってしまいそうな人
良い感想・レビュー
- 羽山の父と姉を紗南が一喝する場面は「そうくるか!?」と笑ったのに、そのあとドラマを巻き戻して見る羽山のセリフのない表情だけで心がほどけていく描き方にやられ、そこから一気に夢中になりました。
- ふざけてばかりに見えるお母さんが、実は誰より紗南を想っています。その破天荒なのに筋の通った母親像こそ、前半でいちばん胸にきたところです。真ん中バースデーの羽山とのやりとりも忘れられません。
- 映画ロケの話は芸能界ものならではの面白さで、火事の中でも演技をやめない紗南の命がけの役者魂には震えた。巻末の番外編で語られる、心のトゲも増え続ければ丸くなるという考え方にも深くうなずいた。
- 明るく前向きな紗南がついに心が折れて、感情をなくしてしまう終盤。羽山が泣きながら本音をぶつける場面は、少女漫画とは思えないほどのシリアスさです。大人になって読んでも考えさせられます。
- いじめや家庭環境、心の問題にまで踏み込み、きちんと解決まで描いてくれる。そこへ「お前と離れて、ダメんなるのは俺の方だ!」というときめかずにいられない決めゼリフが来るのだから、たまらない。
悪い感想・レビュー
- 羽山が投げやりな気持ちで風花と付き合った事情を紗南は知らず、自分が横取りしたと思い詰めて心を病んでしまうのに、羽山も風花もまったく反省しないまま話が進むのがどうしても納得できません。
- スカートを切る、池で溺れさせる、人気子役を集団で痛めつける。コミカルな絵で描かれても、いじめの中身はかなりえげつないです。終盤はギャグまで消えてしまい、ページをめくるのが怖くなりました。
- 大人になって読むと、紗南の産みの母は叔父に虐待されていたとしか思えません。14歳で身ごもったその人を育ての母まで責め立てるのには、矛先を向ける相手が違うと感じてモヤモヤが残ります。
- 中学生編で風花が加わると、紗南と羽山の恋がなかなか前に進まずじれったい。重要な人物なのはわかるものの、良くも悪くも話がもたつき、この頃はやきもきしながら読むことになった。
- 登場する子どもたちの言動が、年齢のわりにやけに陰湿で暴力的に感じる。羽山は中学に上がってもゲーセンで暴力沙汰を起こすし、羽山の担任の千石先生にも最後まで好感が持てない。
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