漫画よしあし10巻以上の長編漫画レビューサイト

人生経験が物語を動かす!10巻以上の『おじさん・中年主人公漫画』おすすめ17選

編集: 漫画よしあし
公開日:更新日:

若い主人公が成長していく物語とは別に、すでに仕事や家庭、挫折を経験してきた大人の男性が主役を張る漫画があります。この特集では、30代半ばから50代までのおじさん・中年が物語の中心にいる、10巻以上の長編を17作品集めました。

グルメや日常もの、カイジのスピンオフ、異世界ものからサラリーマン漫画、国際サスペンスまで、ジャンルはばらばら。年齢や立場ゆえの悩みや持ち味が、話の転がり方にしっかり効いているかどうかを選ぶ基準にしています。気になる一冊を見つける手がかりにしてください。

時間がない人向け結論:おすすめTOP3

  1. ふたりが喧嘩をしても最後は食卓で心が通い合う姿から、年齢を重ねることの豊かさが伝わってきます。

  2. 本編の冷徹な悪役が、部下に好かれようと必死になる中間管理職として描かれるギャップに笑わされる。

  3. 何気ない一日を楽しみ尽くす大槻班長の休日をプロデュースする力に、自分の休みも工夫しだいで変わると思わされます。

目次

選び方のポイント

  1. 1. 笑いたいか、じっくり浸りたいかで選ぶ

    『中間管理録トネガワ』や『1日外出録ハンチョウ』、『異世界おじさん』のように、おじさんのズレや哀愁を笑いに変える作品は、仕事帰りの頭でも気軽に読めます。一方で『平和の国の島崎へ』や『MASTERキートン』は、過去を背負った男の静かな緊張がつづく物語です。その日の気分で手に取る棚を分けておくと、外れにくくなります。

  2. 2. 主人公の暮らしぶりが近い作品から入る

    会社員の板挟みや出世争いを読みたいなら『課長 島耕作』や『クッキングパパ』、家の食卓や猫との時間に寄りそいたいなら『きのう何食べた?』や『おじさまと猫』が入り口になります。自分の毎日と重なる部分があるほど、おじさんたちの悩みや喜びは身近になるもの。

  3. 3. 巻数と連載状況もたしかめる

    『クッキングパパ』や『深夜食堂』のような長寿作は一話完結が多く、どこから読んでも楽しめます。逆に『悪役令嬢転生おじさん』や『二階堂地獄ゴルフ』は縦の物語が続いているので、1巻から順に追うほうが話の流れをつかみやすいです。『中間管理録トネガワ』や『ライドンキング』のように完結済みの作品を選べば、最後まで通して読めます。

全17作品の比較表

横にスクロールすると他の項目も見られます

順位作品名ジャンル完結状況評価特徴向いている人
1きのう何食べた?きのう何食べた?ヒューマンドラマ/料理/日常連載中9.6/10ふたりが喧嘩をしても最後は食卓で心が通い合う姿から、年齢を重ねることの豊かさが伝わってきます。丁寧に作られた家庭料理と、ゲイカップルの等身大の日常が温かく共存する作品に癒やされたい人
2中間管理録トネガワ中間管理録トネガワ青年漫画/ギャグ/日常完結9.5/10本編の冷徹な悪役が、部下に好かれようと必死になる中間管理職として描かれるギャップに笑わされる。恐ろしい悪役が等身大の中間管理職に転じる、予想外のギャップに笑いたい人
31日外出録ハンチョウ1日外出録ハンチョウ青年漫画/スピンオフ/日常/コメディ/グルメ連載中9.2/10何気ない一日を楽しみ尽くす大槻班長の休日をプロデュースする力に、自分の休みも工夫しだいで変わると思わされます。安い居酒屋や立ち食いそばといった何気ない日常のグルメを心から味わう描写に共感できる人
4異世界おじさん異世界おじさん異世界/ファンタジー/ギャグ/日常/コメディ連載中9.3/10異世界から帰ってきた後を描く逆転の発想が光り、おじさんのズレた価値観と甥の冷静なツッコミの応酬に毎回笑わされます。異世界から帰還した側を描く逆転の発想のコメディに新しさを感じる人
5平和の国の島崎へ平和の国の島崎へドラマ/アクション/サスペンス連載中9.1/10日常の穏やかさと暴力が爆発する瞬間の落差には、すさまじい迫力があります。穏やかな日常の静けさと暴力が一瞬で爆発する瞬間の落差に、息を呑むような迫力を求めている人
6MASTERキートンMASTERキートンミステリー/アドベンチャー/歴史/サスペンス完結9/10普段はうだつの上がらない父親が、窮地では元SAS仕込みのサバイバル技術で切り抜ける姿がかっこよく映ります。元SAS隊員が保険調査員として世界各地を飛び回る知的でハードボイルドな国際サスペンスが好きな人
7課長 島耕作課長 島耕作青年漫画/サラリーマン・ビジネス漫画連載中8.5/10大企業の派閥争いの駆け引きがリアルで、どこにも与しない姿勢と危機をすり抜ける機転に唸らされます。高度成長からバブルへ向かう時期の、日本の会社が抱えていたむき出しの熱気を味わいたい人
8おじさまと猫おじさまと猫ヒューマンドラマ/日常/ペット/コメディ連載中8.7/10売れ残りの猫と妻を亡くした紳士が、お互いを手放せない宝物にしていく道のりに毎回泣かされます。心がささくれてどうにもならない日に、押しつけがましくない優しさでそっと立て直してほしい人
9悪役令嬢転生おじさん悪役令嬢転生おじさん青年漫画/異世界転生/コメディ/悪役令嬢連載中8.7/1052歳の公務員が悪役令嬢になる突飛な設定なのに、誠実で優しい人柄が嫌味なく伝わってきます。嫌味のない心温まる異世界転生コメディをじっくり読みたい人
10ライドンキングライドンキング異世界/ファンタジー/アクション/ギャグ・コメディ完結8.6/10チートもスキルもなく、ただ理屈抜きに強いおっさんが肉弾戦で暴れる姿が痛快だ。理屈抜きに強い主人公が暴れ回る、描き込みの濃い格闘アクションでとにかくスカッとしたい人
11二階堂地獄ゴルフ二階堂地獄ゴルフドラマ/スポーツ連載中8.4/10序盤は男がうじうじ悩むだけで重たいが、そこからの福本節の急展開で一気に化ける。夢をあきらめきれずに何年もくすぶり、報われない焦りを抱えた中年の生きづらさに自分を重ねたい人
12おじさんはカワイイものがお好き。おじさんはカワイイものがお好き。癒やし/ヒューマンドラマ/日常/コメディ連載中8.2/10女性に慕われる渋い課長が、推しを前にすると百面相になる落差に毎回頬がゆるみます。ジャンルを問わず推しがいる暮らしを送っていて、その気持ちに寄り添う物語を探している人
13おっさん冒険者ケインの善行おっさん冒険者ケインの善行青年漫画/癒やし/日常/異世界ファンタジー/コメディ連載中8.1/10剣も魔法も使えないおっさんが、善行だけで周りを動かしていく展開がじわじわと気持ちいい作品です。強さや勝ち負けより、人の善意が物語を動かしていく展開に癒やされたい人
14まったく最近の探偵ときたらまったく最近の探偵ときたら青年漫画/探偵/ラブコメ/ギャグ・コメディ連載中8.2/10時代遅れのおじさんと規格外の女子高生の掛け合いが、キレのあるギャグとテンポで次々に笑いを生みます。落ちぶれたおじさんと規格外の助手のデコボコバディが繰り広げる、テンポ抜群のギャグに腹を抱えて笑いたい人
15深夜食堂深夜食堂人情ドラマ/グルメ連載中9/10十ページほどの短い話が出汁のきいたおでんのように沁みてきて、読むたびにじんわり温まります。料理と人生が静かに結びつく、一話完結で心に残る人情短編をしみじみ味わいたい人
16クッキングパパクッキングパパ料理・グルメ/ヒューマンドラマ・日常/青年マンガ連載中8.8/10長寿漫画なのにキャラクターがきちんと年を取っていくので、小さかった息子が大学生になる日まで見届けられます。仕事や家庭のぎくしゃくした関係が、料理で少しずつほぐれていくほのぼのした話を一話ずつ楽しみたい人
17ギャラリーフェイクギャラリーフェイク青年漫画/サスペンス・ミステリー/美術・アート連載中8.8/10悪人なのに芸術への愛は本物という主人公が、欲深いコレクターをやりこめる姿がたまらなく格好いい作品です。美術展に行く前に読むと楽しみが増える、美術の知識や業界の裏話が自然に身につく漫画を探している人
1

きのう何食べた?

美味しい手料理と、大切な人と過ごす日常。シロさんとケンジが贈る、温かくてシビアな2LDKライフ!

この特集で選んだ理由

中年の男性カップルが年を重ねていく姿を、毎日の食卓から描く唯一の作品。

きのう何食べた?
作者
よしながふみ
掲載誌
モーニング
ジャンル
ヒューマンドラマ/料理/日常
完結
連載中
評価
9.6/10

良い点

描かれる料理がおいしそうで、実際にレシピを真似したくなります。ふたりが喧嘩をしても最後は食卓で心が通い合う姿から、年齢を重ねることの豊かさが伝わってきます。親との関係や社会の壁も誠実に描かれ、ただの日常ものでは終わりません。

気になる点

大きな山場や派手な展開を求める人には、テンポが穏やかすぎると感じる場面があります。レシピの説明が細かいぶん、ふたりの恋愛や過去をもっと読みたい人には物足りなさも残ります。日常が少し理想化されすぎて見える回もあります。

こんな人におすすめ

丁寧に作られた家庭料理と、ゲイカップルの等身大の日常が温かく共存する作品に癒やされたい人

こんな人には不向き

ゲイカップルの日常生活とパートナーシップの描写に、抵抗感や違和感を覚える人

きのう何食べた?の詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

2

中間管理録トネガワ

完結

カイジの悪役が板挟み中間管理職として奮闘するスピンオフコメディ

この特集で選んだ理由

帝愛の幹部という悪役を、上司と部下に挟まれる勤め人として描き直したコメディ枠。

中間管理録トネガワ
作者
三好智樹/萩原天晴/橋本智広
掲載誌
コミックDAYS/月刊ヤングマガジン
ジャンル
青年漫画/ギャグ/日常
完結
完結
評価
9.5/10

良い点

本編の冷徹な悪役が、部下に好かれようと必死になる中間管理職として描かれるギャップに笑わされる。上司と部下に挟まれる苦労は実際の職場とも重なり、共感しながら読める。シュールなギャグの合間に、胸が熱くなる場面もある。

気になる点

カイジ本編を読んでいないと、キャラクターへの思い入れは薄くなりがちだ。似たパターンで悩む展開が続く巻は単調に感じ、ナレーションの多い回はテンポも落ちる。全10巻の終わり方が駆け足なのも惜しい。

こんな人におすすめ

恐ろしい悪役が等身大の中間管理職に転じる、予想外のギャップに笑いたい人

こんな人には不向き

原作の知識なしで、キャラクターへの思い入れを最初から持ちたい人

中間管理録トネガワの詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

3

1日外出録ハンチョウ

地下の班長が地上で最高の贅沢を謳歌する、至福のグルメ日常漫画!

この特集で選んだ理由

地下で働く班長が限られた外出日を楽しむ、遊びとグルメに寄ったスピンオフ。

1日外出録ハンチョウ
作者
上原求/福本伸行/新井和也/萩原天晴
掲載誌
ヤングマガジン
ジャンル
青年漫画/スピンオフ/日常/コメディ/グルメ
完結
連載中
評価
9.2/10

良い点

何気ない一日を楽しみ尽くす大槻班長の休日をプロデュースする力に、自分の休みも工夫しだいで変わると思わされます。安い居酒屋や立ち食いそばの描き方がおいしそうで、夜中に読むとつらいほど。おじさんたちのゆるい友情に、日頃の疲れもほぐれます。

気になる点

基本はおじさんが飯を食って遊ぶ展開の繰り返しなので、刺激的な話を求めると飽きがきます。原作のシリアスさを期待すると、そのゆるさに戸惑うかもしれません。連載が長く、班長が良い人になりすぎて初期の緊張感が薄れたのも寂しいところです。

こんな人におすすめ

安い居酒屋や立ち食いそばといった何気ない日常のグルメを心から味わう描写に共感できる人

こんな人には不向き

原作シリーズと同様の緊張感やシリアスな物語展開を、このスピンオフにも期待している人

1日外出録ハンチョウの詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

4

異世界おじさん

帰ってきたおじさんは魔導師だった。SEGA愛が交錯する爆笑の異世界コメディ!

この特集で選んだ理由

17年眠っていたおじさんが現代に戻ってくる、異世界ものを裏返した一作。

異世界おじさん
作者
殆ど死んでいる
掲載誌
ComicWalker/MFコミックス
ジャンル
異世界/ファンタジー/ギャグ/日常/コメディ
完結
連載中
評価
9.3/10

良い点

異世界から帰ってきた後を描く逆転の発想が光り、おじさんのズレた価値観と甥の冷静なツッコミの応酬に毎回笑わされます。SEGAへの偏った愛と90年代のゲームネタは、当時を知る世代ほど懐かしく響きます。異世界で報われなかった過去さえギャグに変わるのも見事です。

気になる点

SEGAのレトロゲームネタがわからないと、ノリに置いていかれる場面があります。おじさんの偏った女性観や会話の噛み合わなさには、笑いを通り越してイライラすることも。異世界パートは意外と残酷で、更新ペースもゆっくりです。

こんな人におすすめ

異世界から帰還した側を描く逆転の発想のコメディに新しさを感じる人

こんな人には不向き

レトロゲームの元ネタが分からず、置いていかれるのが気になる人

異世界おじさんの詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

5

平和の国の島崎へ

元・戦闘工作員の島崎が求めたのは、日本での『普通の暮らし』だった。圧倒的暴力のプロが、平和な国の日常に溶け込もうと奮闘する、緊張感溢れる日常サスペンス。

この特集で選んだ理由

30年ぶりに帰国した元工作員が普通の暮らしを求める、張りつめた日常サスペンス枠。

平和の国の島崎へ
作者
濱田轟天/瀬下猛
掲載誌
モーニング
ジャンル
ドラマ/アクション/サスペンス
完結
連載中
評価
9.1/10

良い点

暴力のプロである島崎が、コンビニや近所付き合いに不器用なほど真剣に向き合う姿が丁寧に描かれます。日常の穏やかさと暴力が爆発する瞬間の落差には、すさまじい迫力があります。台詞に頼らない心理描写が、平和の危うさを静かに突きつけてきます。

気になる点

物語の裏に組織の暗い影がつきまとい、癒やしや爽快感を求める日には重く感じます。島崎の過去が断片的にしか語られず、中盤まで背景がつかみにくいところもあります。一話完結に近い日常回が続く時期は、本筋の進み方がじれったいです。

こんな人におすすめ

穏やかな日常の静けさと暴力が一瞬で爆発する瞬間の落差に、息を呑むような迫力を求めている人

こんな人には不向き

物語の背後に常につきまとう暗い予感や重圧よりも、純粋な癒やしや爽快感を味わいたい人

平和の国の島崎への詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

6

MASTERキートン

完結

元SASサバイバル教官の考古学者キートンが、世界中の歴史的難事件や陰謀をスマートに解決する知略サスペンス!

この特集で選んだ理由

考古学者で保険調査員という二つの顔を持つ男が、ヨーロッパ各地の事件に挑む知的な一作。

MASTERキートン
作者
浦沢直樹/勝鹿北星/長崎尚志
掲載誌
ビッグコミックオリジナル
ジャンル
ミステリー/アドベンチャー/歴史/サスペンス
完結
完結
評価
9/10

良い点

考古学の歴史ロマンと冷戦期の国際サスペンスが組み合わさり、一話ごとの完成度が映画のように高い作品です。普段はうだつの上がらない父親が、窮地では元SAS仕込みのサバイバル技術で切り抜ける姿がかっこよく映ります。事件の裏にある家族の絆や人情にも胸を打たれます。

気になる点

1980年代末から90年代初めの作品なので、冷戦期の世界情勢や政治ネタは予備知識がないとわかりにくいです。一話完結の解決パターンが中盤から固定化し、手近な物で兵士を倒す罠も都合よく見えます。主人公の優柔不断さに、もどかしくなる場面もあります。

こんな人におすすめ

元SAS隊員が保険調査員として世界各地を飛び回る知的でハードボイルドな国際サスペンスが好きな人

こんな人には不向き

1話完結が基本のため主人公の私生活にまつわる伏線がなかなか進まずもどかしさを感じる人

MASTERキートンの詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

7

課長 島耕作

派閥に染まらない課長が、昭和の大企業の権力争いを泳ぎ抜くサラリーマン物語。

この特集で選んだ理由

昭和の大企業で34歳の課長が派閥争いを渡り歩く、出世と組織の物語を代表する一作。

課長 島耕作
作者
弘兼憲史
掲載誌
モーニング
ジャンル
青年漫画/サラリーマン・ビジネス漫画
完結
連載中
評価
8.5/10

良い点

大企業の派閥争いの駆け引きがリアルで、どこにも与しない姿勢と危機をすり抜ける機転に唸らされます。昭和のビジネスマンの熱さが伝わり、時代背景がそのまま勉強になります。アメリカ出張やフィリピンでのトラブルと、話がどんどん大きくなるのも楽しいところ。

気になる点

女性蔑視のセリフや重役たちの愛人話が多く、時代のせいだと素直には飲み込めません。妻を顧みない家庭の描き方も身勝手に映ります。助け舟がちょうどいい時に現れる出世の運びは、どこか嘘っぽく感じられます。

こんな人におすすめ

高度成長からバブルへ向かう時期の、日本の会社が抱えていたむき出しの熱気を味わいたい人

こんな人には不向き

主人公の女性関係の多さが物語の中心近くに居座る展開を、うまく割り切って読み進められない人

課長 島耕作の詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

8

おじさまと猫

売れ残りの猫と妻を亡くした紳士が、互いを宝物に変えていく同居物語

この特集で選んだ理由

妻を亡くした紳士と猫の暮らしを描く、喪失から立ち直る姿に寄りそった作品。

おじさまと猫
作者
桜井海
掲載誌
ガンガンpixiv/月刊少年ガンガン
ジャンル
ヒューマンドラマ/日常/ペット/コメディ
完結
連載中
評価
8.7/10

良い点

売れ残りの猫と妻を亡くした紳士が、お互いを手放せない宝物にしていく道のりに毎回泣かされます。押しつけがましくなく、構えずに素直に泣ける話です。猫の仕草の描き方が本物らしく、紳士のダンディさと不器用な可愛さのギャップも楽しめます。

気になる点

読み進めるうち、猫の気持ちが人間に都合よく訳されているように見えてくることがあります。泣かせどころの型が見えやすく、周りの人物が増えるほど話の芯がぼやけるのも気になる点です。初期のとげとげした対比が薄れ、似た展開が続きます。

こんな人におすすめ

心がささくれてどうにもならない日に、押しつけがましくない優しさでそっと立て直してほしい人

こんな人には不向き

動物の気持ちを言葉にして描くやり方に、人間側の都合のよさが透けて見えて冷めてしまう人

おじさまと猫の詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

9

悪役令嬢転生おじさん

おじさんが悪役令嬢に転生してしまう、心温まる異世界転生コメディ!

この特集で選んだ理由

親バカな52歳の公務員が令嬢の姿で周りを見守る、家族の物語でもある転生コメディ。

悪役令嬢転生おじさん
作者
上山道郎
掲載誌
COMIC Y-OURS
ジャンル
青年漫画/異世界転生/コメディ/悪役令嬢
完結
連載中
評価
8.7/10

良い点

52歳の公務員が悪役令嬢になる突飛な設定なのに、誠実で優しい人柄が嫌味なく伝わってきます。破滅回避に走らず律儀に役を演じようとする発想が新鮮で、家族思いの親目線ギャグも健在です。嫌な人物が出てこないので、ほっと落ち着いて読めます。

気になる点

巻によってはストーリーがほとんど進まず、引き延ばしに感じることがあります。序盤は乙女ゲームの世界やキャラ紹介に時間を割くため、展開がゆっくりです。キャラクターが面長気味の絵柄なうえ、アクションの迫力にもやや欠けます。

こんな人におすすめ

嫌味のない心温まる異世界転生コメディをじっくり読みたい人

こんな人には不向き

巻ごとのストーリーの停滞が気になってしまう人

悪役令嬢転生おじさんの詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

10

ライドンキング

完結

某国大統領そっくりの最強おっさんが、騎乗欲のまま異世界を暴れ回る異色ファンタジー!

この特集で選んだ理由

格闘の達人である大統領が乗り物を求めて異世界を旅する、もっとも腕っぷしで押す一作。

ライドンキング
作者
馬場康誌
掲載誌
月刊少年シリウス
ジャンル
異世界/ファンタジー/アクション/ギャグ・コメディ
完結
完結
評価
8.6/10

良い点

チートもスキルもなく、ただ理屈抜きに強いおっさんが肉弾戦で暴れる姿が痛快だ。周りの女の子たちとは父と娘のような距離感で、ハーレムものとは違う心地よさがある。外さないギャグと地に足のついた作りこみにも引き込まれる。

気になる点

主人公が無敵すぎて戦いの緊張感が薄く、巻が進むと同じ流れの繰り返しに見えてくる。モデルになった現実の指導者の印象が強く、素直に笑えない場面もある。村作りや学園編のあたりから、序盤の突き抜けた勢いは薄れていく。

こんな人におすすめ

理屈抜きに強い主人公が暴れ回る、描き込みの濃い格闘アクションでとにかくスカッとしたい人

こんな人には不向き

主人公が最初から無敵なので、戦いの緊張感や勝敗の読めなさをどうしても大事にしたい人

ライドンキングの詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

11

二階堂地獄ゴルフ

10年落ち続けたおじさんが、寿命を削るずるい力でプロを目指す福本流ゴルフ地獄

この特集で選んだ理由

プロテストに落ち続ける35歳が主役の、夢を諦めきれない男の再起に絞った物語。

二階堂地獄ゴルフ
作者
福本伸行
掲載誌
モーニング
ジャンル
ドラマ/スポーツ
完結
連載中
評価
8.4/10

良い点

序盤は男がうじうじ悩むだけで重たいが、そこからの福本節の急展開で一気に化ける。数秒だけ時間を巻き戻せる力を使うべきか迷う葛藤が、ゴルフと怖いほど噛み合っている。10年落ち続けた主人公のみっともなさに、つい自分を重ねてしまう。

気になる点

カイジのようなひりつく賭けを期待すると肩透かしを食う。挫折と立ち直りが繰り返されてなかなかゴルフが始まらず、テンポはかなり遅い。巻き戻しの力が出てくると、現実の勝負としての緊張感も薄れてしまう。

こんな人におすすめ

夢をあきらめきれずに何年もくすぶり、報われない焦りを抱えた中年の生きづらさに自分を重ねたい人

こんな人には不向き

命を賭けた張り詰めた心理戦を期待して、一手ごとにひりつく駆け引きをめくりたい人

二階堂地獄ゴルフの詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

12

おじさんはカワイイものがお好き。

渋いイケオジ課長がカワイイもの好きを隠しきれなくなる、ほっこり推し活コメディ!

この特集で選んだ理由

40代の課長がカワイイもの好きを隠して暮らす、趣味と推し活を軸にしたコメディ。

おじさんはカワイイものがお好き。
作者
ツトム
掲載誌
COMICポラリス
ジャンル
癒やし/ヒューマンドラマ/日常/コメディ
完結
連載中
評価
8.2/10

良い点

女性に慕われる渋い課長が、推しを前にすると百面相になる落差に毎回頬がゆるみます。嫌な人物がひとりも出てこないので、平和な気持ちで読めるのがうれしいところです。一日気を張って帰宅し、推しを抱きしめる姿にも思わず共感します。

気になる点

可愛いもの好きを必死に隠し続ける主人公のおどおどぶりに、気持ちを寄せにくいことがあります。笑えて微笑ましい反面、感動まではあと一歩届きません。秘密を分け合う相手との距離が縮まりきらないのも物足りない点です。

こんな人におすすめ

ジャンルを問わず推しがいる暮らしを送っていて、その気持ちに寄り添う物語を探している人

こんな人には不向き

趣味を隠して縮こまる主人公より、好きなものを最初から堂々と貫く人物を追いかけたい人

おじさんはカワイイものがお好き。の詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

13

おっさん冒険者ケインの善行

無欲なおっさん冒険者の真っ直ぐな善意が、最強の剣姫や周囲を幸せに変えていく癒やし劇!

この特集で選んだ理由

20年薬草を採り続けた万年Dランクのおっさんが、強さでなく善意で進む癒やし系ファンタジー。

おっさん冒険者ケインの善行
作者
沖野真歩/すーぱーぞんび/風来山
掲載誌
ガンガンONLINE
ジャンル
青年漫画/癒やし/日常/異世界ファンタジー/コメディ
完結
連載中
評価
8.1/10

良い点

剣も魔法も使えないおっさんが、善行だけで周りを動かしていく展開がじわじわと気持ちいい作品です。主人公の心根の善さが最後までブレないので、安心して読めます。勇者ならぬ善者という言葉には、笑いながらも妙に納得させられます。

気になる点

ハーレムや日常、人情話にバトルと盛り込みすぎて散らかった印象があります。特別な力もない主人公の話が伏線なしにトントン拍子で進み、説得力に欠けます。ヒロインたちの執着の強さや距離の近さも、好みが分かれます。

こんな人におすすめ

強さや勝ち負けより、人の善意が物語を動かしていく展開に癒やされたい人

こんな人には不向き

手に汗握る緊張感ある戦闘や、派手な盛り上がりをしっかり味わいたい人

おっさん冒険者ケインの善行の詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

14

まったく最近の探偵ときたら

伝説の元名探偵(おっさん)と女子高生助手が贈る、超高速テンポの爆笑探偵コメディ!

この特集で選んだ理由

スマホも使えない元名探偵と女子高生助手の、年の差バディで笑わせる探偵コメディ。

まったく最近の探偵ときたら
作者
五十嵐正邦
掲載誌
電撃マオウ
ジャンル
青年漫画/探偵/ラブコメ/ギャグ・コメディ
完結
連載中
評価
8.2/10

良い点

時代遅れのおじさんと規格外の女子高生の掛け合いが、キレのあるギャグとテンポで次々に笑いを生みます。普段はスマホも使えないのに、ここぞという時に名探偵の鋭さを見せるギャップが格好よく決まります。中盤からは本格的なバトルやドラマも加わります。

気になる点

探偵ものですが謎解き要素はかなり薄く、本格ミステリーを期待すると物足りません。ハイテンションなギャグやサブカルネタは笑いのツボを選びます。縦軸が動き出すと、初期の一話完結型ギャグの勢いが弱まるのも少し寂しく感じます。

こんな人におすすめ

落ちぶれたおじさんと規格外の助手のデコボコバディが繰り広げる、テンポ抜群のギャグに腹を抱えて笑いたい人

こんな人には不向き

探偵モノと聞いて本格的な謎解きや推理パズルを期待したが、ギャグが主体で謎解き要素が薄い作品に肩透かしを感じる人

まったく最近の探偵ときたらの詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

15

深夜食堂

深夜の路地裏、頼めば何でも作るめしやに集うワケあり客の人情オムニバス!

この特集で選んだ理由

マスターは聞き役に徹し、夜の客の人生を一話ずつ見守る人情オムニバス。

深夜食堂
作者
安倍夜郎
掲載誌
ビッグコミックオリジナル
ジャンル
人情ドラマ/グルメ
完結
連載中
評価
9/10

良い点

料理よりも、その人がなぜそれを食べるのかに心が向く作品です。十ページほどの短い話が出汁のきいたおでんのように沁みてきて、読むたびにじんわり温まります。ワケありの客が赤裸々に人生を語る店に、自分も通いたくなります。

気になる点

巻数が多いぶん、夢に挫折して故郷に帰るような似た畳み方が続くマンネリが目立ちます。料理の絵が食欲をそそるとは言いにくく、無愛想なマスターや絵柄に慣れるまで時間がかかることもあります。一冊あたりの価格も気になります。

こんな人におすすめ

料理と人生が静かに結びつく、一話完結で心に残る人情短編をしみじみ味わいたい人

こんな人には不向き

大きな事件や起伏を求め、淡々とした日常の構造を退屈に感じてしまう人

深夜食堂の詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

16

クッキングパパ

仕事の鬼が家では台所に立つ。料理で職場の空気も家族の心もほぐしていく、レシピ付きの長寿グルメ漫画。

この特集で選んだ理由

職場では仕事の鬼、家では台所に立つ父親が主役の、家族の成長を見守る長寿作。

クッキングパパ
作者
うえやまとち
掲載誌
モーニング
ジャンル
料理・グルメ/ヒューマンドラマ・日常/青年マンガ
完結
連載中
評価
8.8/10

良い点

長寿漫画なのにキャラクターがきちんと年を取っていくので、小さかった息子が大学生になる日まで見届けられます。会社のもめごとまで料理で丸く収める流れが心地よく、一話完結の読み心地も良好です。脇役の第二の人生まで一コマで語る力にもうなります。

気になる点

巻が進むほど材料をそろえるだけで一苦労するレシピが増え、調味料の分量も書かれていないため再現は難しめです。初期には今なら通らない職場の描写もあり、ひやっとします。全巻を追うには数が多すぎるのも悩みどころです。

こんな人におすすめ

仕事や家庭のぎくしゃくした関係が、料理で少しずつほぐれていくほのぼのした話を一話ずつ楽しみたい人

こんな人には不向き

昭和らしい職場の描き方やジェンダー観が気になりやすく、今の感覚とのずれを受け流せない人

クッキングパパの詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

17

ギャラリーフェイク

贋作専門の画廊を隠れみのに、闇の画商フジタが美術品の謎と人間の業に迫る一話完結ミステリー

この特集で選んだ理由

元学芸員の画商が贋作画廊を営む、美術品をめぐる謎で読ませる大人のミステリー。

ギャラリーフェイク
作者
細野不二彦
掲載誌
ビッグコミック増刊/ビッグコミックスピリッツ
ジャンル
青年漫画/サスペンス・ミステリー/美術・アート
完結
連載中
評価
8.8/10

良い点

悪人なのに芸術への愛は本物という主人公が、欲深いコレクターをやりこめる姿がたまらなく格好いい作品です。実在の美術品を下じきに話をふくらませる手腕に感心しつつ、素人でもついていけます。読んだあとは美術展が楽しくなります。

気になる点

読みやすい反面、どこか生ぬるく中途半端な手ざわりが残ります。もう一つのモナ・リザのような大きな謎があっさり流され、長く追った末の結末もありがちに映ります。主人公のそばにいるドジな助手の描き方が合わず、話に入りにくい回もあります。

こんな人におすすめ

美術展に行く前に読むと楽しみが増える、美術の知識や業界の裏話が自然に身につく漫画を探している人

こんな人には不向き

悪を徹底的に描ききる、容赦のない美術サスペンスを求めていて、ほどよい落としどころの話では物足りない人

ギャラリーフェイクの詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

目的別のおすすめ

よくある質問

おじさん主人公の漫画は若い読者でも楽しめますか?+

楽しめる作品が多いです。『異世界おじさん』や『まったく最近の探偵ときたら』は、年の離れた若いキャラとの掛け合いが笑いの中心にあり、年齢を問わず入りやすい作りです。ただ『悪役令嬢転生おじさん』のように中年男性らしい価値観がそのまま出る作品は、好みが分かれることもあります。

カイジを読んでいなくてもトネガワやハンチョウは楽しめますか?+

どちらも単独で読めるように描かれています。ただ本編の設定を逆手に取ったネタも多いため、カイジを知っているほうが笑える場面は増えます。気になる人は本編の序盤だけ先に目を通しておくと、より楽しめます。

完結している作品はどれですか?+

『中間管理録トネガワ』『MASTERキートン』『ライドンキング』『おっさん冒険者ケインの善行』は完結済みです。『課長 島耕作』も課長編としては完結していて、物語は『部長 島耕作』へ続きます。そのほかは連載中なので、新刊を追いかける楽しみもあります。

料理やグルメが好きな人に向いている作品は?+

『きのう何食べた?』と『クッキングパパ』は、作中の料理を実際に作ってみたくなるレシピ描写が楽しめます。『深夜食堂』は料理そのものより、一皿をきっかけに客の人生がほどけていく人情話が中心です。『1日外出録ハンチョウ』は安い居酒屋や立ち食いそばなど、外で食べる楽しみを描いています。

まとめ

掲載した17作品に共通しているのは、主人公が若さではなく、それまで積み重ねてきた年月を手にして物語に立っている点です。中間管理職の板挟みも、妻を亡くした寂しさも、10年続く挫折も、すべてが話を動かす材料になっています。

笑える作品から重たい作品まで幅はありますが、同じ大人だから気づける面白さがある、と感じています。今の自分に近いおじさんを探すつもりで、気になる一冊から読んでみてください。

関連する特集

オモシロ漫画ツール