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ドラマが面白かったら原作へ!10巻以上で読みごたえ十分な実写ドラマ化漫画おすすめ52選

編集: 漫画よしあし
公開日:更新日:

ドラマを見終えて、原作も読んでみたくなった。でも10巻を超える長さを前に、どれから開くか迷っていませんか。この特集では、テレビや配信で連続ドラマになった漫画のうち、単行本が10巻以上ある52作を集めました。

話数に限りのあるドラマでは、長い原作のすべては映しきれません。原作なら、脇役の事情や日々の細かなやりとりまで自分のペースで追えます。闇金、離島の医療、音大の恋、深夜のめしや、幕末の江戸、海難救助。ジャンルは幅広く、連載中の作品もふくめています。

時間がない人向け結論:おすすめTOP3

  1. けんかをしても最後は食卓で気持ちが通い合い、年を重ねていく二人の暮らしのあたたかさがしみてきます。

  2. 育児の「手伝う」という言葉への指摘のように、当たり前だと思っていた考えをひっくり返す言葉が次々に出てきます。

  3. 小学1年生のなるとの、親子でも恋人でもない年の離れた兄妹のような関係がほほえましい。

目次

選び方のポイント

  1. 1. ドラマと同じ手ざわりを求めるか、違いを楽しむか

    原作とドラマでは、主人公の性格や話の重さがかなり違うことがあります。『海猿』のように、原作のほうがずっと泥くさい作品もあります。ドラマの印象のまま読みたいなら、各作品の「気になる点」を先にのぞいておくと安心です。違いそのものを楽しめる人には、原作のとげのある笑いや、映像では流れてしまう細部が読みどころになります。

  2. 2. 話の重さで選ぶ

    52作のなかには、読むのに気力が要る作品もあります。借金で転落する人を追う『闇金ウシジマくん』や、命がけのゲームが続く『今際の国のアリス』、悪人が法の抜け穴で逃げおおせる『九条の大罪』は、心に余裕のある日向きです。疲れた夜にほっとしたいなら、『きのう何食べた?』や『ばらかもん』、元極道が家事に命を懸ける『極主夫道』のように、日々の暮らしが中心の作品から入るのがおすすめ。

  3. 3. 一話完結か、長い縦軸か

    『深夜食堂』や『ごくせん』、『地獄先生ぬ~べ~』は一話ごとに話が区切れるので、すき間時間にも読めます。『金田一少年の事件簿』も、事件ひとつがほぼ一冊で片づきます。反対に『大奥』や『のだめカンタービレ』、『ゴールデンカムイ』は、巻を重ねるほど積み上がる物語です。まとまった時間をとって、最初から順に読むほうが楽しめます。

  4. 4. 完結済みか連載中か

    52作のうち34作は完結していて、結末まで一気に読めます。残る18作は連載中で、『正直不動産』『ミステリと言う勿れ』『九条の大罪』『税金で買った本』『パリピ孔明』などがこちらに入ります。新刊を待つ楽しみがほしい人は、連載中の作品から選んでみてください。

全52作品の比較表

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順位作品名ジャンル完結状況評価特徴向いている人
1きのう何食べた?きのう何食べた?ヒューマンドラマ/料理/日常連載中9.6/10けんかをしても最後は食卓で気持ちが通い合い、年を重ねていく二人の暮らしのあたたかさがしみてきます。手の込みすぎない家庭料理と、ゲイカップルの等身大の日常を一緒に味わいたい人にぴったりです。節約しながら旬の食材を使うやりくりから、献立のヒントをもらいたい人にも向いています。
2ミステリと言う勿れミステリと言う勿れミステリー/人間ドラマ/日常/サスペンス連載中9.5/10育児の「手伝う」という言葉への指摘のように、当たり前だと思っていた考えをひっくり返す言葉が次々に出てきます。事件の謎だけでなく、人の心の傷まで会話でほどいていく話が好きな人におすすめです。一話ごとの謎解きと、背後で動く大きなサスペンスの両方を追いたい人なら、長く付き合えます。
3ばらかもんばらかもん日常/コメディ完結9.5/10小学1年生のなるとの、親子でも恋人でもない年の離れた兄妹のような関係がほほえましい。離島の自然や島の人たちの笑いに囲まれて、都会の疲れを落としたい人に向いています。モノ作りの意味を問い直す主人公の成長を、ゆったりしたテンポで見守りたい人にも合う作品です。
4Dr.コトー診療所Dr.コトー診療所医療/人間ドラマ/日常連載中9.5/10はじめはヤブ医者と冷たくしていた漁師の原さんたちが、少しずつ家族のような信頼を寄せていく流れがあたたかい。離島でひとり命と向き合う医師の姿から、人のつながりと医療の熱さを感じたい人におすすめです。医師と島民が少しずつ心を開いていく、丁寧な人間ドラマが好きな人にも届きます。
5花より男子花より男子少女漫画/学園恋愛/ラブコメ完結9.4/10いじめに屈せずやり返す雑草魂が痛快で、暴君だった道明寺がつくしの一言に振り回されるポンコツぶりとの落差も楽しめます。まわりの圧力にも根性と意地で立ち向かうヒロインに、胸がすく思いをしたい人向けです。傲慢な金持ち男子が見せる不器用な一途さに、ときめきたい人ならはまれます。
6トリリオンゲームトリリオンゲームお仕事/ヒューマンドラマ/アクション完結9.4/10ハッタリと確かな技術がかみ合う瞬間の爽快さがあり、人を巻きこむハルの横で少しずつ育っていくガクの姿も効いています。とてつもない目標に向かって、知恵と人を動かす力で勝ちをもぎとる成功物語が好きな人にうってつけです。正反対の二人が組む凸凹コンビの成長を楽しみたい人にも合います。
7のだめカンタービレのだめカンタービレ音楽/ヒューマンドラマ/青春/ラブコメ/女性漫画完結9.3/10好きな先輩を追いかけていたのだめが、いつのまにか自分の音を探して独り立ちしていく流れが胸に残ります。絵と文字だけなのに演奏の熱が押しよせてくる感覚を、じっくり味わいたい人におすすめです。コメディのつもりで読み始めて、本気の重さにやられる展開に弱い人ならなおさら楽しめます。
8大奥大奥ドラマ/少女漫画/時代劇/歴史改変SF完結9.3/10史実を下敷きにしながら破綻しない作りこみの緻密さに、読み終えるころにはこちらが本当の歴史だったのではと思わされます。史実をもとにした歴史改変ものを、腰をすえて読みこみたい人に向いています。男女が逆転した世界で、長い年月にわたる群像劇に浸りたい人ならきっと満足できます。
9正直不動産正直不動産ヒューマンドラマ/ビジネス/社会派連載中9.2/10本音がこぼれて客の前であたふたする姿に笑いながら、不動産の契約で損をしないための知識が身につくのがうれしいところです。嘘がつけなくなった営業マンが誠実さだけで業界の闇を乗りこえる、痛快な社会派コメディで笑いたい人におすすめです。不動産の裏事情を、勉強しながら楽しく知りたい人にも合います。
10凪のお暇凪のお暇恋愛/ヒューマンドラマ/日常/女性漫画完結9.2/10豆苗を育て、廃品で部屋を整えるつつましい手づくりの暮らしに心がほぐれます。場の空気を読みすぎて消耗した覚えがあり、自分を押し殺す苦しさに共感したい人に向いています。一見いやな人物の裏にある事情まで描く、奥行きのある人物像を味わいたい人にもどうぞ。
11今際の国のアリス今際の国のアリスドラマ/アクション/サスペンス完結9.2/10ルールの作りこみが残酷で、そう来るかと驚かされる構成にぐいぐい引っぱられます。命をかけたデスゲームで人間の本質と生きる意味が問われる、スリルのある物語が好きな人におすすめです。ゲームごとの仕掛けを、謎解き感覚で考えながら読みたい人にも合います。
12重版出来!重版出来!青年漫画/お仕事/出版・編集/ヒューマンドラマ完結9.2/10漫画家や編集者だけでなく、営業や書店員まで一人ひとりのドラマが描かれ、一冊の本が読者に届くまでの舞台裏に胸が熱くなります。漫画が読者の手に届くまでの舞台裏で働く人たちの情熱を、温かい群像劇として楽しみたい人に向いています。仕事で行きづまったときに、元気をもらえるお仕事ものを探している人にもぴったりです。
13ハコヅメ~交番女子の逆襲~ハコヅメ~交番女子の逆襲~ヒューマンドラマ/社会派/コメディ連載中9.2/10ハイテンションなギャグの合間に命の重さを突きつけるシリアス回が差しこまれ、その落差にやられます。警察官の本音がにじむリアルな描写に、驚きと敬意を感じたい人におすすめです。大笑いとずしりと来るシリアスの落差や、伏線が一気に拾われる流れが好きな人ならはまれます。
14深夜食堂深夜食堂人情ドラマ/グルメ連載中9/10赤いウインナーや猫まんまといった思い出の一皿をきっかけに、それぞれの人生がぽつりと語られる短い人情話が、十ページほどでじんわりしみてきます。料理と人生が静かに結びつく、一話完結の人情短編をしみじみ味わいたい人にうってつけです。登場人物の飾らないリアルさに、自分の過去を重ねたい人にも向いています。
15家栽の人家栽の人青年漫画/ヒューマンドラマ/法律完結8.8/10ぼんやりしていた判事が法廷では別人のように鋭くなる、一話ごとの切れ味がたまりません。結論を急がず、傷ついた子どもが育つのを待つ大人のまなざしをじっくり味わいたい人に向いています。教師や親として子どもと関わり、加害の側の事情にも目を向けたい人には響くはずです。
16クロサギクロサギドラマ/法律/経済/サスペンス完結8.5/10取材にもとづく実在の手口がリアルに暴かれ、詐欺師を上回る知恵で騙し返す痛快さがたまりません。実在する詐欺の手口と裏社会のしくみが暴かれる、頭を使うサスペンスが好きな人におすすめです。いくつもの正義がぶつかる人間ドラマを、騙し合いと並行して楽しみたい人にも合います。
17ドラゴン桜ドラゴン桜ヒューマンドラマ/教育/学園完結8.5/10「計算100本ノック」のような勉強法は、なぜ効くのかまで説明されていて、読んだその日から試したくなる具体性があります。落ちこぼれが這い上がる熱い逆転劇が好きな人にぴったりです。すぐ使える勉強のやり方を知りたい人や、自分で考えて動く力に刺激を受けたい人にも向いています。
18闇金ウシジマくん闇金ウシジマくん青年漫画/金融・サスペンス/裏社会・クライム完結8.4/10ずるずると借金を重ねて落ちていく姿は他人ごととは思えない身近な怖さで、怖いのに目が離せません。借金や転落の怖さを生々しい物語で知り、安易にお金を借りない危機感を持っておきたい人に向いています。人間の弱さやずるさがむき出しになる裏社会ものを探している人ならはまるはずです。
19逃げるは恥だが役に立つ逃げるは恥だが役に立つヒューマンドラマ/社会派/ラブコメ/女性漫画完結8.4/10夫婦の「なんとなく」を流さず、もやもやを話し合いで一つずつ片づけていく関係がまぶしい。結婚や家事のあたりまえに引っかかっていて、話し合いで夫婦の形を決める物語を読みたい人におすすめです。損得から始まった関係が少しずつほどけていく流れを、ゆっくり味わいたい人にも合います。
20ごくせんごくせん人情/コメディ/女性漫画/学園完結8.4/10教師と極道のお嬢の顔を切り替える痛快さがあり、問題児を一喝する場面ではすかっとします。先生と裏の顔を切り替える痛快さを楽しみたい人に向いています。テンポのいい笑いとにぎやかなかけ合いが好きな人、生徒の悩みに踏みこむ話も読みたい人にもどうぞ。
21DEATH NOTEDEATH NOTEミステリー/サスペンス/心理戦/ダークファンタジー完結9.3/10正体を隠したまま一手先を読み合う頭脳戦は、次にどう転ぶかがまるで読めません。名前を書くだけで人が死ぬノートをめぐる、天才どうしの読み合いにひりつきたい人におすすめです。巻数のわりに中身がぎっしり詰まった物語を、読みごたえとして楽しめる人にも合います。
22ROOKIESROOKIES少年漫画/高校野球/ヤンキー・不良/スポーツ/学園完結8.7/10殴られても生徒を信じ抜く、力で押さえつけない大人の向き合い方に、突っぱねていた不良たちが一人ずつ部室へ戻ってくる流れが熱い。荒れた野球部が一から立て直されていく、王道の熱血スポーツものに素直に燃えられる人にぴったりです。野球のルールにくわしくなくても、不器用な連中が本気になる姿に弱い人ならはまれます。
23今日から俺は!!今日から俺は!!少年漫画/青春・学園/ヤンキー・不良/ギャグ・コメディ完結8.8/10勝つためなら卑怯な手も平気で使う三橋は、ずるいのになぜか憎めない主人公で、読んでいるあいだ笑いが止まりません。不良ものは避けてきたけれど、けんかよりギャグが主役の学園漫画なら読んでみたい人にうってつけです。さんざん笑ったあとに、相棒どうしの信頼でぐっとくる展開まで味わいたい人にも向いています。
24金田一少年の事件簿金田一少年の事件簿ミステリー/少年漫画/推理/サスペンス完結8.7/10流し読みしていた場面が終盤で決め手の証拠に化けるなど、伏線がつながったときの気持ちよさは格別です。犯人当てだけでなく、追い詰められた人間の動機までていねいに描くミステリーを読みたい人に向いています。一冊ごとに事件が片づく作りで、ホラー寄りの怖さも味わいたい人ならなおさらです。
25地獄先生ぬ~べ~地獄先生ぬ~べ~少年漫画/コメディ/ホラー/アクション/学園完結9/10妖怪や都市伝説の話は子どもが震えるほど怖いのに、ギャグや人情話がはさまり、怖さと笑いと涙が一話に収まるつくりになっています。ふだんは頼りないのに、いざという時は命がけで生徒を守る先生の姿にぐっとくる人におすすめです。本気で怖い妖怪話と笑える人情話を、一話ずつ気軽に読みたい人にもどうぞ。
26夜王夜王青年漫画/ヒューマンドラマ/サクセスストーリー連載中8.7/10技術や打算に頼らず、まっすぐな誠実さで客の凍った心を溶かしていく姿に、何度も胸が熱くなります。打算ではなく誠実さを武器に、夜の街の頂点を目指す男のサクセスストーリーに燃えたい人に向いています。欲望の渦巻く世界で主人公が泥くさく這い上がる、骨太の人間ドラマが好きな人にも合います。
27パリピ孔明パリピ孔明音楽/日常/コメディ/転生連載中9/10売れない歌手の英子の軍師となり、古代中国の兵法で音楽業界を攻略していく知略戦が痛快。三国志の兵法を、ライブの集客やSNSのバズに置きかえる発想にニヤリとできる人にぴったりです。シュールな笑いの一方で、歌声と努力が積み重なる音楽サクセスの熱さにも泣かされたい人に向いています。
28ナンバMG5ナンバMG5ヤンキー/少年漫画/学園コメディ連載中8.6/10家では特攻服、学校では学生服という正体を隠した二重生活の綱渡りが、コミカルなのに共感を誘います。ヤンキーの自分と普通の高校生の自分、二つの顔を使い分けるドタバタを笑って楽しみたい人におすすめです。怖そうなのに家族思いな一家の絆に、じんとくる場面を求める人にも向いています。
29コウノドリコウノドリ青年漫画/医療/ヒューマンドラマ完結9/10生まれてくる瞬間の危うさをここまで描いた医療漫画はなかなかなく、読むたびに目頭が熱くなります。出産や新しい命がどれほど危ういものか、きれいごと抜きに現場の目線で知っておきたい人に向いています。医療者の迷いや弱さまで踏みこんだ人間ドラマを、じっくり読みたい人にもおすすめです。
30LIAR GAMELIAR GAMEドラマ/サスペンス/心理戦完結9.2/10ルールの説明から思わぬ抜け穴を突く逆転までの流れには、緊張と快感が詰まっています。複雑なゲームのルールを読み解いた先で、「そういうことか」とひっくり返る逆転の快感を味わいたい人にうってつけです。知恵で勝負する男と、人を信じる力をもつ女子大生の凸凹コンビを追いたい人にも合います。
31ハチミツとクローバーハチミツとクローバー恋愛/青春/美術大学完結9.2/10やわらかなパステル調の絵なのに、将来への漠然とした不安がやけにリアルに迫ってきます。実らないとわかっていても誰かを想い続ける、切なくて不器用な片思いに胸をしめつけられたい人に向いています。恋だけでなく、才能や将来への不安まで描いた群像劇を味わいたい人にもどうぞ。
32ブラックジャックによろしくブラックジャックによろしく青年漫画/医療/社会派ドラマ完結9.1/10きれいごとで片づかない医療の現実を前に、組織のきまりを破ってでも患者の側に立とうとします。延命や告知のように、医療の現場で答えの出ない問いを物語のかたちで見つめたい人に向いています。経験も自信もない新人がもがく姿に、自分を重ねて読みたい人ならはまるはずです。
33医龍-Team Medical Dragon-医龍-Team Medical Dragon-青年漫画/医療/ヒューマンドラマ完結8.8/10命を救う手術の緊張と並んで、教授選をめぐる派閥争いの心理戦が描かれ、中だるみせずに読み進められます。手術の緊張感だけでなく、派閥や出世争いまで踏みこんだ骨のある医療ドラマを、腰をすえて読みたい人におすすめです。医療の知識がなくても、わかりやすい解説つきで手術室の緊張を味わいたい人に合います。
34GTOGTOギャグ/アクション/学園完結8.5/10立派な理屈を一つも語らずに生徒を救っていく乱暴なやり方が、なぜか格好よく見えてきます。難しい教育論やきれいごとより、常識をまとめてぶち壊す痛快さでスカッとしたい人にぴったりです。多少の粗さや古さは笑って流し、当時の空気ごと味わえる人なら楽しめます。
35花ざかりの君たちへ花ざかりの君たちへ少女漫画/ラブコメ/学園連載中8.6/10ひたむきな瑞稀と、無口ながら彼女を気にかける佐野とのもどかしく縮まっていく距離に、何度もきゅんとさせられます。正体がばれそうでばれない男装生活のハラハラを、ラブコメとして味わいたい人に向いています。学校行事のにぎわいや、少しずつ近づく二人のじれったさを楽しみたい人にもおすすめです。
36極主夫道極主夫道日常/コメディ/アクション連載中9.1/10特売セールを「カチコミ」と呼ぶような物騒な極道言葉と家事の組み合わせがコントのように決まり、劇画タッチの絵がスーパーの特売まで抗争のように見せてくれます。元最凶ヤクザが真顔で完璧な家事をこなすギャップで笑いつつ、ほのぼのした町内の人たちに癒やされたい人におすすめです。一話完結のコメディを、すき間時間にさくさく読みたい人にも向いています。
37賭ケグルイ賭ケグルイドラマ/ギャンブル/サスペンス連載中9/10理不尽なルールを逆手にとる知略と、狂気と美しさが同居する表情の迫力に引きこまれます。ギャンブルの強さで階級が決まる学園で、支配をひっくり返していく心理バトルの緊張感に浸りたい人に向いています。勝負ごとに変わるゲームのルールやトリックを、謎解き感覚で楽しみたい人にも合います。
38神の雫神の雫青年漫画/ミステリー/グルメ完結8.5/10産地や造り手の背景をドラマのように語るテイスティングでは、ワインを芸術にたとえる表現に、飲んだことのない一杯まで味わった気分になれます。ワインにくわしくなくても、食や文化に興味があって読みながら学びたい人にうってつけです。ライバルとの対決を軸にした、骨太の人間ドラマが好きな人にも向いています。
39鈴木先生鈴木先生青年漫画/ヒューマンドラマ/社会派/学園完結8.7/10自身のできちゃった結婚をきっかけに教室で始まる、生徒と大人が対等に言葉をぶつけ合う討論が、ちゃんと議論として成り立っているのに驚かされます。マルかバツかで割り切れない問いに、じっくり付き合ってみたい人におすすめです。文芸誌のように文字の詰まった会話劇を、苦にせず読める人なら楽しめます。
40サイコメトラーEIJIサイコメトラーEIJIミステリー/ヤンキー/少年漫画/アクション/サスペンス完結8.3/10断片しか見えない能力のほどよい不自由さがあるので、超能力ものなのに推理の余地がしっかり残ります。事件の謎解きだけでなく、犯人の心のゆがみがどこから生まれたのかまで読みたい人に向いています。喧嘩っ早い主人公と仲間たちの義理と熱さに、乗せられたい人にもおすすめです。
41ゴールデンカムイゴールデンカムイ青年漫画/サバイバル/歴史/グルメ/アクション完結8.9/10アイヌの言葉や食文化、狩猟の知恵が物語にていねいに織りこまれ、読みながら明治の北海道の暮らしを体感できます。物語を楽しみながら、アイヌの食文化や狩猟の知恵、自然との向き合い方まで学びたい人にうってつけです。ミステリーにアクション、グルメ、歴史までを一作に詰めこんだ濃い物語が好きな人にも向いています。
42海猿海猿青年漫画/レスキュー漫画連載中8.7/10手足を震わせ涙を流しながらも前を向く姿に荒れた海の迫力が重なり、海で人の命を救う仕事の過酷さが伝わってきます。命を救う仕事の過酷さと尊さを、きれいごと抜きに描いた物語に胸を打たれたい人に向いています。重たくても希望の残る、悩みながら一人前になっていく成長劇を味わいたい人にもどうぞ。
43ヤンキー君とメガネちゃんヤンキー君とメガネちゃんヤンキー/青春/コメディ/ラブコメ/学園完結7.8/10じつは花は伝説の元ヤンキーで勉強はまるでできず、ヤンキーのほうが常識人でツッコミに回るひっくり返った関係がずっとおかしい。優等生に見える委員長の中身が正反対だったというギャップで、笑わせてくれる話を読みたい人におすすめです。騒がしい笑いの合間にはさまる、ぎこちない距離の縮まり方にきゅんとしたい人にも向いています。
44彼岸島彼岸島バトル・アクション/サバイバル/ホラー/サスペンス完結7.2/10逃げ場のない島でむき出しになる人間の弱さが怖く、今すぐ決めろと迫られる場面の連続に心臓がばくばくします。化け物の襲撃そのものより、追い詰められた人間の判断が崩れていく怖さを味わいたい人に向いています。真顔のまま突き抜けていくせりふ回しと勢いまかせの展開を、突っこみながら笑える人ならはまります。
45税金で買った本税金で買った本ドラマ/ヒューマンドラマ/職業・仕事/コメディ連載中8.8/10破れた本の直し方や、探している一冊を突き止める調べものなど、利用者からは見えない図書館の裏側がコミカルに描かれています。本を借りるだけでは見えない、図書館の裏側や司書の仕事ぶりをのぞいてみたい人にぴったりです。見た目で損をしている主人公が、知ることの面白さに目覚めていく成長ものが好きな人にも合います。
46アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどりアンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり青年漫画/お仕事/医療完結8.4/10頼られることも親しまれることも少ない、縁の下の力持ちの仕事をここまでていねいに見せる作品はそう多くありません。医師や看護師の陰に隠れがちな医療の裏方の仕事を、働く人の目線からのぞいてみたい人に向いています。薬の飲み合わせや副作用など、暮らしに役立つ知識を物語のなかで拾いたい人にもおすすめです。
47ミワさんなりすますミワさんなりすます芸能/ヒューマンドラマ/サスペンス連載中8.6/10いつ正体がばれるかわからないサスペンスとコメディのはざまの緊張に、コメディとわかっていても心拍数が上がります。推しのそばにいたい一心でつく嘘の揺れに、共感しながら読みたい人に向いています。正体がばれそうなひりつく空気と、オタクの知識が相手に届く瞬間の爽快さを味わいたい人にもどうぞ。
48め組の大吾め組の大吾少年漫画/職業・ヒューマンドラマ完結8.8/10その怖さと向き合いながら前に出る姿に、こちらまで背中を押されます。規律をはみ出してでも目の前の命を取りにいく型破りな主人公に、思いきり肩入れしたい人におすすめです。火災や事故の現場を描いた張りつめた救助劇で、心臓が跳ねる感覚を味わいたい人にも向いています。
49美食探偵 明智五郎美食探偵 明智五郎ミステリー/グルメ/サスペンス連載中8.2/10憎み合うほど互いを深く理解してしまう、追う者と追われる者の関係が切なく、途中から胸が苦しくなってきます。謎解きの切れ味より、探偵と犯罪者が惹かれ合いながら戦う関係の危うさにぞくぞくしたい人にうってつけです。凄惨な事件の合間に、うまそうな料理と軽口まじりのかけ合いがはさまる緩急を楽しみたい人にも合います。
50JIN―仁―JIN―仁―青年漫画/医療/時代劇/SF完結4.5/10未来の知識で無双する話かと思いきや、材料を集める人や器具を作る職人など、支える人がいて初めて一つの医術が形になる様子が描かれます。時代ものと医療とSFが混ざり合い、どれか一つでは出せない熱を生む物語を読みたい人に向いています。設備も薬もほとんどない場所で、あるものだけで人を助けようとする踏ん張りに胸が熱くなる人にもおすすめです。
51九条の大罪九条の大罪青年漫画/社会派ドラマ/法律/サスペンス連載中9.3/10第1話から、飲酒ひき逃げ犯が法の抜け穴で執行猶予になる理不尽さを見せつけられ、怒りで頭が熱くなります。法律と正義は必ずしも一致しないという冷たい現実を、物語で突きつけられたい人に向いています。感情を挟まず損得で動く、徹底的にドライな主人公の仕事ぶりを見届けたい人にもどうぞ。
52Shrink~精神科医ヨワイ~Shrink~精神科医ヨワイ~医療/ヒューマンドラマ/社会派連載中9/10症状のしくみや周りの接し方がわかりやすく描かれ、精神科は怖いところというイメージががらりと変わります。精神科へのハードルや偏見を感じていて、身近な心の問題に温かく向き合う医療ドラマを読みたい人に向いています。症状のしくみや周りの人の接し方を、当事者と家族の物語として知りたい人にもおすすめです。
1

きのう何食べた?

美味しい手料理と、大切な人と過ごす日常。シロさんとケンジが贈る、温かくてシビアな2LDKライフ!

この特集で選んだ理由

52作のなかで、食卓を舞台にしたおだやかな日常ものといえばこの一作です。

きのう何食べた?
作者
よしながふみ
掲載誌
モーニング
ジャンル
ヒューマンドラマ/料理/日常
完結
連載中
評価
9.6/10

良い点

弁護士のシロさんと美容師のケンジが囲む晩ごはんは、真似して作れるほど手順まで描かれています。けんかをしても最後は食卓で気持ちが通い合い、年を重ねていく二人の暮らしのあたたかさがしみてきます。親との関係や社会の壁も、ごまかさずに描かれています。

気になる点

大きな事件や急展開はほとんどなく、話はゆっくり進みます。山場を求めて読むと物足りないかもしれません。レシピの説明がくわしいぶん、二人の恋の場面をもっと読みたい人には回り道に感じられます。

こんな人におすすめ

手の込みすぎない家庭料理と、ゲイカップルの等身大の日常を一緒に味わいたい人にぴったりです。節約しながら旬の食材を使うやりくりから、献立のヒントをもらいたい人にも向いています。

こんな人には不向き

毎回はらはらする展開がほしい人には、おだやかな日々が淡々と続く作りが退屈に映るかもしれません。料理より人間ドラマを中心に読みたい人は、レシピの説明を長く感じそうです。

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2

ミステリと言う勿れ

天然パーマの大学生が喋るだけで解決!?心と事件を解きほぐす会話劇ミステリー!

この特集で選んだ理由

派手なアクションを使わず会話だけで事件を解く作品として、謎解きものの中心に置きました。

ミステリと言う勿れ
作者
田村由美
掲載誌
月刊flowers
ジャンル
ミステリー/人間ドラマ/日常/サスペンス
完結
連載中
評価
9.5/10

良い点

天然パーマの大学生・整が、取り調べの席でしゃべるだけで事件の矛盾も刑事の悩みもほどいていきます。育児の「手伝う」という言葉への指摘のように、当たり前だと思っていた考えをひっくり返す言葉が次々に出てきます。一話ごとの謎の裏で、大きな事件の筋がじわじわ進むのも読みごたえがあります。

気になる点

事件の最中に整が長々と持論を語る場面は、人によっては説教くさく感じる語り口です。月刊連載で長編が何巻にもまたがるため、新刊のたびに前の話を忘れてしまうもどかしさもあります。

こんな人におすすめ

事件の謎だけでなく、人の心の傷まで会話でほどいていく話が好きな人におすすめです。一話ごとの謎解きと、背後で動く大きなサスペンスの両方を追いたい人なら、長く付き合えます。

こんな人には不向き

トリックの応酬を楽しむ本格ミステリを求める人は、会話中心の作りを物足りなく感じるかもしれません。縦軸の謎がゆっくり進むのがじれったい人にも不向きです。

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3

ばらかもん

完結

イケメン書道家が、五島列島の温かい島民たちに揉まれるハートフル島コメディ!

この特集で選んだ理由

読んだあと肩の力が抜ける、島ぐらしの癒やし担当です。

ばらかもん
作者
ヨシノサツキ
掲載誌
ガンガンONLINE/月刊少年ガンガン/ガンガンパワード
ジャンル
日常/コメディ
完結
完結
評価
9.5/10

良い点

館長を殴って五島列島に送られた書道家の半田が、島の子どもや大人にもまれながら自分の字を見つけていきます。小学1年生のなるとの、親子でも恋人でもない年の離れた兄妹のような関係がほほえましい。最終19巻では、少し大きくなったなるの姿まで見届けられます。

気になる点

島ののどかな日常が中心なので、大事件や大きな山場を待つ人には退屈に映るかもしれません。五島弁のセリフは慣れるまで読みとりにくく、序盤の半田の短気で大人げない態度にいらっとする場面もあります。

こんな人におすすめ

離島の自然や島の人たちの笑いに囲まれて、都会の疲れを落としたい人に向いています。モノ作りの意味を問い直す主人公の成長を、ゆったりしたテンポで見守りたい人にも合う作品です。

こんな人には不向き

大きな事件がないと読み続けにくい人には、のんびりした日々が単調に感じられるかもしれません。方言の多いセリフを読みなれていない人は、慣れるまで少し時間がかかります。

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4

Dr.コトー診療所

孤島に赴任した天才医師コトー。限界の医療現場で命の輝きを問う、感動の離島医療ドラマ!

この特集で選んだ理由

医療ものからは、離島の診療所という舞台ごと味わえるこの作品を推します。

Dr.コトー診療所
作者
山田貴敏
掲載誌
ビッグコミックオリジナル/週刊ヤングサンデー
ジャンル
医療/人間ドラマ/日常
完結
連載中
評価
9.5/10

良い点

設備のとぼしい離島で、コトー先生は限られた道具と自分の腕だけで命を救っていきます。はじめはヤブ医者と冷たくしていた漁師の原さんたちが、少しずつ家族のような信頼を寄せていく流れがあたたかい。医師不足のような重い課題も、泣かせにかからず静かに描かれます。

気になる点

本編は25巻を最後に長い休載に入ったままで、結末はまだ読めません。切開や血しぶきの描写もなまなましく、グロテスクな場面が苦手な人には食事中はきついはずです。

こんな人におすすめ

離島でひとり命と向き合う医師の姿から、人のつながりと医療の熱さを感じたい人におすすめです。医師と島民が少しずつ心を開いていく、丁寧な人間ドラマが好きな人にも届きます。

こんな人には不向き

主人公が限界をこえて無理を続ける展開がつらい人には、しんどい場面が続きます。序盤に島民から理不尽な態度をとられる流れで、ストレスを感じやすい人も注意してください。

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5

花より男子

完結

F4の暴君ぶりに雑草娘が宣戦布告!?恋とプライドが激突する格差ラブコメの最高峰!

この特集で選んだ理由

学園ラブコメの王道として、恋愛ものの柱に据えた一作。

花より男子
作者
神尾葉子
掲載誌
マーガレット
ジャンル
少女漫画/学園恋愛/ラブコメ
完結
完結
評価
9.4/10

良い点

名門校を牛耳る御曹司4人組に目をつけられても、つくしは一歩も引きません。いじめに屈せずやり返す雑草魂が痛快で、暴君だった道明寺がつくしの一言に振り回されるポンコツぶりとの落差も楽しめます。ニューヨークまで舞台が広がる、スケールの大きな展開も読みどころです。

気になる点

序盤の集団いじめは、今の感覚で読むと笑えないほど激しい描写です。後半は記憶喪失や海外への逃避行、恋敵の横やりが続き、道明寺の母親の執拗な嫌がらせにも気が重くなります。

こんな人におすすめ

まわりの圧力にも根性と意地で立ち向かうヒロインに、胸がすく思いをしたい人向けです。傲慢な金持ち男子が見せる不器用な一途さに、ときめきたい人ならはまれます。

こんな人には不向き

序盤から続く激しいいじめの描写に、気持ちが削られてしまう人には向きません。恋の障害が次々に現れる展開に疲れやすい人も、後半は注意が必要です。

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6

トリリオンゲーム

完結

世界一のワガママ男と天才エンジニアが、1兆ドル稼ぐために起業!最強タッグが贈るミラクル成功譚!

この特集で選んだ理由

起業という題材はこのリストでは珍しく、野心むきだしの勝負を読みたい人のための一冊です。

トリリオンゲーム
作者
稲垣理一郎/池上遼一
掲載誌
ビッグコミックスペリオール
ジャンル
お仕事/ヒューマンドラマ/アクション
完結
完結
評価
9.4/10

良い点

世界一のワガママ男ハルと、気弱な天才エンジニアのガクが、1兆ドルを目指してゼロから起業します。ハッタリと確かな技術がかみ合う瞬間の爽快さがあり、人を巻きこむハルの横で少しずつ育っていくガクの姿も効いています。池上遼一の重厚な絵が、ビジネスの駆け引きに迫力を足しています。

気になる点

ハルのハッタリは現実ばなれして見える場面があり、地道に足場を固める過程を読みたい人には物足りません。登場人物が増えるにつれて、だれがどの会社の人かを整理するのにも手間がかかります。

こんな人におすすめ

とてつもない目標に向かって、知恵と人を動かす力で勝ちをもぎとる成功物語が好きな人にうってつけです。正反対の二人が組む凸凹コンビの成長を楽しみたい人にも合います。

こんな人には不向き

主人公の倫理観のゆるさや、うまく行きすぎる展開に冷めてしまう人には不向きです。ITやビジネスの話になじみがないと、用語についていくのに苦労するかもしれません。

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7

のだめカンタービレ

完結

変わり者の天才ピアニストと堅物のエリート先輩が、笑わせて泣かせるクラシック青春記。

この特集で選んだ理由

52作のなかでクラシック音楽を題材にしたのはこれだけで、その世界への入り口にもなります。

のだめカンタービレ
作者
二ノ宮知子
掲載誌
Kiss
ジャンル
音楽/ヒューマンドラマ/青春/ラブコメ/女性漫画
完結
完結
評価
9.3/10

良い点

指揮者を目指す千秋と、ゴミだらけの部屋に住む後輩ののだめ。笑える音大コメディとして開いても、紙の上から演奏が聞こえてくるような描写に引きこまれます。好きな先輩を追いかけていたのだめが、いつのまにか自分の音を探して独り立ちしていく流れが胸に残ります。

気になる点

のだめの部屋の汚さを笑いにする場面は、不潔な描写が苦手だと受けつけにくいほどです。音楽の話が濃くなるにつれて恋の甘さは控えめになり、指導の場面の決まり文句には楽器経験者ほど引っかかるかもしれません。

こんな人におすすめ

絵と文字だけなのに演奏の熱が押しよせてくる感覚を、じっくり味わいたい人におすすめです。コメディのつもりで読み始めて、本気の重さにやられる展開に弱い人ならなおさら楽しめます。

こんな人には不向き

二人がくっつくまでの恋の過程を中心に読みたい人は、演奏の話の多さに肩透かしを食うかもしれません。騒がしいノリが最後まで続くと疲れてしまう人にも向きません。

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8

大奥

完結

男女逆転の江戸を生きた、大奥二百年の壮大な歴史改変絵巻の物語!

この特集で選んだ理由

江戸の二百年にわたる長い物語として、歴史ものの代表に選んでいます。

大奥
作者
よしながふみ
掲載誌
MELODY
ジャンル
ドラマ/少女漫画/時代劇/歴史改変SF
完結
完結
評価
9.3/10

良い点

謎の疫病で男が激減した江戸で、将軍職を女性が継いでいく男女逆転の歴史ものです。史実を下敷きにしながら破綻しない作りこみの緻密さに、読み終えるころにはこちらが本当の歴史だったのではと思わされます。徳川家の似た名前が覚えられなかった人でも、歴史の流れがすっと頭に入ります。

気になる点

陰謀や疫病をめぐる重い展開が続き、一気に読むと心の体力を消耗する巻があります。登場人物の顔立ちが似ていて見分けにくく、情報量も多いので、年表を横に置きたくなる場面もあります。

こんな人におすすめ

史実をもとにした歴史改変ものを、腰をすえて読みこみたい人に向いています。男女が逆転した世界で、長い年月にわたる群像劇に浸りたい人ならきっと満足できます。

こんな人には不向き

重いテーマが続く展開に疲れやすい人には、読み進めるのがしんどい巻があります。軽い気持ちで楽しめる娯楽作を探している人にも不向きです。

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9

正直不動産

嘘がつけなくなったエリート営業マン!誠実さだけで不動産業界の闇に挑む、痛快社会派エンタメ開幕!

この特集で選んだ理由

住まいとお金の知識が身につく、実用寄りの一冊として加えました。

正直不動産
作者
水野光博/夏原武/大谷アキラ
掲載誌
ビッグコミック
ジャンル
ヒューマンドラマ/ビジネス/社会派
完結
連載中
評価
9.2/10

良い点

口八丁で成約率トップだった営業マンの永瀬が、ある日から嘘をつけなくなります。本音がこぼれて客の前であたふたする姿に笑いながら、不動産の契約で損をしないための知識が身につくのがうれしいところです。専門的な話も、表情豊かな絵のおかげでわかりやすく読めます。

気になる点

業界の闇がなまなましく描かれるので、これから家を買う人ほど不安になる場面があります。専門用語や法律の話が多く、一度読んだだけでは仕組みがつかめず読み返すこともしばしば。嘘がつけなくなるきっかけが祟りという設定にも、慣れるまで戸惑うかもしれません。

こんな人におすすめ

嘘がつけなくなった営業マンが誠実さだけで業界の闇を乗りこえる、痛快な社会派コメディで笑いたい人におすすめです。不動産の裏事情を、勉強しながら楽しく知りたい人にも合います。

こんな人には不向き

専門用語や業界の慣習の説明が続くと読むのがしんどくなる人には、合わない場面があります。主人公に、ポンコツぶりよりスマートな活躍を期待する人も物足りないかもしれません。

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10

凪のお暇

完結

空気を読みすぎた女性が全てを捨てて人生リセット!本当の自分を探す再生の物語。

この特集で選んだ理由

生きづらさを抱えた人が「休む」ことを正面から描いた、ほかにない切り口の作品です。

凪のお暇
作者
コナリミサト
掲載誌
Eleganceイブ
ジャンル
恋愛/ヒューマンドラマ/日常/女性漫画
完結
完結
評価
9.2/10

良い点

空気を読みすぎて倒れた28歳の凪が、仕事も恋人も捨てて郊外のアパートで暮らし直します。豆苗を育て、廃品で部屋を整えるつつましい手づくりの暮らしに心がほぐれます。母親の呪縛から自分の足で抜け出す凪の姿には、勇気をもらえるはずです。

気になる点

序盤の元恋人・慎二はモラハラまがいの言動がきつく、読むのがつらい場面もあります。後半は母親との確執など家族の問題が重くなり、二人の男性のあいだで揺れる凪の優柔不断さにじれる人もいるでしょう。

こんな人におすすめ

場の空気を読みすぎて消耗した覚えがあり、自分を押し殺す苦しさに共感したい人に向いています。一見いやな人物の裏にある事情まで描く、奥行きのある人物像を味わいたい人にもどうぞ。

こんな人には不向き

モラハラめいた言動や重い家族の問題が、気持ちのうえでしんどい人は注意が必要です。図星を突かれるような心理描写が続くと疲れてしまう人にも向きません。

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11

今際の国のアリス

完結

無人となった東京で、命を賭けた『げぇむ』が幕を開ける。知略と勇気で理不尽な世界を生き抜く、衝撃のサバイバル・サスペンス!

この特集で選んだ理由

デスゲームものから、極限のスリルを受け持つ作品として入れています。

今際の国のアリス
作者
麻生羽呂
掲載誌
週刊少年サンデー/週刊少年サンデーS
ジャンル
ドラマ/アクション/サスペンス
完結
完結
評価
9.2/10

良い点

無人になった東京で、アリスたちはトランプの絵札に結びついた命がけの「げぇむ」に挑みます。ルールの作りこみが残酷で、そう来るかと驚かされる構成にぐいぐい引っぱられます。極限で命の選択を迫られる心理描写も、生きる意味を問いかけてきます。

気になる点

人が次々と死ぬ過激でショッキングな描写が続くため、心が弱っているときには読みにくい作品です。トランプのルールや心理戦も複雑で、気楽に楽しむというより、頭を使いながら読む作品です。

こんな人におすすめ

命をかけたデスゲームで人間の本質と生きる意味が問われる、スリルのある物語が好きな人におすすめです。ゲームごとの仕掛けを、謎解き感覚で考えながら読みたい人にも合います。

こんな人には不向き

登場人物が残酷に命を落とす展開が続くと、気持ちがすり減ってしまう人には不向きです。複雑なルールより、シンプルな緊張感を楽しみたい人も読みにくさを感じるかもしれません。

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12

重版出来!

完結

一冊の漫画を届けるために奮闘するプロたちの情熱を描く、至高のお仕事ドラマ!

この特集で選んだ理由

漫画そのものを作る人たちの話なので、漫画好きにはいちばん身近な題材かもしれません。

重版出来!
作者
松田奈緒子
掲載誌
月刊!スピリッツ
ジャンル
青年漫画/お仕事/出版・編集/ヒューマンドラマ
完結
完結
評価
9.2/10

良い点

柔道ひとすじだった新人の心が、漫画編集の現場に飛びこみます。漫画家や編集者だけでなく、営業や書店員まで一人ひとりのドラマが描かれ、一冊の本が読者に届くまでの舞台裏に胸が熱くなります。ベテラン作家の引退や新人作家の迷いを扱う回には、仕事への誇りを思い出させられます。

気になる点

元柔道家の心の全力投球ぶりは、疲れているときにはまぶしすぎてついていけない明るさです。漫画家たちの過去やトラウマの描写は重く、業界のしくみの説明が長く続く回もあります。

こんな人におすすめ

漫画が読者の手に届くまでの舞台裏で働く人たちの情熱を、温かい群像劇として楽しみたい人に向いています。仕事で行きづまったときに、元気をもらえるお仕事ものを探している人にもぴったりです。

こんな人には不向き

体育会系のハイテンションな主人公についていけない人には、読んでいて疲れる場面があります。サブキャラの掘り下げで本筋がなかなか進まないと、じれったく感じるかもしれません。

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13

ハコヅメ~交番女子の逆襲~

辞めたい新米と超優秀な部長の凸凹コンビが、警察官のリアルすぎる日常と闇、そして誇りを描き出す警察官あるあるコメディ!

この特集で選んだ理由

警察官経験のある作者による交番もので、お仕事もののなかでも現場の本音がいちばん濃い一作。

ハコヅメ~交番女子の逆襲~
作者
泰三子
掲載誌
モーニング
ジャンル
ヒューマンドラマ/社会派/コメディ
完結
連載中
評価
9.2/10

良い点

辞めたい新米の川合と、元刑事課のエース・藤部長が組む交番の毎日を、警察官経験のある作者が描きます。ハイテンションなギャグの合間に命の重さを突きつけるシリアス回が差しこまれ、その落差にやられます。一話完結に見せかけて張られていた伏線が、一気に回収される展開もあります。

気になる点

交通事故や性犯罪など、現実の重い事件を扱う回はギャグ回との落差が大きく、読むのをためらうほどです。きわどい下ネタも出てきますし、登場人物や役職名が多いので、だれがどの部署かを追うのにひと苦労します。

こんな人におすすめ

警察官の本音がにじむリアルな描写に、驚きと敬意を感じたい人におすすめです。大笑いとずしりと来るシリアスの落差や、伏線が一気に拾われる流れが好きな人ならはまれます。

こんな人には不向き

事故や犯罪など重い事件の回がつらく感じる人には向きません。下ネタの多い空気が苦手な人や、登場人物が多いと追いきれない人も注意してください。

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14

深夜食堂

深夜の路地裏、頼めば何でも作るめしやに集うワケあり客の人情オムニバス!

この特集で選んだ理由

一話がとても短いオムニバスなので、寝る前に少しずつ読みたい人のために選びました。

深夜食堂
作者
安倍夜郎
掲載誌
ビッグコミックオリジナル
ジャンル
人情ドラマ/グルメ
完結
連載中
評価
9/10

良い点

深夜0時から朝まで開く路地裏のめしやに、ワケありの客が集まります。赤いウインナーや猫まんまといった思い出の一皿をきっかけに、それぞれの人生がぽつりと語られる短い人情話が、十ページほどでじんわりしみてきます。夜に読むと、無愛想なマスターの手料理が食べたくなります。

気になる点

巻数を重ねると、夢破れて故郷へ帰るような似た結末が目につきます。絵柄は素朴なので、食欲をそそる料理の絵を期待すると肩透かしを食うかもしれません。

こんな人におすすめ

料理と人生が静かに結びつく、一話完結の人情短編をしみじみ味わいたい人にうってつけです。登場人物の飾らないリアルさに、自分の過去を重ねたい人にも向いています。

こんな人には不向き

大きな事件や起伏を求める人には、淡々とした日常の繰り返しが退屈に映るかもしれません。似た構成の回をまとめて読むと、単調に感じやすい人もいそうです。

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15

家栽の人

完結

植物を愛する家裁判事が、少年事件や家族のもつれに向き合う。裁くのではなく栽てる、静かな法廷ドラマ。

この特集で選んだ理由

法廷ものでありながら、勝ち負けより子どもの育ちを見つめる点で選んだ作品です。

家栽の人
作者
魚戸おさむ/毛利甚八
掲載誌
ビッグコミックオリジナル
ジャンル
青年漫画/ヒューマンドラマ/法律
完結
完結
評価
8.8/10

良い点

植物ばかり気にかける家庭裁判所の判事・桑田が、少年事件や家族のもつれに向き合います。ぼんやりしていた判事が法廷では別人のように鋭くなる、一話ごとの切れ味がたまりません。虐待した母親の話にもじっくり耳を傾ける姿から、責める前に聞くことの重さを教わります。

気になる点

事件も調停もくわしく描くのに、肝心の決定を最後まで明かさない作りには物足りなさが残ります。理想の判事像として割り切る必要があり、昔の作品なので今の感覚とずれた家族観や言い回しも出てきます。

こんな人におすすめ

結論を急がず、傷ついた子どもが育つのを待つ大人のまなざしをじっくり味わいたい人に向いています。教師や親として子どもと関わり、加害の側の事情にも目を向けたい人には響くはずです。

こんな人には不向き

白黒はっきりした判決で締めくくる話を求める人は、結末を読者にゆだねる幕切れに戸惑うかもしれません。罪には見合った罰が必要だと考える人は、更生を信じて待つ前提になじみにくいでしょう。

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16

クロサギ

完結

家族を失った復讐鬼・黒崎が、詐欺師を専門に騙し返す「黒サギ」となり悪を討つ知略サスペンスだ!

この特集で選んだ理由

詐欺の手口を知って身を守れる、裏社会ものからのもう一本。

クロサギ
作者
夏原武/黒丸
掲載誌
週刊ヤングサンデー/ビッグコミックスピリッツ
ジャンル
ドラマ/法律/経済/サスペンス
完結
完結
評価
8.5/10

良い点

詐欺で家族を失った黒崎が、詐欺師だけを狙って騙し返す「黒サギ」になります。取材にもとづく実在の手口がリアルに暴かれ、詐欺師を上回る知恵で騙し返す痛快さがたまりません。宿敵の桂木から情報を買う危うい関係や、神志名刑事との正義のぶつかり合いもひりひりします。

気になる点

金融取引やダミー会社の説明が多く、文字が多くてさくさく読めない回があります。騙し返して大金を回収する流れが毎回ほぼ同じなので、まとめ読みでは繰り返しに感じやすいでしょう。

こんな人におすすめ

実在する詐欺の手口と裏社会のしくみが暴かれる、頭を使うサスペンスが好きな人におすすめです。いくつもの正義がぶつかる人間ドラマを、騙し合いと並行して楽しみたい人にも合います。

こんな人には不向き

解説の文字量が多いと読み進めにくい人には不向きです。主人公を犯罪者と責めるヒロインの正義感に、いらだちやすい人も注意が必要です。

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17

ドラゴン桜

完結

元暴走族の弁護士が落ちこぼれ高校生を東大現役合格へ導く、受験勉強法の概念を覆した伝説の教育コミック!

この特集で選んだ理由

受験という身近な題材で、読むだけで使える勉強のコツが拾える学園ものです。

ドラゴン桜
作者
三田紀房
掲載誌
モーニング
ジャンル
ヒューマンドラマ/教育/学園
完結
完結
評価
8.5/10

良い点

つぶれかけた高校に乗りこんだ元暴走族の弁護士・桜木が、落ちこぼれを東大に合格させようとします。「計算100本ノック」のような勉強法は、なぜ効くのかまで説明されていて、読んだその日から試したくなる具体性があります。偏差値30から這い上がる生徒たちの姿は、ひとりで受験勉強を続ける人の支えにもなります。

気になる点

桜木の物言いは正論でも傲慢さが鼻につくことがあり、素直に感動しにくい回もあります。勉強法の一部は今の受験情報と合わず、東大合格だけを目標にする価値観を窮屈に感じる人もいそうです。

こんな人におすすめ

落ちこぼれが這い上がる熱い逆転劇が好きな人にぴったりです。すぐ使える勉強のやり方を知りたい人や、自分で考えて動く力に刺激を受けたい人にも向いています。

こんな人には不向き

今の時代に合わない勉強法がまざると気になる人は、内容を割り引いて読む必要があります。言い切りの強い物言いが苦手な人にも向きません。

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18

闇金ウシジマくん

完結

闇金社長と、金に追い詰められた債務者たちの転落を生々しく描く裏社会ドラマ。

この特集で選んだ理由

お金にまつわる怖さをここまで生々しく描いた作品として、裏社会ものから外せない一作です。

闇金ウシジマくん
作者
真鍋昌平
掲載誌
ビッグコミックスピリッツ
ジャンル
青年漫画/金融・サスペンス/裏社会・クライム
完結
完結
評価
8.4/10

良い点

10日で5割の利息で金を貸す丑嶋のもとに、どこからも借りられない人たちがやって来ます。ずるずると借金を重ねて落ちていく姿は他人ごととは思えない身近な怖さで、怖いのに目が離せません。破滅へ走る人と、ぎりぎりで踏みとどまる脇役の対比もあざやかです。

気になる点

過激な暴力が多く、ひとかけらの救いもない回は読後の気分をずしりと重くします。文字がびっしり詰まったページが続き、女性がぞんざいに扱われる場面もあるので、好みははっきり分かれます。

こんな人におすすめ

借金や転落の怖さを生々しい物語で知り、安易にお金を借りない危機感を持っておきたい人に向いています。人間の弱さやずるさがむき出しになる裏社会ものを探している人ならはまるはずです。

こんな人には不向き

心に余裕がないときに救いのない話が続くと、引きずってしまう人は避けたほうが無難です。セリフがぎっしり詰まったページを読むのに疲れやすい人も、手が止まるかもしれません。

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19

逃げるは恥だが役に立つ

完結

契約結婚から始まった二人が、夫婦のかたちを一から話し合って決めていく物語

この特集で選んだ理由

契約結婚から夫婦とお金の話まで踏みこむ恋愛ものとして、このリストでもひときわ現実的な一作。

逃げるは恥だが役に立つ
作者
海野つなみ
掲載誌
Kiss
ジャンル
ヒューマンドラマ/社会派/ラブコメ/女性漫画
完結
完結
評価
8.4/10

良い点

派遣切りにあったみくりが、家事代行先の平匡に「就職としての結婚」を持ちかけます。夫婦の「なんとなく」を流さず、もやもやを話し合いで一つずつ片づけていく関係がまぶしい。毎週のハグをめぐる、照れと打算のまざった距離感にも笑わされます。

気になる点

みくりも平匡も理屈で気持ちを説明しすぎるので、恋の熱が伝わりにくいところがあります。後半は主役ふたりより周りの人たちの話が増え、長いすれ違いにもやもやが溜まります。

こんな人におすすめ

結婚や家事のあたりまえに引っかかっていて、話し合いで夫婦の形を決める物語を読みたい人におすすめです。損得から始まった関係が少しずつほどけていく流れを、ゆっくり味わいたい人にも合います。

こんな人には不向き

気持ちの勢いで進む恋を読みたい人には、理屈っぽいやりとりが遠回りに感じられます。主役ふたりだけを追いたい人は、周りの人の恋や事情に話が広がるのを面倒に思うかもしれません。

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20

ごくせん

完結

任侠一家の跡取り娘が男子校の教師となり、持ち前の侠気で問題児たちを更生させていく学園極道コメディ!

この特集で選んだ理由

ドラマと読みくらべて違いを楽しめる学園コメディとして、最後に置きました。

ごくせん
作者
森本梢子
掲載誌
YOU
ジャンル
人情/コメディ/女性漫画/学園
完結
完結
評価
8.4/10

良い点

新米教師の久美子は、じつは任侠一家・黒田組の跡取り娘です。教師と極道のお嬢の顔を切り替える痛快さがあり、問題児を一喝する場面ではすかっとします。こわもての組員たちが学校行事に一喜一憂するやりとりも笑えます。

気になる点

絵柄のくせが強く、最初は絵だけで合わないと感じるかもしれません。話は一話完結で似たパターンが多く、ドラマのさわやかな印象で読むと、原作の泥くさい極道ぶりに戸惑うこともあります。

こんな人におすすめ

先生と裏の顔を切り替える痛快さを楽しみたい人に向いています。テンポのいい笑いとにぎやかなかけ合いが好きな人、生徒の悩みに踏みこむ話も読みたい人にもどうぞ。

こんな人には不向き

毎回似た展開が続くと、驚きの少なさに飽きてしまう人には不向きです。映像版の印象が強い人は、キャラクターの違いに戸惑うかもしれません。

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21

DEATH NOTE

完結

天才・夜神月と世界一の探偵・Lが繰り広げる、頭脳と心理戦の極限バトルを描いたサスペンスの金字塔!

この特集で選んだ理由

読み合いの鋭さでいえば、52作のなかでも頭ひとつ抜けている頭脳戦の原点です。

DEATH NOTE
作者
小畑健/大場つぐみ
掲載誌
週刊少年ジャンプ
ジャンル
ミステリー/サスペンス/心理戦/ダークファンタジー
完結
完結
評価
9.3/10

良い点

死神のノートを拾った高校生の月と、世界一の名探偵L。正体を隠したまま一手先を読み合う頭脳戦は、次にどう転ぶかがまるで読めません。終盤、それまでの出来事がすべてつながって結末へなだれこむ流れにもうならされます。

気になる点

Lとの対決が一区切りつき、ニアとメロが出てくる第二部からは勝負のぎりぎり感が薄れていくのが惜しいところです。巻が進むほど絵より文字が多くなり、救いのないラストには悲しさが残ります。

こんな人におすすめ

名前を書くだけで人が死ぬノートをめぐる、天才どうしの読み合いにひりつきたい人におすすめです。巻数のわりに中身がぎっしり詰まった物語を、読みごたえとして楽しめる人にも合います。

こんな人には不向き

一ページあたりのセリフや説明が多いので、文字を追うのに疲れやすい人には重たく感じられます。終盤の決着に、すっきりした納得感を求める人も好みが分かれそうです。

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22

ROOKIES

完結

荒れ果てた野球部に赴任した熱血教師と、不良たちが甲子園を追いかける青春野球ドラマ!

この特集で選んだ理由

野球を題材にしたのはこの作品だけで、部活ものの熱さを一手に担います。

ROOKIES
作者
森田まさのり
掲載誌
週刊少年ジャンプ
ジャンル
少年漫画/高校野球/ヤンキー・不良/スポーツ/学園
完結
完結
評価
8.7/10

良い点

乱闘事件で活動停止になった野球部に、ルールも知らない新任教師の川藤がやって来ます。殴られても生徒を信じ抜く、力で押さえつけない大人の向き合い方に、突っぱねていた不良たちが一人ずつ部室へ戻ってくる流れが熱い。練習も研究も怠れば勝てないと、根性論で片づけずに描くところにも好感が持てます。

気になる点

処分に乱闘、主力のけがと、危機の重ね方がいささか強引に見える場面があります。試合の描写が細かいぶんテンポが落ちる回もあり、最後の試合は駆け足なので、もっと先まで読みたい気持ちが残ります。

こんな人におすすめ

荒れた野球部が一から立て直されていく、王道の熱血スポーツものに素直に燃えられる人にぴったりです。野球のルールにくわしくなくても、不器用な連中が本気になる姿に弱い人ならはまれます。

こんな人には不向き

殴り合いの場面が続くと気持ちがしんどくなる人には、序盤がつらいかもしれません。試合の細かい描写より、テンポよく進む話が好みの人も途中でだれそうです。

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23

今日から俺は!!

完結

転校を機にツッパリデビューした二人が、笑いと喧嘩と友情で高校生活を駆け抜ける青春ギャグ!

この特集で選んだ理由

重い作品も多いリストのなかで、ヤンキーものを笑いで読ませる息抜き役として入れました。

今日から俺は!!
作者
西森博之
掲載誌
週刊少年サンデー
ジャンル
少年漫画/青春・学園/ヤンキー・不良/ギャグ・コメディ
完結
完結
評価
8.8/10

良い点

転校を機にツッパリデビューした三橋と伊藤が、正反対の性格のまま最強コンビになっていきます。勝つためなら卑怯な手も平気で使う三橋は、ずるいのになぜか憎めない主人公で、読んでいるあいだ笑いが止まりません。ライバル校の番長のような脇役までキャラが立ち、終盤は二人の信頼の厚さに泣かされます。

気になる点

序盤の三橋は卑怯で幼稚なうえに身勝手で、好きになるまでの助走が長い作品です。死語だらけのやりとりや初期のカクカクした線には古さがあり、似た筋の回が続く時期にはだれてしまいます。

こんな人におすすめ

不良ものは避けてきたけれど、けんかよりギャグが主役の学園漫画なら読んでみたい人にうってつけです。さんざん笑ったあとに、相棒どうしの信頼でぐっとくる展開まで味わいたい人にも向いています。

こんな人には不向き

昭和の言葉づかいやノリに置いていかれやすい人は、会話に乗りきれないかもしれません。線の粗い昔ながらの絵柄が最後まで気になる人にも不向きです。

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24

金田一少年の事件簿

完結

IQ180の落ちこぼれ高校生が、見立て殺人の謎とその裏に沈む哀しみまで解き明かす本格ミステリー。

この特集で選んだ理由

本格ミステリーの枠からは、事件ごとに一冊で読み切れる手軽さも買って選びました。

金田一少年の事件簿
作者
金成陽三郎/天樹征丸/さとうふみや
掲載誌
週刊少年マガジン
ジャンル
ミステリー/少年漫画/推理/サスペンス
完結
完結
評価
8.7/10

良い点

ふだんはだらしない高校生の一が、孤島のホテルや雪の山荘で起きる見立て殺人の真相を暴いていきます。流し読みしていた場面が終盤で決め手の証拠に化けるなど、伏線がつながったときの気持ちよさは格別です。トリックの向こうにある犯人の哀しみまで描かれ、少年誌なのに全員は助からない厳しさも効いています。

気になる点

シリーズが続くうちに絵柄が変わり、登場人物がどれも幼く似た顔に見えてくるのが気になります。宿敵があっさり見破られて小物に見える回や、犯人の処遇が情に流れる決着には、もやもやが残ります。

こんな人におすすめ

犯人当てだけでなく、追い詰められた人間の動機までていねいに描くミステリーを読みたい人に向いています。一冊ごとに事件が片づく作りで、ホラー寄りの怖さも味わいたい人ならなおさらです。

こんな人には不向き

大がかりすぎる仕掛けに現実味がないと冷めてしまう人には向きません。遺体や事件現場のなまなましい絵が苦手な人も注意してください。

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25

地獄先生ぬ~べ~

完結

霊能力教師・ぬ~べ~が「鬼の手」を駆使して生徒たちを妖怪から守るホラーコメディ。

この特集で選んだ理由

教師ものとホラーを掛け合わせた作品は珍しく、学園ものの変わり種として選びました。

地獄先生ぬ~べ~
作者
真倉翔/岡野剛
掲載誌
週刊少年ジャンプ
ジャンル
少年漫画/コメディ/ホラー/アクション/学園
完結
完結
評価
9/10

良い点

ドジで貧乏な担任のぬ~べ~は、左手に悪霊を封じた「鬼の手」を持つ霊能力教師です。妖怪や都市伝説の話は子どもが震えるほど怖いのに、ギャグや人情話がはさまり、怖さと笑いと涙が一話に収まるつくりになっています。因果応報を描く回が多く、大人になって読み返すと別の深みがあります。

気になる点

パンチラなどのお色気場面がひんぱんに入るので、ホラーだけを楽しみたい人にはじゃまに感じられます。巻が進むほどバトルやラブコメの比重が増え、初期の純粋に怖い話を期待すると物足りません。

こんな人におすすめ

ふだんは頼りないのに、いざという時は命がけで生徒を守る先生の姿にぐっとくる人におすすめです。本気で怖い妖怪話と笑える人情話を、一話ずつ気軽に読みたい人にもどうぞ。

こんな人には不向き

リアルでグロテスクなホラー描写が苦手な人には、夢に出てきそうな回があります。昔の感覚のお色気ギャグに引っかかりやすい人も、読むたびに気がそがれるかもしれません。

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26

夜王

歌舞伎町。誠実さを武器に夜の頂点「夜王」を目指す、男の熱きサクセスストーリー。

この特集で選んだ理由

ホストクラブという、ほかの作品では見ない職場を舞台にしたサクセスものです。

夜王
作者
井上紀良/倉科遼
掲載誌
週刊ヤングジャンプ
ジャンル
青年漫画/ヒューマンドラマ/サクセスストーリー
完結
連載中
評価
8.7/10

良い点

北海道から上京した遼介が、歌舞伎町でホストとして生きはじめます。技術や打算に頼らず、まっすぐな誠実さで客の凍った心を溶かしていく姿に、何度も胸が熱くなります。ライバルの聖也とのナンバーワン争いや、夜の街の裏にある孤独を描く人間ドラマも読みごたえ十分です。

気になる点

長い連載のなかで似たパターンのトラブル解決が繰り返され、中盤以降はマンネリを感じます。感情表現が大げさで熱血すぎる演出や、女性キャラの描かれ方には、今の感覚だと引っかかる場面もあります。

こんな人におすすめ

打算ではなく誠実さを武器に、夜の街の頂点を目指す男のサクセスストーリーに燃えたい人に向いています。欲望の渦巻く世界で主人公が泥くさく這い上がる、骨太の人間ドラマが好きな人にも合います。

こんな人には不向き

2000年代の劇画調の演出や価値観を、古くさく感じやすい人には不向きです。精神論で乗りこえる展開にご都合主義を感じてしまう人も、注意が必要です。

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27

パリピ孔明

天才軍師・諸葛孔明が渋谷に転生!?三国志の兵法で音楽業界を生き抜くサクセス劇!

この特集で選んだ理由

『のだめカンタービレ』のクラシックと並ぶ、ポップス側の音楽ものとして加えました。

パリピ孔明
作者
小川亮/四葉夕卜
掲載誌
週刊ヤングマガジン/コミックDAYS
ジャンル
音楽/日常/コメディ/転生
完結
連載中
評価
9/10

良い点

五丈原で没した諸葛亮孔明が、若返ってハロウィンの渋谷に現れます。売れない歌手の英子の軍師となり、古代中国の兵法で音楽業界を攻略していく知略戦が痛快。三国志の衣装のまま真顔でバーテンダーを務める絵面にも笑わされます。

気になる点

どんな嫌がらせも孔明の策でトントン拍子に解決してしまうので、苦戦を見たい人にはご都合主義に映ります。後半はテレビ局の視聴率争いや海外進出へ話が広がり、業界人の説明台詞が長くなるのも気になるところです。

こんな人におすすめ

三国志の兵法を、ライブの集客やSNSのバズに置きかえる発想にニヤリとできる人にぴったりです。シュールな笑いの一方で、歌声と努力が積み重なる音楽サクセスの熱さにも泣かされたい人に向いています。

こんな人には不向き

クラブやフェスといったパリピ文化のノリに抵抗がある人には、入りにくい作品です。策略でほとんどの問題が片づくので、挫折のリアルさを求める人も物足りないでしょう。

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28

ナンバMG5

ヤンキー一家に生まれながら「普通の高校生」を夢見る少年が、家族に内緒で二重生活を送る痛快学園青春コメディ!

この特集で選んだ理由

ヤンキー一家の息子が普通を目指すという逆向きの設定で、不良ものに変化をつけます。

ナンバMG5
作者
小沢としお
掲載誌
週刊少年チャンピオン
ジャンル
ヤンキー/少年漫画/学園コメディ
完結
連載中
評価
8.6/10

良い点

家族全員がヤンキーの難破家に育った剛は、家族に内緒で真面目な高校へ入学します。家では特攻服、学校では学生服という正体を隠した二重生活の綱渡りが、コミカルなのに共感を誘います。重苦しい暴力描写は少なめで、ギャグと熱いバトルの緩急も心地よい作品です。

気になる点

問題が起き、剛が着替えて解決し、正体はバレない。この決まった流れの繰り返しに、だんだんマンネリを感じます。特攻服姿の剛が強すぎてバトルの緊張感は低めで、初期の下品なノリも人を選びます。

こんな人におすすめ

ヤンキーの自分と普通の高校生の自分、二つの顔を使い分けるドタバタを笑って楽しみたい人におすすめです。怖そうなのに家族思いな一家の絆に、じんとくる場面を求める人にも向いています。

こんな人には不向き

正体を隠すための嘘に無理を感じると、冷めてしまう人には不向きです。下品なノリや、同じ流れのくり返しが苦手な人も注意してください。

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29

コウノドリ

完結

命が生まれる現場に立つ産科医たちの、逃げ場のない現実と願いを描く医療ドラマ。

この特集で選んだ理由

医療ものが多いなかで、妊娠と出産の現場に絞った作品はこれだけです。

コウノドリ
作者
鈴ノ木ユウ
掲載誌
モーニング
ジャンル
青年漫画/医療/ヒューマンドラマ
完結
完結
評価
9/10

良い点

産科医の鴻鳥サクラが、未受診の妊婦や十代の妊娠、切迫早産といった現実に、同僚や助産師と向き合っていきます。生まれてくる瞬間の危うさをここまで描いた医療漫画はなかなかなく、読むたびに目頭が熱くなります。産んだあとの母親の心のケアや、家族のその後まで追う視点も深い作品です。

気になる点

重い話が続くので、心に余裕がないときは読み進めるのがしんどい作品です。ピアニストとの二足のわらじの設定は物語にあまり効いておらず、作者の伝えたいことが前に出て説教くさく感じる回もあります。

こんな人におすすめ

出産や新しい命がどれほど危ういものか、きれいごと抜きに現場の目線で知っておきたい人に向いています。医療者の迷いや弱さまで踏みこんだ人間ドラマを、じっくり読みたい人にもおすすめです。

こんな人には不向き

流産や死産といった重い題材が続くと、読んだあとまで気持ちを引きずる人には向きません。軽く笑える娯楽を漫画に求める人にも合わないでしょう。

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30

LIAR GAME

完結

100億をかけた「嘘つきゲーム」に巻き込まれた純真な女子大生と天才詐欺師の死闘。頭脳戦の論理が積み重なり、逆転の瞬間に味わう知的カタルシスが圧巻のサスペンス傑作。

この特集で選んだ理由

騙し合いのゲームを読者も一緒に解ける作品として、頭脳戦の枠に並べました。

LIAR GAME
作者
甲斐谷忍
掲載誌
週刊ヤングジャンプ
ジャンル
ドラマ/サスペンス/心理戦
完結
完結
評価
9.2/10

良い点

人を疑うことを知らない女子大生の直が、100億円をめぐる「ライアーゲーム」に巻きこまれ、天才詐欺師の秋山と手を組みます。ルールの説明から思わぬ抜け穴を突く逆転までの流れには、緊張と快感が詰まっています。頼りなく見えた直に、彼女にしかできない役割があるとわかってくる展開も楽しめます。

気になる点

ゲームの仕組みが複雑で、疲れているときに読むと頭が追いつかないほどです。キャラクターの顔が独特で好みが分かれ、後半はスケールが大きくなるぶん、初期の濃い緊張感が薄れます。

こんな人におすすめ

複雑なゲームのルールを読み解いた先で、「そういうことか」とひっくり返る逆転の快感を味わいたい人にうってつけです。知恵で勝負する男と、人を信じる力をもつ女子大生の凸凹コンビを追いたい人にも合います。

こんな人には不向き

ルールの説明が複雑なので、頭が追いつかないまま置いていかれるのがつらい人には不向きです。都合のよい解決策に冷めやすい人も引っかかるかもしれません。

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31

ハチミツとクローバー

完結

全員が片思いのまま進む、切なくて優しい美大生たちの青春群像劇!

この特集で選んだ理由

美大を舞台に、恋と進路の痛みを一緒に描く群像劇として恋愛ものに加えています。

ハチミツとクローバー
作者
羽海野チカ
掲載誌
CUTiE Comic/コーラス/ヤングユー
ジャンル
恋愛/青春/美術大学
完結
完結
評価
9.2/10

良い点

風呂なしのボロアパートで暮らす美大生たちが、才能ある小柄な少女との出会いをきっかけに、それぞれの片思いを抱えていきます。やわらかなパステル調の絵なのに、将来への漠然とした不安がやけにリアルに迫ってきます。届かない想いを宝物のように抱え続ける姿には、思わず涙がこぼれます。

気になる点

シュールなギャグと文学的なシリアスの落差が大きく、重い場面で話の腰を折られることがあります。後半の共依存めいた関係は息苦しく、ヒロインの最後の選択にはどうしても納得しにくいところが残ります。

こんな人におすすめ

実らないとわかっていても誰かを想い続ける、切なくて不器用な片思いに胸をしめつけられたい人に向いています。恋だけでなく、才能や将来への不安まで描いた群像劇を味わいたい人にもどうぞ。

こんな人には不向き

内省的で長いモノローグより、テンポよく明るく進む話が好きな人には向きません。きれいに救われる結末を求める人は、もやもやの残る幕引きが苦手かもしれません。

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32

ブラックジャックによろしく

完結

月給三万八千円の研修医が、医療現場の理不尽に生身でぶつかる社会派ドラマ

この特集で選んだ理由

研修医の目から医療の制度そのものを問う点で、ほかの医療ものと役割が分かれます。

ブラックジャックによろしく
作者
佐藤秀峰
掲載誌
モーニング
ジャンル
青年漫画/医療/社会派ドラマ
完結
完結
評価
9.1/10

良い点

月給3万8千円の研修医・斉藤が、当直バイトをかけもちしながら医局のしきたりや上下関係にぶつかっていきます。延命をどこまで続けるか、がんを本人に伝えるか。きれいごとで片づかない医療の現実を前に、組織のきまりを破ってでも患者の側に立とうとします。読み返すたびに、違うところが胸に引っかかる作品です。

気になる点

読み進めるほど話がどんどん暗くなり、楽しさよりしんどさが勝ってきます。正義感をふりかざし、感情論で突っこむ主人公は、人によっては暑苦しく鬱陶しく映るでしょう。

こんな人におすすめ

延命や告知のように、医療の現場で答えの出ない問いを物語のかたちで見つめたい人に向いています。経験も自信もない新人がもがく姿に、自分を重ねて読みたい人ならはまるはずです。

こんな人には不向き

話がどんどん暗くなる展開が苦手な人は、読み切るのがつらいかもしれません。理屈より熱意で押し切る主人公にいらだちやすい人にも不向きです。

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33

医龍-Team Medical Dragon-

完結

追放された天才外科医が、腐りきった大学病院に切り込む医療ドラマの金字塔!

この特集で選んだ理由

大学病院の権力争いに切りこむ作品として、医療ものに組織ドラマの色を足しました。

医龍-Team Medical Dragon-
作者
永井明/吉沼美恵/乃木坂太郎
掲載誌
ビッグコミックスペリオール
ジャンル
青年漫画/医療/ヒューマンドラマ
完結
完結
評価
8.8/10

良い点

医局を追われた天才外科医の朝田が、大学病院を変えようとする助教授に担ぎ出され、超難関の手術に挑みます。命を救う手術の緊張と並んで、教授選をめぐる派閥争いの心理戦が描かれ、中だるみせずに読み進められます。自分のことしか考えていなかった研修医が変わっていく過程にも、つい肩入れしてしまいます。

気になる点

後半は教授選の駆け引きが長引き、主人公の出番が減る期間が続くので間延びして映ります。朝田は心の声をほとんど語らず、右手の不調をにおわせたまま去っていく締め方にも、もやもやが残ります。

こんな人におすすめ

手術の緊張感だけでなく、派閥や出世争いまで踏みこんだ骨のある医療ドラマを、腰をすえて読みたい人におすすめです。医療の知識がなくても、わかりやすい解説つきで手術室の緊張を味わいたい人に合います。

こんな人には不向き

組織の駆け引きより手術の場面だけを読みたい人は、寄り道を面倒に感じるかもしれません。内面をほとんど語らない主人公に、気持ちが乗りにくい人にも不向きです。

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34

GTO

完結

不純な動機で教壇に立った元暴走族が、最凶クラスを力技でぶち壊していく学園もの

この特集で選んだ理由

教師ものでは下品さと痛快さに振り切った作品で、『ごくせん』とは違う破天荒さがあります。

GTO
作者
藤沢とおる
掲載誌
週刊少年マガジン
ジャンル
ギャグ/アクション/学園
完結
完結
評価
8.5/10

良い点

元暴走族の鬼塚が不純な動機で教師になり、担任を何人も辞めさせてきたクラスを受け持ちます。立派な理屈を一つも語らずに生徒を救っていく乱暴なやり方が、なぜか格好よく見えてきます。重い話の直後にばかげたオチを持ってくる荒技まで、笑って許せてしまいます。

気になる点

最初の生徒たちの悩みが片づくと新しい問題児が次々に投入され、最初の勢いが薄れていくのがはっきりわかります。下ネタや不謹慎なギャグは今の感覚だと素直に笑えず、飛び降り騒ぎの繰り返しなど展開の強引さも目につきます。

こんな人におすすめ

難しい教育論やきれいごとより、常識をまとめてぶち壊す痛快さでスカッとしたい人にぴったりです。多少の粗さや古さは笑って流し、当時の空気ごと味わえる人なら楽しめます。

こんな人には不向き

下ネタや乱暴な表現が続くと疲れてしまう人には向きません。話のつじつまや人物の一貫性を大事にする人は、長く続いたぶんの失速が気になるでしょう。

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35

花ざかりの君たちへ

憧れのハイジャンパーに会うため、男装して全寮制男子校に潜り込んだ少女の波乱万丈な学園生活を描く逆ハーレム・ラブコメ!

この特集で選んだ理由

男装を題材にした学園ラブコメで、『花より男子』とは別の角度から恋愛ものを補います。

花ざかりの君たちへ
作者
中条比紗也
掲載誌
花とゆめ
ジャンル
少女漫画/ラブコメ/学園
完結
連載中
評価
8.6/10

良い点

憧れの走り高跳び選手・佐野に会うため、瑞稀は男装して全寮制の男子校に編入し、しかも彼と同室になります。ひたむきな瑞稀と、無口ながら彼女を気にかける佐野とのもどかしく縮まっていく距離に、何度もきゅんとさせられます。学園祭や体育祭の熱気も、男子校の青春をのぞく気分にしてくれます。

気になる点

体つきで気づかれないのは不自然で、女子だとバレない設定には無理があると感じる場面があります。瑞稀の無鉄砲な行動にいらだつこともあり、中盤は日常の話が少し長く感じられます。

こんな人におすすめ

正体がばれそうでばれない男装生活のハラハラを、ラブコメとして味わいたい人に向いています。学校行事のにぎわいや、少しずつ近づく二人のじれったさを楽しみたい人にもおすすめです。

こんな人には不向き

性別を偽る設定に無理を感じてしまう人には不向きです。登場人物が多いと名前と顔が一致しなくなる人も、読むのに手間取るかもしれません。

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36

極主夫道

かつて恐れられた伝説の最凶ヤクザ・龍が、エプロンを纏い専業主夫として家事を極める爆笑極道コメディ!

この特集で選んだ理由

極道ものの顔をした家事コメディとして、52作でいちばん気軽に読める枠です。

極主夫道
作者
おおのこうすけ
掲載誌
くらげバンチ
ジャンル
日常/コメディ/アクション
完結
連載中
評価
9.1/10

良い点

「不死身の龍」と恐れられた元ヤクザが、専業主夫として料理や掃除に命を懸けます。特売セールを「カチコミ」と呼ぶような物騒な極道言葉と家事の組み合わせがコントのように決まり、劇画タッチの絵がスーパーの特売まで抗争のように見せてくれます。収納術やお弁当のように、実際に役立つ家事のコツも拾えます。

気になる点

隠語で周りが勘違いするお決まりのパターンがずっと続くので、長く読むとマンネリを感じます。一話完結に徹していてストーリーの大きな進展はなく、オチのコマでぶつっと終わる回にも物足りなさが残ります。

こんな人におすすめ

元最凶ヤクザが真顔で完璧な家事をこなすギャップで笑いつつ、ほのぼのした町内の人たちに癒やされたい人におすすめです。一話完結のコメディを、すき間時間にさくさく読みたい人にも向いています。

こんな人には不向き

極道の隠語を家事に当てはめるお決まりのギャグが続くと、飽きてしまう人には不向きです。長編らしいストーリーの起伏を求める人も物足りないでしょう。

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37

賭ケグルイ

ギャンブルで人生が決まる名門学園。転校生・蛇喰夢子が、狂った心理戦で強敵たちを次々と飲み込んでいく、至高のサスペンス・ギャンブル!

この特集で選んだ理由

ギャンブルに特化した頭脳戦として、デスゲームものとは違う緊張を受け持ちます。

賭ケグルイ
作者
尚村透/河本ほむら
掲載誌
月刊ガンガンJOKER
ジャンル
ドラマ/ギャンブル/サスペンス
完結
連載中
評価
9/10

良い点

転校生の蛇喰夢子が、ギャンブルの強さですべての階級が決まる名門校で、巨額の金を賭けた勝負に挑みます。理不尽なルールを逆手にとる知略と、狂気と美しさが同居する表情の迫力に引きこまれます。追い詰められた人間の醜さまで描かれ、勝負が決まるたびに「そう来るか」と驚かされます。

気になる点

夢子の強さが人の知恵を超えすぎているように見え、彼女が追い詰められる場面をもっと見たくなります。イカサマのトリックが複雑で情報の密度も高く、読み終えるとどっと疲れが出ます。

こんな人におすすめ

ギャンブルの強さで階級が決まる学園で、支配をひっくり返していく心理バトルの緊張感に浸りたい人に向いています。勝負ごとに変わるゲームのルールやトリックを、謎解き感覚で楽しみたい人にも合います。

こんな人には不向き

人間の欲望や狂気がむき出しになる過激な演出に、強い抵抗を感じる人には向きません。極端に誇張された表情の演出が苦手な人も注意してください。

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38

神の雫

完結

幻のワインを巡り、息子と養子が父の遺言に挑むワインミステリー!

この特集で選んだ理由

ワインに絞ったグルメものとして、知識と謎解きを同時に楽しめる点を買いました。

神の雫
作者
亜樹直/オキモト・シュウ
掲載誌
モーニング
ジャンル
青年漫画/ミステリー/グルメ
完結
完結
評価
8.5/10

良い点

世界的なワイン評論家の父の遺言で、雫は12本の偉大なワイン「十二使徒」を言い当てる勝負に挑みます。産地や造り手の背景をドラマのように語るテイスティングでは、ワインを芸術にたとえる表現に、飲んだことのない一杯まで味わった気分になれます。天才評論家の遠峰一青とプライドをかけてぶつかる対決も、サスペンスのようにぞくぞくします。

気になる点

一口飲むたびに大自然や絵画が現れる演出は、繰り返されるうちにワンパターンなポエムに見えてくるのが難点です。使徒を一本探すのに寄り道が多く、性格のねじ曲がった対戦相手にも不快感が先に立ちます。

こんな人におすすめ

ワインにくわしくなくても、食や文化に興味があって読みながら学びたい人にうってつけです。ライバルとの対決を軸にした、骨太の人間ドラマが好きな人にも向いています。

こんな人には不向き

説明が長めの漫画より、テンポよく読み進めたい人には不向きです。比喩や詩的な表現より、直接的な描写で楽しみたい人も合わないかもしれません。

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39

鈴木先生

完結

目立たない生徒たちのすり減る心に向き合う、中学教師の濃密すぎる会話劇

この特集で選んだ理由

熱血でも破天荒でもなく、議論で生徒と向き合う教師像として、教師ものに奥行きを出します。

鈴木先生
作者
武富健治
掲載誌
漫画アクション
ジャンル
青年漫画/ヒューマンドラマ/社会派/学園
完結
完結
評価
8.7/10

良い点

国語教師の鈴木先生が目を向けるのは、手のかからない普通の生徒がすり減らしていく心です。自身のできちゃった結婚をきっかけに教室で始まる、生徒と大人が対等に言葉をぶつけ合う討論が、ちゃんと議論として成り立っているのに驚かされます。ささいなもめ事にも全力でぶつかる、これまで見たことのない教師像です。

気になる点

セリフでコマが埋めつくされ、論文を読まされているような疲労感があります。教育指導として中学生の性を扱う場面には受けつけにくさがあり、同僚が崩れていく展開など後味の重い場面も続きます。

こんな人におすすめ

マルかバツかで割り切れない問いに、じっくり付き合ってみたい人におすすめです。文芸誌のように文字の詰まった会話劇を、苦にせず読める人なら楽しめます。

こんな人には不向き

理屈っぽい長ゼリフの応酬を追うのがしんどい人には向きません。中学生の性をめぐる場面や、大人が崩れていく重い展開が苦手な人も注意が必要です。

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40

サイコメトラーEIJI

完結

触れた物の記憶を読む不良高校生と女刑事が、猟奇事件の裏に潜む闇を暴くサスペンス。

この特集で選んだ理由

超能力で事件を追う作品として、謎解きものに少しSFの味を混ぜる役です。

サイコメトラーEIJI
作者
朝基まさし/安童夕馬
掲載誌
週刊少年マガジン
ジャンル
ミステリー/ヤンキー/少年漫画/アクション/サスペンス
完結
完結
評価
8.3/10

良い点

触れた物に残る記憶を読める高校生の映児が、女刑事と組んで犯罪者の正体を暴いていきます。断片しか見えない能力のほどよい不自由さがあるので、超能力ものなのに推理の余地がしっかり残ります。後味の悪い事件のあとに仲間のばか話がはさまる強弱のつけ方も上手く、重い話が続いても走り切れます。

気になる点

死体やグロテスクな場面を必要以上に見せてくる絵には、気持ちが引く人もいるでしょう。後半は霊や憑依が絡むオカルト方面へ舵を切り、それまでの捜査劇との落差に首をかしげます。

こんな人におすすめ

事件の謎解きだけでなく、犯人の心のゆがみがどこから生まれたのかまで読みたい人に向いています。喧嘩っ早い主人公と仲間たちの義理と熱さに、乗せられたい人にもおすすめです。

こんな人には不向き

死体やけがの場面がはっきり描かれるので、血なまぐさい絵が続くとつらい人には不向きです。筋の通った本格推理を求める人も、手がかりの出し方に物足りなさを感じるでしょう。

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41

ゴールデンカムイ

完結

明治後期の北海道を舞台に、莫大な金塊を巡る生存競争を描くサバイバル活劇!

この特集で選んだ理由

明治の北海道を舞台にした冒険活劇で、歴史ものの枠を『大奥』と分け合います。

ゴールデンカムイ
作者
野田サトル
掲載誌
週刊ヤングジャンプ
ジャンル
青年漫画/サバイバル/歴史/グルメ/アクション
完結
完結
評価
8.9/10

良い点

日露戦争帰りの「不死身の杉元」が、アイヌの少女アシㇼパと組んで、隠された金塊と刺青の脱獄囚を追います。アイヌの言葉や食文化、狩猟の知恵が物語にていねいに織りこまれ、読みながら明治の北海道の暮らしを体感できます。変態や猟奇犯まみれの濃い顔ぶれなのに、それぞれに人間味があるのも面白いところです。

気になる点

生首や人皮のように、狂気を煮詰めたような衝撃シーンが点在し、耐性のない人には後を引きます。下品なノリも多く、樺太編あたりからは話が重くなって説明の文字量も増えます。

こんな人におすすめ

物語を楽しみながら、アイヌの食文化や狩猟の知恵、自然との向き合い方まで学びたい人にうってつけです。ミステリーにアクション、グルメ、歴史までを一作に詰めこんだ濃い物語が好きな人にも向いています。

こんな人には不向き

冒頭から血なまぐさい暴力描写が続くので、穏やかに読める作品を探している人には向きません。シリアスな歴史劇だけを求める人は、たびたび入る下ネタやギャグを雑音に感じるかもしれません。

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42

海猿

海で命を守る保安官たちが、死と隣り合わせの現場で闘い抜くレスキュードラマ!

この特集で選んだ理由

海難救助を描く作品として、医療ものとは別の「命を救う仕事」を見せてくれます。

海猿
作者
小森陽一/佐藤秀峰
掲載誌
週刊ヤングサンデー
ジャンル
青年漫画/レスキュー漫画
完結
連載中
評価
8.7/10

良い点

新人の海上保安官・仙崎大輔が、潜水士を目指す過酷な訓練や、救える命と救えない命という現実にぶつかっていきます。手足を震わせ涙を流しながらも前を向く姿に荒れた海の迫力が重なり、海で人の命を救う仕事の過酷さが伝わってきます。重い話なのに、希望が持てる作りになっているのもありがたいところです。

気になる点

親しくなった人物が次々と亡くなり、現実味をもって人が死ぬ重さに気持ちが沈みます。命令を無視して現場を混乱させながら奇跡的に解決する強引な展開も続き、登場人物の暑苦しさに疲れることもあります。

こんな人におすすめ

命を救う仕事の過酷さと尊さを、きれいごと抜きに描いた物語に胸を打たれたい人に向いています。重たくても希望の残る、悩みながら一人前になっていく成長劇を味わいたい人にもどうぞ。

こんな人には不向き

親しい人物が次々と亡くなる展開が苦手で、スカッと読める娯楽を求める人には不向きです。映画版の印象のまま読むと、泥くさい作風の違いに戸惑うかもしれません。

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43

ヤンキー君とメガネちゃん

完結

学校一の不良と、正体は伝説の元ヤンキーだった委員長。凸凹すぎる二人の学園ギャグ

この特集で選んだ理由

不良と優等生の立場を入れかえた笑いで、学園ラブコメの枠に軽さを足しています。

ヤンキー君とメガネちゃん
作者
吉河美希
掲載誌
週刊少年マガジン
ジャンル
ヤンキー/青春/コメディ/ラブコメ/学園
完結
完結
評価
7.8/10

良い点

学校一の不良・品川に、三つ編みにメガネの学級委員長・花がぐいぐい話しかけてきます。じつは花は伝説の元ヤンキーで勉強はまるでできず、ヤンキーのほうが常識人でツッコミに回るひっくり返った関係がずっとおかしい。メガネを外した花と品川がぎこちなく言い合う場面では、二人の距離がふっと近づきます。

気になる点

ヒロインの見た目が変わるあたりから話が迷走し、伏線を回収しないまま終わってしまうのが惜しいところです。花の家や失踪の理由も明かされず、卒業後の話にはどうしても受け入れにくさが残ります。

こんな人におすすめ

優等生に見える委員長の中身が正反対だったというギャップで、笑わせてくれる話を読みたい人におすすめです。騒がしい笑いの合間にはさまる、ぎこちない距離の縮まり方にきゅんとしたい人にも向いています。

こんな人には不向き

物語の謎が最後まで説明されないまま幕が下りる終わり方に、納得できない人には向きません。序盤の軽快さが最終回まで続くと期待すると、中盤以降の失速が気になるでしょう。

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44

彼岸島

完結

兄を追って渡った孤島は、吸血鬼が人を家畜として飼う地獄だった。丸太を手に生き残りをかけた戦いが始まる。

この特集で選んだ理由

吸血鬼と戦うサバイバルホラーは52作でこれだけで、怖さと笑いの両方を担う異色枠です。

彼岸島
作者
松本光司
掲載誌
週刊ヤングマガジン
ジャンル
バトル・アクション/サバイバル/ホラー/サスペンス
完結
完結
評価
7.2/10

良い点

行方不明の兄を追って孤島へ渡った明が、吸血鬼の支配する島で日本刀と丸太を手に戦います。逃げ場のない島でむき出しになる人間の弱さが怖く、今すぐ決めろと迫られる場面の連続に心臓がばくばくします。その一方で、狂ったせりふ回しや丸太を持たされたときの妙な安心感には、しまいに大笑いしてしまいます。

気になる点

序盤は本気で怖いのに、途中からホラーからギャグへ様変わりしていく落差に置いていかれることがあります。どの場面にも入る「ハァハァ」という息づかいで緊張が薄まり、感染の決まりごとのちぐはぐさも目につきます。

こんな人におすすめ

化け物の襲撃そのものより、追い詰められた人間の判断が崩れていく怖さを味わいたい人に向いています。真顔のまま突き抜けていくせりふ回しと勢いまかせの展開を、突っこみながら笑える人ならはまります。

こんな人には不向き

感染の条件や強さの線引きなど、設定のつじつまが気になる人には不向きです。怖い話のつもりで読み始めて、途中から笑いに寄っていく変化を受け止めにくい人も注意してください。

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45

税金で買った本

借りた本を十年返さなかったヤンキーが、図書館で働きはじめる。知らない裏側だらけのお仕事漫画

この特集で選んだ理由

図書館という身近な公共施設を舞台にした、お仕事もののなかでも新鮮な題材です。

税金で買った本
作者
系山冏/ずいの
掲載誌
週刊ヤングマガジン/ヤンマガWeb
ジャンル
ドラマ/ヒューマンドラマ/職業・仕事/コメディ
完結
連載中
評価
8.8/10

良い点

十年前に借りた本を返さず弁償することになったヤンキー高校生の石平が、図書館でアルバイトを始めます。破れた本の直し方や、探している一冊を突き止める調べものなど、利用者からは見えない図書館の裏側がコミカルに描かれています。ひどい利用者や職員の待遇の差まで包み隠さない泥くささも、この作品ならでは。

気になる点

本を破いて栞にするようなマナーの悪い利用者の描写がリアルすぎて、胸が痛くなるときがあります。制度の説明セリフも多く、主人公の初期のとがった感じが薄れてまじめなバイトくんになるにつれ、物足りなさも残ります。

こんな人におすすめ

本を借りるだけでは見えない、図書館の裏側や司書の仕事ぶりをのぞいてみたい人にぴったりです。見た目で損をしている主人公が、知ることの面白さに目覚めていく成長ものが好きな人にも合います。

こんな人には不向き

マナーの悪い利用者のなまなましい描写が続くと、気持ちがざらつく人には向きません。説明セリフが多めなので、テンポのいい展開を求める人にも不向きです。

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46

アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり

完結

褒められない裏方・病院薬剤師の葵みどりが、患者の当たり前の毎日を守る医療ドラマ

この特集で選んだ理由

病院薬剤師という、医療ものでもあまり光の当たらない職種を描く点で選びました。

アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり
作者
荒井ママレ/富野浩充
掲載誌
月刊コミックゼノン
ジャンル
青年漫画/お仕事/医療
完結
完結
評価
8.4/10

良い点

病院薬剤師2年目の葵みどりが、処方の疑問を医師に問い返し、患者の飲み方ひとつまで一緒に考えます。頼られることも親しまれることも少ない、縁の下の力持ちの仕事をここまでていねいに見せる作品はそう多くありません。抗ヒスタミン剤で集中力が落ちる話のように、知らずに損していた薬の知識もいくつも拾えます。

気になる点

みどりを持ち上げるために、意地悪な医師や怠ける医師が繰り返し出てくるわかりやすい対比の作り方が鼻につきます。現役の薬剤師から見ると、主人公が業務の線引きを越えて出張りすぎに映る場面もあります。

こんな人におすすめ

医師や看護師の陰に隠れがちな医療の裏方の仕事を、働く人の目線からのぞいてみたい人に向いています。薬の飲み合わせや副作用など、暮らしに役立つ知識を物語のなかで拾いたい人にもおすすめです。

こんな人には不向き

努力が仕事にも恋にもきれいに実っていく予定調和な運びに、のれない人には向きません。薬への依存や終末期医療など、気持ちが沈む題材が続くのを避けたい人も注意が必要です。

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47

ミワさんなりすます

映画オタクの女性が憧れの俳優の家で「なりすまし家政婦」として働くことになり、バレる恐怖と恍惚の間で揺れるサスペンスコメディ!

この特集で選んだ理由

推し活と嘘を組み合わせた設定で、52作のなかでもとりわけ今どきの切り口です。

ミワさんなりすます
作者
青木U平
掲載誌
ビッグコミックオリジナル
ジャンル
芸能/ヒューマンドラマ/サスペンス
完結
連載中
評価
8.6/10

良い点

映画好きのフリーター・ミワは、憧れの国民的俳優・八海崇の家政婦と間違えられ、そのまま「なりすまし」として働き始めます。いつ正体がばれるかわからないサスペンスとコメディのはざまの緊張に、コメディとわかっていても心拍数が上がります。ミワの底なしの映画知識が八海を驚かせ、二人が通じ合っていく場面は胸がすく思いです。

気になる点

緊張が強すぎて、読んでいて本気で胃が痛くなるほどのストレスを感じることがあります。嘘や偶然が重なりすぎるところや、ミワの自己肯定感の低さがなかなか変わらないところにも、もどかしさが募ります。

こんな人におすすめ

推しのそばにいたい一心でつく嘘の揺れに、共感しながら読みたい人に向いています。正体がばれそうなひりつく空気と、オタクの知識が相手に届く瞬間の爽快さを味わいたい人にもどうぞ。

こんな人には不向き

緊張感が強すぎると、読んでいて疲れてしまう人には向きません。心の中の語りが多いので、テンポよく進む話が好きな人はじれったく感じるでしょう。

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48

め組の大吾

完結

火事のめったに起きない出張所に配属された新人消防士が、破天荒な救助で命をつかみ取る!

この特集で選んだ理由

消防士を主人公にしたレスキューものとして、『海猿』と読みくらべたい作品です。

め組の大吾
作者
曽田正人
掲載誌
週刊少年サンデー
ジャンル
少年漫画/職業・ヒューマンドラマ
完結
完結
評価
8.8/10

良い点

幼いころ消防士に命を救われた大吾は、火事の少ない出張所で腐りかけながらも、無茶と紙一重の判断で現場をさばいていきます。初出動でおびえた新人が、助けた家族に礼を言われてまた立ち上がる。その怖さと向き合いながら前に出る姿に、こちらまで背中を押されます。派手な救助の合間に、登場人物の人間くささがちゃんと残っているのも好きなところです。

気になる点

一人でなんでも片づける大吾が途中から超能力者のように見え、うまくいきすぎて現場の緊張感が薄まるところがあります。後半になるほど絵が雑になり、線のばらつきが目につく場面もあります。

こんな人におすすめ

規律をはみ出してでも目の前の命を取りにいく型破りな主人公に、思いきり肩入れしたい人におすすめです。火災や事故の現場を描いた張りつめた救助劇で、心臓が跳ねる感覚を味わいたい人にも向いています。

こんな人には不向き

実際の消防活動に近いリアルさを求める人には不向きです。主人公が一人で片づけてしまう筋書きに白けやすい人も、途中で冷めるかもしれません。

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49

美食探偵 明智五郎

美食家の探偵が、殺人を操る美女マリアと食をめぐって対決する東村アキコのサスペンス

この特集で選んだ理由

グルメとサスペンスをひと皿に盛った作品で、推理ものにもグルメものにも収まらない一本です。

美食探偵 明智五郎
作者
東村アキコ
掲載誌
Cocohana
ジャンル
ミステリー/グルメ/サスペンス
完結
連載中
評価
8.2/10

良い点

食にうるさい探偵の明智が、食への恨みを抱えた人々を殺人へ導く「マグダラのマリア」を追います。憎み合うほど互いを深く理解してしまう、追う者と追われる者の関係が切なく、途中から胸が苦しくなってきます。弁当屋の苺とのコントのようなやりとりが、どろどろになりかけた話の風通しをよくしてくれます。

気になる点

首相を狙うところまで話が膨らむと、ふつうの市民が殺人集団に収まっていく流れについていけなくなります。トリックらしいトリックのない語りが続き、殺人犯の女と情を通わせる探偵の立ち位置にも納得しにくいところがあります。

こんな人におすすめ

謎解きの切れ味より、探偵と犯罪者が惹かれ合いながら戦う関係の危うさにぞくぞくしたい人にうってつけです。凄惨な事件の合間に、うまそうな料理と軽口まじりのかけ合いがはさまる緩急を楽しみたい人にも合います。

こんな人には不向き

論理で組み上げたトリックを解いていく本格推理を楽しみにしている人には向きません。食欲が失せるほど凄惨な殺しの描写が苦手な人も、寝る前に開くのは避けたほうが無難です。

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50

JIN―仁―

完結

現代の脳外科医が幕末の江戸へ。道具も薬もない町で、命と歴史の重さに向き合う医療劇

この特集で選んだ理由

幕末へのタイムスリップを医療と組み合わせ、歴史ものと医療ものの橋渡しをします。

JIN―仁―
作者
村上もとか
掲載誌
スーパージャンプ
ジャンル
青年漫画/医療/時代劇/SF
完結
完結
評価
4.5/10

良い点

現代の脳外科医・南方仁が幕末の江戸に飛ばされ、消毒薬も抗生物質もない町でペニシリンづくりにまで踏みこみます。未来の知識で無双する話かと思いきや、材料を集める人や器具を作る職人など、支える人がいて初めて一つの医術が形になる様子が描かれます。名前だけ知っていた歴史上の人物とのかかわり方が、一人ずつ違うのも読みごたえがあります。

気になる点

危機に陥っては命を救って切り抜ける流れが続き、都合よく物事が運びすぎる感じが鼻についてきます。終盤の時間の辻褄合わせは腑に落ちにくく、支え続けた女性との関係の行き先もはっきりしません。

こんな人におすすめ

時代ものと医療とSFが混ざり合い、どれか一つでは出せない熱を生む物語を読みたい人に向いています。設備も薬もほとんどない場所で、あるものだけで人を助けようとする踏ん張りに胸が熱くなる人にもおすすめです。

こんな人には不向き

時をさかのぼる仕掛けの理屈に、すっきりした決着を求める人には不向きです。窮地のたびに間一髪で切り抜ける流れを、都合よすぎると感じやすい人も注意してください。

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51

九条の大罪

悪人ばかりを救う弁護士!?法律とモラルの限界に挑む、あまりに非情な法廷サスペンス!

この特集で選んだ理由

『闇金ウシジマくん』と同じ作者の法廷ものとして、裏社会ものをさらに一段重くします。

九条の大罪
作者
真鍋昌平
掲載誌
週刊ビッグコミックスピリッツ
ジャンル
青年漫画/社会派ドラマ/法律/サスペンス
完結
連載中
評価
9.3/10

良い点

半グレや薬物密売人など、世間が悪人と呼ぶ人ばかりを弁護する九条間人の物語です。第1話から、飲酒ひき逃げ犯が法の抜け穴で執行猶予になる理不尽さを見せつけられ、怒りで頭が熱くなります。九条を支えながら自分の正義感との間で引き裂かれていく烏丸がいるからこそ、九条の異質さが際立ちます。

気になる点

被害者がさらに追い詰められ、誰も救われない後味の悪い終わり方が続くので、読んでいて胃が痛くなります。法律の解釈や判例の説明も多く、読むのにかなり体力を使います。

こんな人におすすめ

法律と正義は必ずしも一致しないという冷たい現実を、物語で突きつけられたい人に向いています。感情を挟まず損得で動く、徹底的にドライな主人公の仕事ぶりを見届けたい人にもどうぞ。

こんな人には不向き

罪のない人がさらに追い詰められる救いのない展開に、強い痛みを感じる人には向きません。悪人に知恵を貸して罪を逃れさせる主人公の手法に、倫理的な抵抗を覚える人も合わないでしょう。

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52

Shrink~精神科医ヨワイ~

「精神科は特別な場所ではない」。現代日本人の心に寄り添う、本格精神医療ドラマ。

この特集で選んだ理由

心の病を扱う医療ものはこれだけで、体の治療を描くほかの医療作品と対になります。

Shrink~精神科医ヨワイ~
作者
七海仁/月子
掲載誌
グランドジャンプ
ジャンル
医療/ヒューマンドラマ/社会派
完結
連載中
評価
9/10

良い点

新宿でクリニックを営む精神科医の弱井が、パニック障害やうつ病、発達障害に悩む患者に寄り添い、早めの受診を説きます。症状のしくみや周りの接し方がわかりやすく描かれ、精神科は怖いところというイメージががらりと変わります。患者本人だけでなく、見守る家族や友人にも勧めたくなる作品です。

気になる点

扱う症例が深刻なものばかりで、調子の悪いときに読むと引きずられることがあります。作中の回復がスムーズすぎる点や、弱井先生が聖人君子のように描かれている点には、現実味の薄さも感じます。

こんな人におすすめ

精神科へのハードルや偏見を感じていて、身近な心の問題に温かく向き合う医療ドラマを読みたい人に向いています。症状のしくみや周りの人の接し方を、当事者と家族の物語として知りたい人にもおすすめです。

こんな人には不向き

精神疾患という重いテーマが続くので、調子の悪い時期には読むのがきつい人もいます。医療知識の解説が長くなると、ドラマとして楽しめなくなる人にも不向きです。

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目的別のおすすめ

よくある質問

ドラマを見たあとでも原作は楽しめますか?+

楽しめます。話数の限られたドラマに比べ、10巻以上ある原作は脇役の事情や細かなやりとりまで描かれています。筋を知っていても、キャラクターの印象が変わる場面に出会えるはずです。

連載中の作品はどれですか?+

52作のうち18作が連載中です。『正直不動産』『ミステリと言う勿れ』『きのう何食べた?』『九条の大罪』『税金で買った本』『パリピ孔明』などが続いています。『Dr.コトー診療所』は本編が長く休載しています。ほかの34作は完結済みです。

完結していて最後まで読める作品のおすすめは?+

最終19巻で島の日々を描き切った『ばらかもん』や、全20巻の『重版出来!』が入りやすいです。江戸の二百年を描く『大奥』、恋と音楽の行方を追う『のだめカンタービレ』も、結末まで見届けられます。天才どうしの読み合いが最後に一本の線でつながる『DEATH NOTE』、幕末の江戸で医術を尽くす『JIN―仁―』も完結済みです。

暗い話が苦手でも読める作品はありますか?+

『きのう何食べた?』『ばらかもん』は、日々の暮らしや人とのつながりが中心で、重い展開は控えめです。笑いたいなら、元極道が家事に打ちこむ『極主夫道』や、不良と委員長のかけ合いが楽しい『ヤンキー君とメガネちゃん』も合います。『深夜食堂』もおだやかな人情話ですが、ほろ苦い結末の回もあります。

仕事ものを読みたい場合はどれがいいですか?+

出版業界なら『重版出来!』、不動産なら『正直不動産』、起業なら『トリリオンゲーム』が合います。交番勤務のリアルを知りたいなら『ハコヅメ~交番女子の逆襲~』です。医療の現場は、産科の『コウノドリ』、外科の『医龍-Team Medical Dragon-』、病院薬剤師の『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』とそろっています。図書館の裏側を描く『税金で買った本』や、受験指導の『ドラゴン桜』も、働く人の視点で読める作品です。

重くても読みごたえのある作品を選びたいです。+

『闇金ウシジマくん』『今際の国のアリス』『大奥』『家栽の人』『DEATH NOTE』『九条の大罪』がおすすめです。救いの少ない展開や陰謀、少年事件、法の抜け穴などを正面から扱っていて、読み終えたあとに考えこまされます。追い詰められた人間の弱さがむき出しになる『彼岸島』も、血なまぐさい描写に耐えられるなら読みごたえがあります。

まとめ

52作に共通しているのは、ドラマの放送が終わっても、原作のページにまだ厚みが残っていることです。10巻以上あるぶん、脇役の事情や日々の小さなやりとりを、自分の速さで追いかけられます。ドラマで気になった一作から開くのもいいですし、見ていなかった作品に手をのばすのも楽しいはず。気になる一冊を、まず1巻だけ試してみてください。

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