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獣の奏者 の感想と評価(良いところ、悪いところ)

獣の奏者

著者: 上橋菜穂子武本糸会

連載: 月刊少年シリウス

ジャンル: ファンタジーハイファンタジー

評価: 8.8/10

あらすじ

リョザ神王国の闘蛇村で、獣ノ医術師の母と暮らす少女エリン。ある日、軍事に使う巨大な怪獣・闘蛇が一度に何頭も死に、その責めを負わされた母は処刑されてしまう。死地に追い込まれたエリンは、母が吹いた指笛に逃がされ、蜂飼いの男に救われる。その男のもとで自然の理や学問を学んだ少女は、野生の王獣の姿に心を奪われ、その医術師を目指して保護場へ入る。人に懐かないはずの傷ついた幼い王獣と、竪琴や音無し笛で少しずつ心を通わせ、ついに空へ飛ばすことに成功する。だが人ならぬ獣を従える少女の力は、やがて真王家と大公家の争いに、兵器として利用されていく。獣の尊厳を守るため、禁忌を侵してでも信念を貫く少女の過酷な運命!

読む前に確認したい相性

向いている人

  • 作りこまれたハイファンタジーの世界観にじっくり浸って、異国の文化や理を味わいたい人
  • 文章だけで異世界を思い描くのが苦手で、絵で情景を鮮明に受け取りながら物語に浸りたい人
  • 命の尊さや、人と生き物のあいだにある埋めがたい隔たりまで考えさせられる話を求める人

向いていない人

  • 恋愛の甘さや派手なアクションを前面に出したわかりやすい娯楽作をさらっと楽しみたい人
  • 物語の終盤が駆け足で進む流れや、多くを語らない余白の多い結びにもやもやしやすい人
  • 登場人物一人ひとりの背景まで、丁寧に掘り下げた群像劇としてたっぷり読み込みたい人

良い感想・レビュー

  • 原作を読んだことのない私でも、この世界観にぐいぐい引き込まれた。コミカライズだと雰囲気が変わってしまう作品が多いのに、これは原作に忠実な絵柄で、最後まで安心して読み進められた。
  • 漫画やアニメになるとイメージが壊れてしまう作品が多いのに、これは登場人物がどれも想像通りで嬉しくなった。雰囲気がそのまま再現されていて、絵も綺麗だから小説の情景がすっと頭に入る。
  • 文章だけで異世界を思い描くのが苦手で、有名なシリーズも途中で投げてきた私。でもこれは絵で情景が鮮明になるから、この先どうなるのか気になって仕方ない。私にも向いてるかも。
  • アニメで観たはずの物語なのに、絵で読み返すと感動があらためて押し寄せてきた。まっすぐに獣と向き合う少女と幼い王獣のあいだに芽生えた温かな信頼を思うと、もらい泣きしてしまう。
  • 恋愛がほとんど絡まないのに、最後までぐいぐい引き込まれた。人と獣のあいだにある隔たりをきっちり描きながら、命の尊さや自然の摂理まで伝わってくる。子どもにも読ませたい一作だと思う。

悪い感想・レビュー

  • 途中からあまりに展開が早くて、もう1冊分あってもいいから色々な人をじっくり掘り下げてほしかった。好きなキャラなのに出番のない人もいて、最後も駆け足のたたみ方にもやもやが残った。
  • 綺麗な終わり方だとは思うけれど、あの国はその後どうなったのか気になってしまう。結末の余白が広すぎるせいか、私には少し中途半端に感じられて、読後にすっきりしない気分が抜けなかった。
  • 最終巻まで読んでも、正直あまり感動が湧いてこなかった。一気読みならまた印象が違うのかもしれないけれど、ぶつ切りで追ったせいか盛り上がりに乗り切れないまま幕が下りた。
  • 自分の命をかけて事を収めればいいという主人公の考えに、国まで巻き込まれて多くの人が死んでいく。悲壮な決意なのだろうけど、私にはどうにも無責任な幕引きに映った。
  • 絵柄の好みもあるのだろうけど、私は作画にもう少し迫力がほしかった。巨大な獣が初めて姿を現す場面こそ一番の見せ場のはずなのに、あっさりした画面で拍子抜けしてしまった。

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