漫画よしあし10巻以上の漫画レビュー専門サイト
レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:

魔男のイチ の感想と評価(良いところ、悪いところ)

魔男のイチ

魔男のイチ

完結
マークダウンで表示

著者: 西修宇佐崎しろ

連載: 週刊少年ジャンプ

ジャンル: ファンタジー少年漫画バトル・アクション

評価: 8.7/10

あらすじ

魔法は意思を持つ生き物で、突きつけられた試練を越えた者だけがその力を手にできる。ただし魔力を宿すのは女だけ。魔法を狩る者は魔女と呼ばれてきた。山でひとり生き延びた狩人の少年イチは、千年のあいだ誰にも倒せなかった王の魔法とぶつかる。当代最強の魔女さえ追い詰められるなか、少年は観察と罠だけで相手の心臓を貫き、世界でただひとり魔法を使う男になった。師となった魔女に連れられ、各地の凶暴な魔法を狩る旅へ。やがて世界を滅ぼそうとたくらむ一派が現れ、イチの死を告げる予言までが突きつけられる。狩る側にも狩られる側にも、譲れない生き方がある。それを知ったとき、胸の奥がひどく熱くなる。生きた魔法と少年の、命を賭けた狩り!

読む前に確認したい相性

向いている人

  • 魔法そのものが意思を持ち、試練を越えた者だけが手にできる変わった仕組みの世界に浸りたい人
  • まっすぐで欲のない主人公が、強い導き手や仲間に助けられて伸びていく王道の少年漫画を読みたい人
  • キャラの描き分けもコマ割りも整っていて、絵の力ごと物語に入り込める作品を探している人

向いていない人

  • 緊張感のある戦いの直後に軽い笑いを挟む切り替えが何度も続くと、気持ちが冷めてしまう人
  • 敵の背景や動機まで丁寧に掘り下げてほしくて、人とは話が通じない相手では物足りない人
  • 世界の決まりごとに筋の通り方を求めていて、後から足された設定に引っかかりを感じやすい人

良い感想・レビュー

  • どこの誰とも知れない少年がひとりで立ち、強い導き手や仲間に助けられて伸びていく流れは王道だ。敵になるのが人格を持つ魔法という組み立てと、狩るか否かを分ける死対死という考え方に、ぐっと引き込まれた。
  • 師匠になる魔女がとにかく可愛くて、私はすっかり推してしまいました。男の主人公が力を使うとき、似合わない魔女のいでたちに変わるのもおかしくて、変身ものロマンを裏返した見せ方に笑わされます。
  • 魔法のひとつひとつに自我があって、出された試練を越えれば手に入る。この仕組みが面白くて一息に読んだ。主人公が狩り以外に関心のないさっぱりした戦闘狂なので、読んでいて引っかかる場所がないのもいい。
  • 絵が粗いと物語に入れない私にはありがたい作品でした。年齢も性格も描き分けられていて、怪物じみた魔法たちの動きにも嘘がありません。コマ割りも読みやすく、絵のうまさに助けられてすっと入れます。
  • 敵意ばかりの魔法が続いたあとで、家族を想う魔法が出てきたのが私には効いた。わずかな時間で子の名を託す場面には父の愛がぎゅっと詰まっていて、弟を喪っても前を向く魔女の姿にも胸を打たれた。

悪い感想・レビュー

  • シリアスなバトルものだと思って読み始めたのに、締めでギャグを何度も挟まれてずっこけた。張り詰めた空気が最後にほどける組み立てより、最後まで一気に押し切ってほしかった。
  • 村を凍らせて住人を痛めつけた相手なのに、課される試練がふざけた内容で、私はどうも釈然としませんでした。悪行の重さと勝負のゆるさが噛み合わず、勝っても晴れた気持ちになりにくいです。
  • 敵になる魔法は存在そのものが攻撃的で、人としての厚みがない。因縁があると匂わされても、理由はそういう生き物だからで終わる。話が通じない相手を面白がる余裕は正直なかった。
  • 女しか魔法を使えない世界という前提だったのに、男が活躍できる場が後から出てきたのは、私には取ってつけたような後付けに見えた。それならもっと早く選べたはずだと引っかかる。
  • 子どもが小さな刃物ひと突きで獣を仕留められるのか、食べられる茸をどう覚えたのか。私はそこが気になって入り込めなかった。狩人らしさが雰囲気止まりに思えてしまう。

同じジャンルの漫画