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風光る の感想と評価(良いところ、悪いところ)

風光る

著者: 渡辺多恵子

連載: 月刊フラワーズ

ジャンル: 少女漫画歴史・時代劇

評価: 8.5/10

あらすじ

幕末の京都。富永セイは、父と兄を長州の浪士に斬られた仇を討つため、男と偽って新選組の門を叩く。隊に潜む紅一点。その秘密に気づいたのが、一番隊組長・沖田総司だった。沖田はセイを咎めることなく、そばに置いて守ろうとする。剣を磨き、松本良順のもとで医術を学びながら、セイは隊士たちとともに激動の時代を駆け抜ける。池田屋、鳥羽伏見、そして北へと続く敗走の道。やがて労咳に倒れた沖田が遺したものを胸に、セイは函館の土方歳三のもとを目指す。生きることの意味を、誰よりも武士であろうとした少女が問い続ける、23年をかけて描かれた幕末長編。

良い所

  • 武士として遺髪を託し共に行く、けれど残された妻が生きていく縁も残さねばならぬ。最期まで武士でありたい願いと、健康な兄貴分へ託すという選択に、賛否を承知のうえで深く納得しました。
  • 恋愛が中心の少女漫画ですが、池田屋など史実の事件に重ねて描かれる時代背景と人間模様にいつのまにか引き込まれ、武士道とは何かと考えさせられて何度も読み返しています。
  • 結末がわかっている史実だからこそ、命を賭けた隊士たちの何気ない日常がまぶしく、読む前から泣けてしまって、なかなか手をつけられなかったほどでした。
  • 架空のヒロインと史実の主要メンバーの関わりを、事実に解釈を重ねて再構築したフィクションとして巧みに噛み合わせていて、つくり話とは思えない説得力に唸りました。
  • リアルを最後まで貫いた渡辺先生の覚悟がすごい。沖田がどれだけセイを大事にしていたかが伝わってくる心情の積み重ねに、読みながら何度も泣かされました。

悪い所

  • 最終盤の選択を、これが総司の遺言なのかと正直思いました。労咳で体力的に厳しくても、少女漫画なんだから総司の子で良かったのではと感じてしまい、素直に飲み込めません。
  • これは少女漫画でファンタジーなのだと思って読んできたのに、最後の最後で残酷な現実を突きつけられた気がして、炎上するよね、って苦笑いで読み終えました。
  • 今までの内容を潰すような終わり方で、裏切られた感がとにかく強い。なぜそうなるのかとあり得ない気持ちを抱えたまま読み終え、しばらく整理がつきませんでした。
  • 序盤は確かにハマったのに、途中からだらだらと続く展開と、最後の駆け足な疾走感が惜しい。終盤こそ腰を据えて、キャラクターとの時間を描いてほしかった。
  • 土方にそこまで興味がないなら、無理に函館まで詰め込まず会津止まりでもいいので緩やかにページを取り、余韻のたっぷり残る泣ける話にまとめてほしかったです。

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