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レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:

おせん の感想と評価(良いところ、悪いところ)

おせん

著者: きくち正太

連載: モーニング

ジャンル: 日本文化人間ドラマグルメ

評価: 8.7/10

あらすじ

笠置の宿場町にある老舗料理屋「一升庵」の若女将・おせん。普段は一晩で一升瓶を空けるほどの大酒呑みでぐうたらだが、料理・書・陶芸まで本物を見極める天才的な美的感覚を持つ"平成の女魯山人"でもある。帳場見習いの江崎(グリコ)は、一升庵で素材を活かしきった本物の料理と心尽くしのおもてなしを間近に見ながら、日本文化の真髄を学んでいく。ガラスペンならではの繊細な描線と料理・骨董への深い造詣が溶け合った作品で、昨今のグルメ漫画とは一線を画す重みがある。和の美意識と「本物」への執念を一升庵の暖簾とともに描く、唯一無二の人情グルメ漫画!

良い所

  • 漫画家でも珍しいガラスペンによる繊細な描線が他にはない独特の味わいを生み出しており、和の雰囲気をレトロなタッチで描き切っている。この線の美しさに惹かれて一気読みしてしまう読者も多い。
  • 料理を料理法だけでなく、器や出し方・しつらえまで丁寧に説明してくれるため、日本の食文化をここまでしっかり描いた漫画は他にないという声が多い。
  • 普段はぐうたらでとぼけたおせんが、いざとなれば天才的な本物の腕前を発揮する緩急が最高に気持ちいい。芯の通った姿勢と料理への愛情が、読んでいて伝わってくる。
  • 食・骨董・日本文化への深い造詣を惜しみなく注ぎ込んだ作品で、読み応えと見ごたえが両立している。こんな贅沢な漫画に出会えたことを喜ぶ読者の声が絶えない。
  • 普段は呑んだくれなのに客のためなら本気で一肌脱いでくれるおせんの見開きシーンは何度見ても痺れる。満足以上のおもてなしで帰らせる一升庵の空気感がたまらない。

悪い所

  • 絵柄に強烈なクセがあり受け付けない読者も少なくない。美人設定の主人公がそう見えないという声もあり、最後まで慣れられなかったという感想もたびたび目にする。
  • おせんが何でも万能すぎるため、ご都合主義に感じる読者もいる。作者の主張や強いこだわりが前面に出すぎていて、説教くさいと感じる声もちらほら出てくる。
  • 料理前後のシーンでキセルを吸う描写が登場することがあり、食の香りや繊細さを大事にする作品観との矛盾を感じる読者もいる。愛煙家の作者の価値観が色濃く出ている。
  • 現代を舞台にしながら江戸っ子言葉や独特の語り口が貫かれており、言葉遣いの違和感を最後まで拭えなかったという感想が見られる。クセのある世界観への適応が壁になる。
  • 狂言回しのグリコがプロの板前を差し置いて意見を挟むシーンが鼻につくという声がある。物語の都合とはいえ、働き始めたばかりの見習いが板場に口を出す場面に違和感を覚えた。

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