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最終更新日:

白竜 の感想と評価(良いところ、悪いところ)

白竜

著者: 渡辺みちお天王寺大

連載: 週刊漫画ゴラク

ジャンル: 青年漫画ヤクザサスペンス

評価: 8.2/10

あらすじ

渋谷の片隅、構成員がわずか数十名の弱小組織・黒須組。その若頭である白川竜也、通称・白竜は、一流大学で培った知恵と、一か八かに賭ける度胸をあわせ持つ男。振るうのは腕っぷしではなく、株の操作、土地の利権、警察との裏取引。細かく組み上げたシノギと罠で大手組織との抗争を勝ち抜き、街の裏側を手のうちに収めていく。やがて舞台は六本木へ移り、医療の闇、相撲の八百長、金融の不祥事、原発をめぐる利権まで、現実の事件を下敷きにした大きな話へと広がる。「この一件、私が仕切らせて頂きます」。そう口にした時には、勝ち筋はもう描き終わっている。裏社会の頂に立つピカレスク劇画!

読む前に確認したい相性

向いている人

  • 腕っぷしよりも頭で勝負する物語が好きで、株や利権をめぐる駆け引きをじっくり追いかけたい人
  • 実際に起きた事件をなぞった筋書きから、世の中の裏側をのぞき見るような後味をじわりと味わいたい人
  • 毎回きっちり片をつけてくれる主人公を眺めながら、時代劇のような安心感にひたりたい人

向いていない人

  • 悪党が成り上がる筋書きそのものが苦手で、アウトローを持ち上げる話を素直に楽しめない人
  • 女性の扱いが軽い場面が続くと落ち着かず、古い価値観のままの描写を読み飛ばせない人
  • 政治や時事のネタの扱いが、現実をそのままなぞる描き方だと感じてしまうと、白けて読めない人

良い感想・レビュー

  • 実際の金融不祥事をなぞった話がかなり長く続くのに、事実が下敷きだからか引き込まれた。上が辞めても子飼いで固めた顔ぶれが残るだけという流れは、腐った組織は変わらないという現実を突きつけてくる。
  • 殺し屋三人が主人公を狙う話が、これまでで一番おもしろかった。三人がそれぞれ違う顔つきで動くので、この先どうなるのかが気になって仕方ない。狙われる側が鍵を握るという組み立てにしびれた。
  • 警察署の中で証拠品の現金が消える事件。主人公はまだ動かず、素行の悪い刑事が話を引っ張っていく。ミステリ風の運びが思いのほか楽しく、この不祥事をどうシノギに変えるのかも気になった。
  • 白いスーツで美術館やピアノバーを回り、困り顔の親分に「この一件、私が仕切らせて頂きます」と告げます。あの流れには水戸黄門みたいな安心感があって、毎回そこを待ちながら読んでいます。
  • 縄張り争いよりも資金の奪い合いを軸にしているところが、ほかのヤクザものとは違って見えた。相手はヤクザだったり大物議員だったりで、政財界まで動かす知力にただ驚かされる。

悪い感想・レビュー

  • 現実の事件をそのままなぞっているせいか、カシラが思い切って動く場面が減ってしまった。話としては面白いのに、実話に寄せた分の窮屈さが出ていて、そこはむずかしいところだと思う。
  • 格闘技の興行を扱った話で「闇は深い」と何度も繰り返されるのに、どんな闇なのかは最後まで示されない。言葉ばかりが重くて中身が薄いまま終わってしまい、どうにも乗り切れなかった。
  • 人物も社会の描き込みも細かくて、そのぶん設定がどんどん入り組んでいく。現実味があるのはいいけれど、延々と追い続ける読み方はさすがにしんどいなと思ってしまった。
  • 続編と比べると主人公の顔つきも言葉づかいも違っていて、そこに引っかかった。中身は文句なしなのに、女性の人権を軽く見た描写が多く、これでは女の人には勧めにくい。
  • 政治への批判も時事のネタもあからさまで、元になった人物がすぐ浮かぶ描き方が続く。最初から察してはいたけれど、露骨さで賛否が割れる線はもう踏み越えている。

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