レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
ボーイズ・オン・ザ・ラン の感想と評価(良いところ、悪いところ)
ボーイズ・オン・ザ・ラン
著者: 花沢健吾
連載: ビッグコミックスピリッツ
評価: 7.8/10
あらすじ
27歳、恋愛経験ゼロ。弱小玩具メーカーで営業をする田西敏行は、妄想ばかりがふくらむ冴えない男だ。職場の後輩・ちはると交際寸前まで近づくが、自分の浅はかな行動で誤解を招き、あっけなく振られてしまう。そのちはるは同業他社のエリート営業マン・青山にもてあそばれ、捨てられてしまう。怒りに燃えた田西はボクシングジムの門をたたき、モヒカン頭で決闘を挑むも完敗。会社まで失う。新聞配達で食いつなぐ日々のなか、耳の不自由な女性トレーナー・ハナと惹かれ合うが、彼女にも暗い影が付きまとう。何をしてもうまくいかない男が、大切な人を守るために自分の弱さと向き合い、最後の決戦へ向かう。カッコ悪さの先にある、ダメ男の全力疾走!
読む前に確認したい相性
向いている人
- 何をしてもうまくいかないダメ男が、ボロボロになりながら立ち上がる話に胸を熱くしたい人
- 周りの人がみな器用に生きているように見えて、ときどきずるいと感じてしまうことがある人
- 恋や仕事の挫折とボクシングが絡み合う、リアルでカッコ悪くて熱い大人の青春ものを読みたい人
向いていない人
- 主人公の努力がきちんと報われる、スカッとした逆転劇やサクセスストーリーを期待している人
- 主人公の情けなさや迷走ぶりにイライラしてしまい、共感できないと読み進めるのがつらくなる人
- 男目線の生々しい恋愛描写や、いじめ・暴力も含む気持ちが沈むような重い展開が苦手な人
良い感想・レビュー
- 青春ロックものは苦手で敬遠していたのを後悔するほどの良作。主人公の暮らしは漫画的なのに、漫画を飛び越してリアルに迫ってくる。ヒロインに裏切られた痛みは、ラストまで見てもまだ引きずる。
- 何をしても、何を思ってもうまくいかない。努力しても上を行くやつがいる。そんなやりきれない人生が胸に来る。男目線なので万人向けではないものの、情けない主人公だなんて言わないであげてほしい。
- 彼女を奪われ、会社を辞め、モヒカンにして喧嘩をし、ボクシングを習う男。はた目には迷走そのものなのに、成長を超えて何者かになっていく姿が熱く、とりあえず頑張ろうと意外にも前向きになれます。
- 周りの人は器用に生きていてずるい、と感じている人に勧めたい。やっていることは無茶苦茶で笑ってしまうのに、主人公が真剣だからこそ心に響き、涙を誘われる。できるならこんなふうに生きてみたいと思う。
- カッコよくない主人公で、いつもボコボコにされているのに、すごくカッコよく見えてくるんです。どこか一つは共感できるところのあるダメ男で、その描き方がやたらうまいんですよね。最後は感動しました!
悪い感想・レビュー
- 出来すぎたサクセスストーリーの真逆、絵に描いたような失敗ストーリーだ。想い人を奪われ、特訓もかっこ悪く、努力は報われない。その出来すぎ感が苦手なのに、読んでいて熱くなるのが少し悔しい。
- 主人公に共感できなかった。時間も足りず勝ち目も薄いのに、なぜそこまでこだわるのか。登場人物はみなはっきりしないし、ちっともかっこよくない。スカッともしないが、これがリアルなのだろうか。
- 冴えない営業マンの恋と挫折から始まった話が、途中からスポ根マンガっぽい流れに変わっていくのが個人的には残念でした。同じ作者なら、別の作品のほうが好みです。
- とても現実的な展開だからこそ、希望や達成感、スカッとする展開が望めない。なんだかすっきりしないまま進むうえ、主人公が何をしたいのかもよくわからない。
- 青臭い青春ものですが、報われない展開が続くぶん、読むと少し気持ちが沈みます。作品としてはすごく好きなのに、あまり頻繁には手に取りたくないタイプです。
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