レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
リエゾン ーこどものこころ診療所ー の感想と評価(良いところ、悪いところ)
リエゾン ーこどものこころ診療所ー
連載: モーニング
評価: 4.5/10
あらすじ
大学病院で「問題児」扱いされていた小児科研修医・遠野志保が、児童精神科「佐山クリニック」へやってくる。じつは彼女自身も発達障害を抱えていた。院長の佐山卓のもとで出会うのは、ASDやADHDに悩む子ども、虐待やいじめの傷を負った子ども、非行に走ってしまった少年たち。そしてその子を育てる親もまた、迷い、追い詰められている。すぐに答えの出ない悩みに、医師たちは一人ひとりの事情を聞き取りながら向き合っていく。「普通」の物差しでは測れない生きづらさが胸に刺さり、それでも差しこむ小さな光に救われる。全21巻で完結した、子どもと家族の心に寄り添う児童精神科ドラマ!
読む前に確認したい相性
向いている人
- 発達障害や児童精神科の現場のことを、むずかしい本ではなく物語を通してわかりやすく知りたい人
- 子育て中や子どもと関わる仕事をしていて、子どもと親の両方の気持ちに改めて目を向けたい人
- 重いテーマでも、すぐには解決しない悩みに少しずつ光が射すような人間ドラマを味わいたい人
向いていない人
- 虐待やいじめ、非行といったつらい家庭環境の描写を読むと、しばらく気持ちが沈んでしまう人
- 一話ごとにスッキリ問題が片づく爽快な展開を求めていて、もやもやの残る結末が苦手な人
- 医療ものに派手な手術や命がけの救命シーンを期待していて、対話中心の物語は物足りない人
良い感想・レビュー
- 主人公の研修医自身が発達障害を抱えていて、当事者の目線から子どもたちの凸凹を見られるのがありがたいです。症状の説明も丁寧で、障害や児童心理のことがすっと頭に入ってきます。
- 誰にでもグレーなところはあるからと、発達障害を特別視しないようにしてきました。「それくらい誰でもある」という言葉が当事者を傷つけると描かれていて、はっとさせられます。
- 子育て中に読むと、大人になって子どもの気持ちを忘れていた自分に気づかされる。嫌だった言葉を親になって口にしていたことも思い出す。子と親、どちらの目線でも学びがある。
- 家族の関係は医師が手を貸してもすぐには修復しません。それでもトンネルの中に一筋の光が射すような終わり方をしてくれて、読み終えると晴れ晴れした気分になります。
- 絵がきれいで見やすいうえに、医療スタッフの個性がばらばらで笑わせてくれる。重いテーマを扱っているのに沈みすぎないのは、ぷぷっとなる一面があるからだろう。
悪い感想・レビュー
- 発達障害だけでなく、虐待やいじめから非行にまで話が広がり、やり切れなく哀しい気持ちになります。前向きに考えられる話とはいえ、読んでいて苦しくなる場面もあります。
- 非行に走った少年が、幼いころ母親にされた仕打ちを思い出す回想シーンはあまりに酷く、少年がかわいそうになる。家庭環境で愛着障害を抱えた子どもは被害者でしかないと思うと、胸が痛む。
- カミングアウトを描いた話は、胸がキュッと締め付けられるような息苦しさを感じます。当事者の生きづらさが自分のことのように伝わってきて、身につまされます。
- 中途半端に関わった大人が怖くなって離れていく展開は、ちょっと無責任に感じる。判断として間違ってはいないぶん、非行少年の気持ちを思うとやりきれない。
- 子どもに合った支援が順調に進む話でも、学校側のリスクと負担の大きさを見ると、現実ではここまで上手くいくことは珍しいのかもしれません。困っている家庭を支える制度も足りていないと感じます。
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