レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
あの娘にキスと白百合を の感想と評価(良いところ、悪いところ)
あの娘にキスと白百合を
著者: 缶乃
連載: 月刊コミックアライブ
評価: 8.6/10
あらすじ
中高大一貫の女子校・清蘭学園。中等部からずっと一番で「生徒の鑑」と慕われてきた白峰あやかは、高等部に上がってすぐ、授業中は居眠りばかりの黒沢ゆりねに学年首位を奪われてしまう。優等生の顔の下に負けず嫌いを隠したあやかは悔しさで燃え上がるが、当のゆりねはマイペースにあやかの笑顔を好きになり、まっすぐ距離を詰めてくる。調子を狂わされるうちに、あやかは自分の劣等感と本当の気持ちに向き合うことになる。ふたりを軸に、従姉妹、部活の先輩と後輩、幼なじみ、風紀委員と、学年も性格もちがう少女たちの恋が順に描かれる。それぞれの話はゆるやかにつながっている。気になる子がそばにいるだけで落ち着かない、あのソワソワを丸ごと閉じ込めた白百合の学園!
読む前に確認したい相性
向いている人
- 女の子同士の淡くてソワソワした距離感を、濃い絡みよりもじっくり味わいたい百合好きの人
- 女子校を舞台に、ライバルや幼なじみ、先輩後輩などいろんな組み合わせの恋を一作で楽しみたい人
- 負けず嫌いの秀才とマイペースな天才のように、張り合いながら少しずつ惹かれ合う関係にときめく人
向いていない人
- 話がいろいろなペアへ移っていくより、ひと組のカップルだけをじっくり長く追いかけたい人
- ドロドロした人間ドラマや濃い百合描写など、重くて刺激の強い展開を何より求めている人
- 話ごとの小さな山より、物語全体を貫く大きな事件や一気に盛り上がる派手な山場がほしい人
良い感想・レビュー
- ゆりねへの嫉妬もあこがれも隠さず、むき出しでぶつかっていくあやかに心をつかまれました。まだ友情の枠に収まっているのに、確かに恋のかたちをしている気持ちの描き方に、すっかりやられました。
- ライバル、幼なじみ、先輩と後輩、姉妹、犬猿の仲、三角関係と、女子校で考えられる百合の関係はほぼ全部ここにあります。一組ずつの話は王道を押さえているのに、どれも目が離せません。
- 一応ふたりが主人公ですが、サブキャラが予想以上にいきいきと描かれていて、いろいろな百合カップルに出会えます。どのキャラにもきちんとエピソードがあり感情移入しやすいので、大満足でした。
- 絡みの濃い百合ではありませんが、気になる子がそばにいるときのソワソワした落ち着かなさはじゅうぶん味わえます。オムニバスなので話が進まないストレスもなく、くり返し読んでいます。ここに入学したいです。
- 主人公が何人もいるオムニバスの形がまず新鮮です。そのうえ各話の終わりには小劇場がついていて、本編を第三者の目線で描き直すおまけがすごくおもしろいんですよね。
悪い感想・レビュー
- 決まったカップルをずっと追う話でも、完全なオムニバスでもない作りはおもしろい。ただ、メインのふたりの関係を楽しみにして読むと肩すかしを食う巻もある。
- キスシーンが毎回ノルマのように入ってくる作風なので、話の流れによってはやや唐突に見えます。このキスはここで必要だったのかな、と首をかしげたくなる場面もあります。
- 登場人物が多く、巻が進むほど誰が誰だか整理するのにひと苦労する。しかもオムニバスなので、お気に入りのペアの話がなかなか進まないのがもどかしい。
- キャラクターが増えるにつれて、関係をつかむのが少しややこしくなります。一冊ごとのまとまりはいいものの、作品全体を通した大きな山場や事件は少なめです。起伏を求める人には淡々と感じられるかもしれません。
- 少女同士のふわふわとした学園百合の雰囲気が中心だ。ドロドロした重い人間ドラマや濃い百合描写を期待すると、あっさりした味わいに物足りなさが残るはずだ。
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