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レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:

SANDA の感想と評価(良いところ、悪いところ)

SANDA

著者: 板垣巴留

連載: 週刊少年チャンピオン

ジャンル: アクションダークファンタジーディストピア

評価: 8.5/10

あらすじ

子供が国家資源として崇められ、「老い」が禁忌となった狂った近未来。平凡な少年・三田は、同級生の冬村に刺されたことで、血筋に眠る「サンタクロース」の呪いを覚醒させる!赤い刺激で少年のひょろりとした肉体が、血管の浮き出た筋骨隆々の老体へと膨れ上がる変身描写は、板垣巴留にしか描けない生々しい肉体美の暴力。子供を過保護に甘やかして廃人にする「大黒愛護学園」の歪な闇を、老人の知恵と剛拳で粉砕していく。行方不明の親友、そして「12月25日」という呪われた日付に向かって突き進む、老いと若さが激突する聖戦!

良い所

  • 三田が鼻血を出しながら筋骨隆々のジジイに膨れ上がるあの肉体の膨張感にマジで震えた。板垣先生の描く筋肉は、ただの絵じゃなくて「生きた肉の重み」を感じるから、変身の説得力が他とは格が違う。
  • 冬村の、あの親友を救うためなら三田を刺すことも厭わない狂気に満ちた虚ろな目が頭から離れない。一見クールなのに中身が完全に壊れているヒロイン(?)の危うい魅力が、この物語の予測不能な面白さを加速させてる。
  • 子供を資源として神格化する異常な社会設定が皮肉たっぷりで最高。「子供を甘やかしてダメにする」教育方針をサンタの拳でぶっ飛ばす構図は、今の過保護な世の中への強烈なアンチテーゼに感じてスカッとした。
  • トナカイの顔をした異形のバイクで雪山を爆走するシーンのワクワク感が半端ない!サンタという童話の記号を、ここまでバイオレンスで無骨なアクション小道具に作り変えるセンス、板垣先生はやっぱり天才だと思う。
  • サンタ姿の三田が放つ、「老人の知恵と若者の情熱」が混ざり合った泥臭い戦い方に魂を揺さぶられた。プレゼントを配るための驚異的な脚力が、そのまま人を蹴り殺す武器になる設定の落とし込みが秀逸すぎて痺れる。

悪い所

  • 板垣先生特有の、人間の皮膚のたるみとか血管、足の裏を執拗に映す生々しさがどうしても生理的に受け付けなくて、読むたびにゾワゾワして無理だった。画力は凄いんだろうけど、見ていて食欲が失せるレベル。
  • 設定が凝りすぎてて、「サンタの呪い」や学園の変な校則なんかの独自用語が次々出てくるから、頭が追いつかなくて疲れた。もっとシンプルにアクションを楽しみたいのに、理屈っぽさが邪魔をして没入できなかった。
  • どんなに熱いシーンでも、戦っているのが「サンタの格好をしたジジイ」っていう絵面のせいで、ふと我に返るとシュールすぎて笑えてしまう。世界観がハードなだけに、ビジュアルのギャップが私にはノイズだった。
  • 物語のテンポが早すぎて、キャラの感情の動きや関係性の変化に心がついていけなかった。いきなり刺した相手と共闘したり、変態的な新キャラが次々出てきたり、もう少し落ち着いて物語に浸らせてほしかったのが本音。
  • 三田が自分の体がどんどん老人化していくことに怯える悲壮感が強すぎて、読んでいて息苦しくなった。少年らしい明るい成長物語を期待していた僕からすると、精神的な削り合いが多すぎて読後にドッと疲れが残る。

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