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レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:

火の鳥 の感想と評価(良いところ、悪いところ)

火の鳥

著者: 手塚治虫

連載: COM/漫画少年

ジャンル: ヒューマンドラマ歴史SF

評価: 9.4/10

あらすじ

その血を飲めば永遠の命が手に入る。伝説の不死鳥をめぐって、人はどの時代でも殺し合い、奪い合う。物語は日本の国が生まれる頃から始まり、次は人類が滅んだ遥か未来へ飛ぶ。過去と未来を交互に行き来しながら、少しずつ現代へ近づいていく円環の構成をとる。永遠の命は救いではなく、終わらない孤独と苦しみを連れてくる。命は宇宙をめぐり、また誰かとして生まれ直す。作者の逝去により現代編は描かれず未完のまま残されたが、生と死、人の業、文明の栄枯を問い続ける歩みは今も古びない。生きるとは何かを何度も読者に突き返してくる、手塚治虫のライフワーク!

読む前に確認したい相性

向いている人

  • 生きる意味や死について、答えの出ない問いを抱えたまま長く考え続けることを楽しめる人
  • 一つの物語が過去と未来を往復する、時空をまたぐ壮大な構想にじっくり浸ってみたい人
  • 絵柄に古さがあっても、人の業を描ききる筆致があるなら時代を越えて夢中になっていける人

向いていない人

  • 善人がきちんと報われる結末や、わかりやすい救いのある物語をなによりも強く求めている人
  • 生き埋めや流血といったむごたらしい描写が苦手で、読み進めること自体がつらくなる人
  • 最後まできれいに幕が下りる物語を望み、未完のまま残されたシリーズに納得できない人

良い感想・レビュー

  • 読み終えると、自分もこの長い流れの一部なのだなという不思議な感覚が残った。無理に背伸びしなくていい、今を自分なりに精一杯やろうと久しぶりに素直に思えた。
  • 答えを一度も出さないまま、あなたはどう思うと突き返してくる。永遠の命は幸せなのか、人はなぜ争うのか。読み終えたあとも問いだけが自分のなかに残り続ける。
  • 命がどう受け継がれ、めぐっていくのか。極大の世界から細胞の大きさまで見せられて、人生観そのものを揺さぶられた。どの話から読んでも強い衝撃がある。
  • 輪廻や仏教の考えが下敷きにあるのに説教くさくない。物語として引き込まれ、読み終えると言葉にしづらい虚無感に包まれる。信心のない私の死生観まで変わった。
  • 容赦なく奪い、殺し、絶望のうちに死んでいく人を描き切った、その果てに置かれた生命への讃歌。漫画の形を借りた文学作品だと、読み返すたびに改めて感じている。

悪い感想・レビュー

  • シリアスな殺し合いの最中に唐突なギャグやメタ発言が挟まると、一気に現実へ引き戻されてしまう。世界観に浸りきれない場面が何度もあり、そこは残念だった。
  • 絵柄の古さとテンポの独特さに、どうしても馴染めない。実験的なコマ割りや抽象的な場面も多く、何を描きたいのか初めて読む側にはなかなかつかみにくい。
  • 善人だろうと容赦なく無残に死んでいく。底冷えするようなニヒリズムが前に出すぎていて、読み終えたあとの後味がとにかく悪く、しばらく引きずってしまった。
  • 子どものころに読んでむごたらしい描写がそのままトラウマになった。生き埋めや皮を剥がれる場面が生々しく、今でも思い出すと気分が悪い。気軽には勧められない。
  • 長い話の割に盛り上がりに欠ける編もある。後半ほど心変わりが唐突で、あらすじを説明されるような展開が増え、よく分からないまま終わるという感想だけが残った。

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