レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
スノウボールアース の感想と評価(良いところ、悪いところ)
スノウボールアース
著者: 辻次夕日郎
連載: 月刊!スピリッツ
ジャンル: バトル・アクション/サバイバル・ディストピア/ロボット・メカ/SF
評価: 7.8/10
あらすじ
幼い頃から巨大ロボ・ユキオと組み、銀河怪獣を倒し続けてきた救世主、流鏑馬鉄男。けれど本人は、人と目を合わせるのもひと苦労の重度の人見知りだった。最終決戦で大破したユキオに脱出ポッドへ押し込まれ、10年ぶりに帰った地球は、雪と氷にとざされた凍結の星になっていた。「友達をたくさん作る」という相棒との約束を胸に、鉄男は荒れ野で生き残りを探す。怪獣使いの女性・乃木蒼に拾われ、人々が身を寄せるミシマ・モールにたどり着くが、迫ってくるのは怪獣だけではなかった。口べたな鉄男がぎこちなく言葉をかけ、少しずつ仲間と打ち解けていく姿に、つい声援を送りたくなる。人間同士のぶつかり合いまで待ち受ける凍った世界で、鉄男はユキオとの約束を果たせるのか。人見知りの救世主が仲間と挑む、凍りついた地球の奪還戦!
読む前に確認したい相性
向いている人
- 不器用な主人公が人と関わりながら少しずつ変わっていく成長物語をじっくり味わいたい人
- 人間くさいAIロボと少年の友情に弱く、相棒との絆が物語を引っぱっていく作品が好きな人
- 怪獣がはびこり文明が滅んだ凍った地球を舞台に、謎が巻を追うごとに深まるSFを読みたい人
向いていない人
- テンポよく話が進む展開を求めていて、主人公のもたつく会話にじれったさを感じやすい人
- ロボと怪獣の派手なバトルを中心に楽しみたくて、人間同士の争いが長く続く展開が苦手な人
- シリアスなSFには筋の通ったリアルさや理屈を求め、ご都合主義の逆転が続くと冷めてしまう人
良い感想・レビュー
- 英雄なのに口べたで、それでも素直でやさしい鉄男を、つい応援したくなります。ユキオと二人きりで戦っていた彼が、生き残った人たちとみんなで戦うことを覚えていく流れが胸に熱く響きました。
- はじめはただ「救世主」でしかなかった鉄男が、人と関わるうちに自分というものを持ちはじめる。戦うだけの存在が少しずつ人間らしくなる変化がよく伝わるし、人型怪獣をめぐる謎の解明が進むので先が楽しみだ。
- 怪獣とロボの漫画と思いきや、ロボの出番はかなり控えめ。話は重めですが、鉄男の成長がていねいに描かれ、AIのユキオが優しくて人間くさい相棒なのがとても好きです。長く続いてほしい作品です。
- まず作画がすごい。怪獣ものと雪の終末ものを混ぜた話かと思っていたら、キャラの持ち味がすぐ伝わるテンポのいい話だった。こんな作品を今まで知らなかった自分を叱りたい。
- 序盤は鉄男の性格にとっつきにくさを感じましたが、幼い頃からの境遇を回想で見せてくれるので、自然と彼の味方をしたい気持ちになりました。雪がとけるようにじわじわ熱くなる展開に引き込まれます。
悪い感想・レビュー
- 凍った地球という設定は面白いのに、それを生かしきれていない印象です。主人公の人見知りに引きずられて話の展開が遅く、壮大なSFと「友達作り」のちぐはぐさが最後まで拭えませんでした。
- 怪獣と戦っているうちはよかったのに、怪獣退治から人間同士の争いに移ったところで一気に冷めてしまった。極度の人見知りという設定も、物語の強みとして生きている感じは薄い。
- 友達作りの項目が777もあるのには首をかしげた。主人公の言動が極端で、ユキオとどっちがロボかわからないし、集落の人たちは足を引っぱってばかり。「はい、感動でしょ」と押しつけられる感じが鼻につく。
- ところどころ引っかかる場面があります。高いところから落ちても主人公は無傷で、頑丈すぎる体にまるで理由づけがないのが気になります。全部に理屈はいらなくても、せめて表向きの納得感はほしかったです。
- 絶体絶命のピンチで助けが入っての大逆転は、たしかに気分が上がる。でも同じ逆転のパターンが何度も繰り返されると、さすがにご都合主義が過ぎる気がしてくるなあ。
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