レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
夕空のクライフイズム の感想と評価(良いところ、悪いところ)
夕空のクライフイズム
マークダウンで表示著者: 手原和憲
連載: ビッグコミックスピリッツ
評価: 8/10
あらすじ
毎年いいところまでは進むのに、あと一歩で頂点に届かない私立木登学園サッカー部。ドリブルを武器にする2年生FW・今中一輝は、勝利至上主義の前監督のもとでベンチを温め続けていた。3年生が引退し、新たに就任したのはヨハン・クライフに心酔する雨宮監督。「美しいサッカーをして美しく散ろう」という前監督とは真逆の方針を掲げ、サッカー戦術オタクの娘・雨もテクニカルコーチとして加わる。選手たちは戸惑いながらもトータルフットボールに挑み、県央杯の決勝まで勝ち進む。結果は惜敗だが、クライフイズムに染まった新チームが次の舞台へ歩み出すサッカー漫画!
良い所
- クライフに傾倒する新監督のもとで少しずつ変わるチームが面白い。ヨーロッパサッカーを観ている人ならクスッとくるディープな小ネタや専門用語が満載で、マニアほど楽しめるスルメ作品です。
- 美しく散るサッカーを掲げる監督に振り回されつつ、選手が自分のスタイルを見つける過程が熱い。頼りなく見える今中の勝負強さやドリブル特化の戦い方にワクワクします。コミカルで読みやすい。
- 試合の緊張感と、普段の男子高校生らしいくだらないやり取りのギャップが良くて、最後まで一気に読みました。コメディとシリアスの配分もよくて、するすると読み終えてしまいました。
- サッカーには不調法でクライフも名前しか知らなかったけれど、なかなか勉強になりました。ヒーローではない等身大のキャラが好きで、作者のサッカー愛がにじみ出てくる一冊です。
- 勝利至上主義一辺倒のスポーツ界に一石を投じるテーマが斬新。戸惑っていた部員たちがだんだんサッカー本来の楽しさに引き込まれていくのが気持ちよくて、ただ勝つだけじゃない形の漫画です。
悪い所
- サッカーの歴史や有名な戦術、世界の名選手を知らないと置いていかれる場面が多い。戦術オタク向けとしては素晴らしいけれど、初心者には敷居が高く面白さが伝わりにくいかもしれません。
- 最後は急ぎ足でまとめた印象。県央杯決勝が盛り上がってこれからという所で終わり、伏線が未回収のまま完結したのが残念。もっと公式戦での活躍を長く描いてほしかったです。
- サッカーは攻撃でしょ、という極端なスタンスは変わっていて面白かった。ただ人気がなかったのか、打ち切りっぽい終わり方になってしまったのが惜しいと感じました。
- 戦術論や過去のレジェンドのエピソードにページが割かれすぎている気がします。試合展開やキャラ同士のドラマを期待すると、説明過多でテンポが悪く感じる場面がありました。
- 紅白戦や練習試合の描写に多くの話数を使っていて、公式戦に向けた本格的なストーリーがなかなか進まない。全体的に腰が重く、途中で少し飽きてしまいました。
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