10巻以上のスパイ・諜報戦・潜入捜査漫画おすすめ13選
名前を偽り、顔を変え、身分ごと別人になりすます。スパイものの面白さは、正体が割れれば即座に命が危ういという緊張の上で、腹の探り合いと駆け引きが続くところにあります。
国家をまたぐ冷たい諜報戦もあれば、警官が裏社会へ潜り込む捜査劇もある。偽の家族を作る話や、スパイの技を学校で習う話まで、同じ棚に並ぶのが不思議なほど手触りが違います。
今回は10巻以上まとまって読める13本を選びました。気になった一作から手に取ってみてください。
時間がない人向け結論:おすすめTOP3
正体を隠したまま、誰よりも互いを思いやってしまう偽物の家族。
- 2位:アンダーニンジャ連載中
光学迷彩のスーツやレーザー刀が飛び交う、理屈の通った戦闘に痺れます。
次から次へと裏切り者が現れ、誰を信じていいのか分からなくなるスリルが続きます。
選び方のポイント
1. 本格の諜報劇か、笑いの多い一作か
同じスパイものでも、張りつめた空気が最後まで続く作品と、笑いのほうが前に出る作品では読み心地がまるで違います。緊張感がほしいなら『平和の国の島崎へ』や『陸上自衛隊特務諜報機関 別班の犬』。肩の力を抜いて読みたいなら『SPY×FAMILY』や『Mr.Clice』あたりが合います。硬い題材を笑いでくるんだ『エロイカより愛をこめて』のような中間もあるので、気分に合わせて選べます。
2. 潜入捜査ものか、国家をまたぐ諜報戦か
誰の側に立って読むかで選ぶ手もあります。『土竜の唄』『マトリと狂犬 ―路地裏の男達―』は、身分を偽って裏社会の内側へ入っていく潜入捜査もの。正体が割れる恐怖が物語の芯になります。一方の『MASTERキートン』『ヨルムンガンド』『アンダーニンジャ』は、国や組織どうしがぶつかる大きな盤面を描きます。ひとりの綱渡りを味わうか、駒が動く盤ごと眺めるか、という違いです。
3. 完結済みで選ぶか、連載中を追いかけるか
10巻以上ある作品はどれも読み応えがありますが、結末まで一息に読めるかどうかは気になるところ。『MASTERキートン』『ヨルムンガンド』『BLOODY MONDAY』『エロイカより愛をこめて』『君は008』『Mr.Clice』『マトリと狂犬 ―路地裏の男達―』はすでに完結しています。連載中の作品は、続きを待つ時間ごと楽しめる人向けです。
全13作品の比較表
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| 順位 | 作品名 | ジャンル | 完結状況 | 評価 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 日常/ホームドラマ/コメディ/アクション | 連載中 | 9.5/10 | 正体を隠したまま、誰よりも互いを思いやってしまう偽物の家族。 | 正体を隠し合いながらも誰より互いを思いやる、偽の家族の絆にほっこりしたい人。アクションとコメディが同じ話に同居するテンポのよさを楽しみたい人。脇役まで立った掛け合いで笑顔になりたい人にも向きます。 | |
| 2 | アンダーニンジャ | SF/アクション/サスペンス/忍者 | 連載中 | 9/10 | 光学迷彩のスーツやレーザー刀が飛び交う、理屈の通った戦闘に痺れます。 | 何気ない会話劇からじわじわ滲む奇妙な可笑しさを、腰を据えて味わえる人。現代の科学技術と古来の暗殺術が噛み合うミリタリーSFの説得力に痺れたい人。張り巡らされた伏線が一点へ収束する瞬間を、じっと待てる人にも向きます。 |
| 3 | BLOODY MONDAY | ドラマ/アクション/サスペンス | 完結 | 8.6/10 | 次から次へと裏切り者が現れ、誰を信じていいのか分からなくなるスリルが続きます。 | 裏切り者が次々と明らかになる運びで、誰が信頼できるのか分からないスリルを楽しみたい人。ハッキングという地味な作業を、視覚的にかっこいい頭脳バトルとして描く迫力を体感したい人にぴったりです。 |
| 4 | 陸上自衛隊特務諜報機関 別班の犬 | ミリタリー/スパイ/アクション/サスペンス | 連載中 | 8.4/10 | スパイ防止法を持たない国を陰から守る超法規的な機関。 | 日本の安全保障や超法規的な機関という題材に、知的好奇心を刺激されたい人。生々しいガンアクションの作画で読みたい人。冷徹な主人公と狂犬の相棒のあいだに独特の絆が芽生えていくバディものを探している人にも向きます。 |
| 5 | 土竜の唄 | 青年漫画/ヤクザ・任侠/コメディ | 連載中 | 8.5/10 | 警官が極道に潜り込むという筋書きなのに、玲二がアホでスケベで熱いせいで腹を抱えて笑ってしまいます。 | 潜入もののひりついた緊張感と、大真面目にやるバカ騒ぎが同じ話に同居する読み心地を面白がれる人。裏社会のただ中で結ばれていく男同士の信頼にぐっとくる人。長い物語を腰を据えて追いながら、破天荒な強運に何度でも笑わされたい人にも向きます。 |
| 6 | マトリと狂犬 ―路地裏の男達― | 裏社会・アングラ/クライムアクション/サスペンス | 完結 | 7.9/10 | 出てくる誰もが自分なりの理屈で動いていて、どちらが正しいと簡単には決められません。 | 立場の違う人間がそれぞれの理屈でぶつかる話が好きで、善悪を簡単に分けない描き方に惹かれる人。取り締まる側どうしが手柄を奪い合う、組織の裏側まで踏み込んだ犯罪ものを読みたい人。夜の路地裏の湿り気まで伝わる潜入ものを探している人にも向きます。 |
| 7 | 平和の国の島崎へ | ドラマ/アクション/サスペンス | 連載中 | 9.1/10 | 暴力のプロが、コンビニや近所付き合いといった些細なことに不器用に向き合う姿が丁寧に描かれます。 | 穏やかな日常の静けさと、暴力が一瞬で爆発する瞬間の落差に迫力を求めている人。台詞に頼らない繊細な心理描写と、一コマずつに宿る説得力が支える重い読み味を好む人。平和の尊さと難しさを静かに考えたい人にもよく合います。 |
| 8 | MASTERキートン | ミステリー/アドベンチャー/歴史/サスペンス | 完結 | 9/10 | 考古学のロマンと冷戦期の国際サスペンスが噛み合い、一話ごとの完成度が映画のように高いです。 | 元SAS隊員が保険調査員として世界を飛び回る、知的でハードボイルドな国際サスペンスが好きな人。歴史や文化や考古学の知識が物語に自然と組み込まれた作品を読みたい人。体力より頭脳で格上を倒す主人公を追いたい人にもぴったりです。 |
| 9 | ヨルムンガンド | ガンアクション/ミリタリー/アクション | 完結 | 8.6/10 | 銃撃戦と知恵比べが交互に来るので休む暇がありません。 | 銃撃戦と頭脳戦が休みなく交互に押し寄せる緊張感に、どっぷり浸かりたい人。戦う面々の一人一人に背負った過去がある、群像劇として読める戦場ものを探している人。武器や軍事から政治や株の話まで飛び出す重厚な物語をじっくり読みたい人にも向きます。 |
| 10 | 夜桜さんちの大作戦 | 少年漫画/スパイ/バトル | 連載中 | 8/10 | 初めてのことばかりで怖かったはずなのに、六美のために踏ん張る太陽に惚れます。 | 人見知りで気弱だった主人公が少しずつ強くなっていく道のりを、じっくり追いかけたい人。家族まるごとで敵に立ち向かう賑やかな話が好きで、性格も戦い方もばらばらな面々を見比べたい人。笑いと涙が代わるがわる押し寄せる展開を、テンポよく読みたい人にも向きます。 |
| 11 | エロイカより愛をこめて | 少女漫画/スパイ・アクション/コメディ | 完結 | 9/10 | 仕事しか頭にない情報将校に、美しいものしか目に入らない泥棒が横から絡んできます。 | 冷戦時代のヨーロッパを舞台にした腹の探り合いと、国境をまたぐ追跡劇にどっぷり浸かってみたい人。戦車や諜報機関が出てくる硬派な題材を、あちこちにまぶされた笑いごと楽しみたい人。正反対な男たちの噛み合わない掛け合いを、何十巻でも眺めていたい人にも向きます。 |
| 12 | 君は008 | 少年漫画/スパイ・アクション/学園 | 完結 | 7.8/10 | 孤島でのサバイバル訓練の作り込みに唸ります。 | 特別な才能を持たない主人公が、その場の発想と引かない度胸だけで格上を出し抜く展開に燃える人。訓練や試験の課題そのものが、解き方を一緒に考えたくなる謎として作られた作品を探している人。まっすぐすぎるほど正面から進む主人公を応援できる人にもぴったりです。 |
| 13 | Mr.Clice | スパイアクション/ギャグ・コメディ | 完結 | 7.8/10 | 中身は歴戦の男、外見は絶世の美女。 | 銃やメカの細かい描き込みを眺めながら、肩の力を抜いて笑えるスパイものを探している人。中身は男のまま外見だけ美女という食い違いから生まれる、ちぐはぐな会話を楽しめる人。短い任務の積み重ねでテンポよく読み進めたい人にも向きます。 |
SPY×FAMILY
スパイの父、殺し屋の母、超能力者の娘。正体を隠した仮初め家族のホームコメディ!
この特集で選んだ理由
任務の中身より、任務のために作った家庭のほうを主役に据えた唯一の作品。硬い諜報劇へ入る前の一歩目として選びました。
- 作者
- 遠藤達哉
- 掲載誌
- 少年ジャンプ+
- ジャンル
- 日常/ホームドラマ/コメディ/アクション
- 完結
- 連載中
- 評価
- 9.5/10
良い点
正体を隠したまま、誰よりも互いを思いやってしまう偽物の家族。その不器用な温かさに泣かされます。心を読めるアーニャが変顔を連発しながら秘密を守ろうと奮闘する可笑しさ、ヨルが見せるキレのある殺陣のかっこよさ。それが同じ巻に平気で同居します。ダミアンやフィオナまで脇役が立っていて、笑いと緊迫の切り替えも小気味よく決まります。
気になる点
世界平和に向けた任務そのものはなかなか進まず、何十話も動かない時期があります。学校でのドタバタ、家事の失敗。似た形の笑いが繰り返されるので、巻を重ねるとマンネリを感じるかもしれません。優秀なはずのロイドがヨルの怪力にいつまでも気づかない運びも、都合がよすぎると冷めてしまう人がいるはずです。
こんな人におすすめ
正体を隠し合いながらも誰より互いを思いやる、偽の家族の絆にほっこりしたい人。アクションとコメディが同じ話に同居するテンポのよさを楽しみたい人。脇役まで立った掛け合いで笑顔になりたい人にも向きます。
こんな人には不向き
本筋がぐいぐい進んで大きく展開することを最優先に求める人には物足りません。似た形のコメディの繰り返しをマンネリだと感じやすい人、登場人物が互いの秘密に早く気づくリアル寄りの運びを望む人も、途中で止まりやすいはずです。
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アンダーニンジャ
ニートの忍者がハイテク兵器で国を守る!?ゆるい日常と冷徹な暗殺が交錯するアクション!
この特集で選んだ理由
諜報戦を忍者という切り口から描いた一本。解体されたはずの忍者が二十万人の秘密組織として国家の暗部に潜んでいるという設定は、このリストでも飛び抜けて奇妙です。

- 作者
- 花沢健吾
- 掲載誌
- 週刊ヤングマガジン
- ジャンル
- SF/アクション/サスペンス/忍者
- 完結
- 連載中
- 評価
- 9/10
良い点
光学迷彩のスーツやレーザー刀が飛び交う、理屈の通った戦闘に痺れます。ボロアパートでの噛み合わない雑談がやたらと可笑しく、その脱力した空気があるからこそ突然訪れる暗殺の冷たさが際立ちます。主要人物でも容赦なく退場していくので先がまったく読めません。小さな違和感が後からすべて繋がっていく運びも快感です。
気になる点
どうでもいい雑談が長く、最初の数巻は本筋がほとんど動きません。四肢が飛ぶ描写や下ネタ寄りの忍者道具は、生理的に受けつけない人もいるはずです。抗争が本格化してからは新しい顔ぶれと専門用語が一度に増えて関係を掴みづらく、笑いと殺し合いの温度差に気持ちの置き場を失う場面もあります。
こんな人におすすめ
何気ない会話劇からじわじわ滲む奇妙な可笑しさを、腰を据えて味わえる人。現代の科学技術と古来の暗殺術が噛み合うミリタリーSFの説得力に痺れたい人。張り巡らされた伏線が一点へ収束する瞬間を、じっと待てる人にも向きます。
こんな人には不向き
脱力した笑いの直後に凄惨な展開が来る落差で、心を乱されてしまう人には向きません。専門用語と新しい顔ぶれが次々増える群像劇に根気が続かない人、感情を表に出さない主人公に肩入れしづらい人も離れやすいはずです。
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BLOODY MONDAY
完結天才高校生ハッカー・ファルコンが、日本を滅ぼすウイルステロに挑む!誰を信じるべきか分からない極限の疑心暗鬼と、スリリングな頭脳戦が連続するサイバーサスペンスの金字塔。
この特集で選んだ理由
潜入も変装も使わず、キーボード一枚で国家規模のテロと渡り合う異色枠。主役が現役の高校生という点も、この13本では飛び抜けています。

- 作者
- 恵広史/龍門諒
- 掲載誌
- 週刊少年マガジン
- ジャンル
- ドラマ/アクション/サスペンス
- 完結
- 完結
- 評価
- 8.6/10
良い点
次から次へと裏切り者が現れ、誰を信じていいのか分からなくなるスリルが続きます。キーボードを叩くだけの地味な作業を、ここまでかっこいい頭脳バトルとして見せてくれるのは貴重です。ウイルスが広がっていく描写も生々しく、タイムリミットが迫る第一部の攻防では読んでいるこちらまで呼吸が浅くなります。
気になる点
実は裏切り者だった、実は生きていた。この手が繰り返されるので、中盤からは展開が読めて食傷気味になります。ハッキングの技術描写には専門知識がある人ほど引っかかる部分があり、巻が進むにつれて敵の規模も膨らみすぎます。伏線の回収が強引で、動機が後付けに見える箇所も残りました。
こんな人におすすめ
裏切り者が次々と明らかになる運びで、誰が信頼できるのか分からないスリルを楽しみたい人。ハッキングという地味な作業を、視覚的にかっこいい頭脳バトルとして描く迫力を体感したい人にぴったりです。
こんな人には不向き
裏切りや生死の逆転が頻繁すぎて、中盤以降に「どうせまた」という免疫が生まれやすい人には向きません。技術描写に専門知識があり、フィクションらしい誇張に冷めやすい人も引っかかりやすいはずです。
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陸上自衛隊特務諜報機関 別班の犬
法も名を捨てた自衛隊特務スパイ機関「別班」のナナが、日本を脅かす闇の脅威を狩る隠密アクション!
この特集で選んだ理由
国際舞台の作品が並ぶなかで、日本そのものを戦場に据えた一本。他国の工作員やサイバーテロという足元の脅威を、自衛隊の側から描いているのが選んだ理由です。

- 作者
- 久慈進之介
- 掲載誌
- コミックDAYS/イブニング
- ジャンル
- ミリタリー/スパイ/アクション/サスペンス
- 完結
- 連載中
- 評価
- 8.4/10
良い点
スパイ防止法を持たない国を陰から守る超法規的な機関。この設定そのものが不気味で、知的好奇心を刺激されます。自衛隊の装備やCQC、生々しい銃撃の作画は迫力たっぷりです。感情を見せずに任務をこなすナナの強さと、狂犬のような相棒ハチとの距離が少しずつ縮まっていくバディの空気もたまりません。
気になる点
実写写真や3Dモデルのトレース背景が浮いて見え、人物の動きが硬く感じられる場面があります。任務優先で冷酷すぎるため気持ちを寄せづらく、窮地もナナの超人的な戦闘能力で片づくので予定調和に映ることも。残虐な描写が多く、掲載誌の移籍でシリーズを追いづらいのも難点です。
こんな人におすすめ
日本の安全保障や超法規的な機関という題材に、知的好奇心を刺激されたい人。生々しいガンアクションの作画で読みたい人。冷徹な主人公と狂犬の相棒のあいだに独特の絆が芽生えていくバディものを探している人にも向きます。
こんな人には不向き
温かい人情ドラマや情緒的な描写を好む人には、全体が非情すぎて寂しく映ります。主人公の並外れた強さで窮地が片づく運びを予定調和だと感じる人、救いのない凄惨な事件が続くと気が滅入ってしまう人にも合いません。
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土竜の唄
懲戒免職を装って極道に潜り込んだ警官が、笑いと修羅場のなかで兄弟の絆に揺れる潜入捜査劇
この特集で選んだ理由
潜入捜査ものの代表格でありながら、笑いの振り幅はリスト随一。身分を偽った警官が標的であるはずの若頭と兄弟の契りまで結んでしまう情の濃さで、他とは一線を画します。

- 作者
- 高橋のぼる
- 掲載誌
- 週刊ビッグコミックスピリッツ
- ジャンル
- 青年漫画/ヤクザ・任侠/コメディ
- 完結
- 連載中
- 評価
- 8.5/10
良い点
警官が極道に潜り込むという筋書きなのに、玲二がアホでスケベで熱いせいで腹を抱えて笑ってしまいます。それでいてパピヨンとの兄弟の情は本気で格好よく、命のやり取りのさなかにクスッと笑える場面が挟まります。拷問や抗争の重さすら強運と根性で押し切ってしまうので、乗り越えたときの爽快さが残ります。
気になる点
殺し屋との戦いが延々と続くわりに、標的はなかなか捕まりません。百巻近い長さのなかで、似たピンチとギャグの繰り返しに見える巻も出てきます。デフォルメの濃い絵柄と下ネタ、過激な性描写は好みがはっきり分かれるところです。三人でクラゲに乗るあたりは、もう完全にファンタジーです。
こんな人におすすめ
潜入もののひりついた緊張感と、大真面目にやるバカ騒ぎが同じ話に同居する読み心地を面白がれる人。裏社会のただ中で結ばれていく男同士の信頼にぐっとくる人。長い物語を腰を据えて追いながら、破天荒な強運に何度でも笑わされたい人にも向きます。
こんな人には不向き
デフォルメの濃い絵柄や下ネタまじりの過激な描写が挟まると、読む気が失せてしまう人には向きません。潜入捜査に現実味のある緊張感と地に足のついた駆け引きを何より求める人、似た形のピンチが長く繰り返される流れを退屈に感じる人も同じです。
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マトリと狂犬 ―路地裏の男達―
完結借金を抱えた元子役が、麻薬取締官と刑事の双方から二重スパイを強いられる潜入サスペンス。
この特集で選んだ理由
国にも組織にも属さない、借金を抱えた元子役が二重スパイを強いられる話。望んで潜ったわけではない当事者の目線という点で、13本のなかで最も足元が不安定だから選びました。

- 作者
- 田島隆/マサシ
- 掲載誌
- ヤングチャンピオン
- ジャンル
- 裏社会・アングラ/クライムアクション/サスペンス
- 完結
- 完結
- 評価
- 7.9/10
良い点
出てくる誰もが自分なりの理屈で動いていて、どちらが正しいと簡単には決められません。麻薬取締官と警察が張り合った末に犯人を取り逃す、取り締まる側どうしのこじれ方が新鮮です。令状があれば膀胱から直接尿を採れるといった捜査の手続きまで教えてくれますし、主人公のどこか抜けた調子が重苦しさを和らげてくれます。
気になる点
隠語が説明なしで飛び交い、注釈は話の終わりまで出てきません。意味を掴めないまま読む時間がとにかく長いです。拷問の回は痛めつける場面が正面から描かれるので、飛ばし読みしたくなります。主人公以外はレギュラーと言い切れない顔ぶれで、これは誰の話なのか分からなくなる時期もありました。
こんな人におすすめ
立場の違う人間がそれぞれの理屈でぶつかる話が好きで、善悪を簡単に分けない描き方に惹かれる人。取り締まる側どうしが手柄を奪い合う、組織の裏側まで踏み込んだ犯罪ものを読みたい人。夜の路地裏の湿り気まで伝わる潜入ものを探している人にも向きます。
こんな人には不向き
筋が面白くても、痛めつける場面を正面から描く展開が続くとつらくなる人には向きません。隠語や専門用語が説明なしで飛び交う台詞回しで集中が切れてしまう人、後ろ暗い人物ばかり並ぶ話に疲れてしまう人も避けたほうが無難です。
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平和の国の島崎へ
元・戦闘工作員の島崎が求めたのは、日本での『普通の暮らし』だった。圧倒的暴力のプロが、平和な国の日常に溶け込もうと奮闘する、緊張感溢れる日常サスペンス。
この特集で選んだ理由
任務に出ていく物語ではなく、工作員をやめた男が日本で暮らそうとする物語。戦いのあとをどう生きるかに焦点を当てているという一点で、13本のなかでひとつだけ立ち位置が違います。

- 作者
- 濱田轟天/瀬下猛
- 掲載誌
- モーニング
- ジャンル
- ドラマ/アクション/サスペンス
- 完結
- 連載中
- 評価
- 9.1/10
良い点
暴力のプロが、コンビニや近所付き合いといった些細なことに不器用に向き合う姿が丁寧に描かれます。極限を生き抜いた男だからこそ持つ、当たり前の平和への敬い。それが伝わってきて胸が熱くなります。静かな日常と、戦闘が始まった瞬間の無慈悲な速さの落差には、思わず身構えるほどの迫力があります。
気になる点
背後に常に組織の影がつきまとうため、読んでいるあいだ重圧を感じる箇所が多くなります。過去は断片的にしか語られず、中盤まで置いていかれる時期もあります。アクションはプロらしく淡々としていて派手さがなく、日常回が続くと本筋の決着を早く見たい人には焦れったく映ります。
こんな人におすすめ
穏やかな日常の静けさと、暴力が一瞬で爆発する瞬間の落差に迫力を求めている人。台詞に頼らない繊細な心理描写と、一コマずつに宿る説得力が支える重い読み味を好む人。平和の尊さと難しさを静かに考えたい人にもよく合います。
こんな人には不向き
背後につきまとう暗い予感や重圧より、純粋な癒やしや爽快感を味わいたい人には向きません。劇的で派手な演出を好み、淡々としたアクションを物足りなく感じる人、本筋を早く先へ進めてほしい人にも合いません。
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MASTERキートン
完結元SASサバイバル教官の考古学者キートンが、世界中の歴史的難事件や陰謀をスマートに解決する知略サスペンス!
この特集で選んだ理由
冷戦末期のヨーロッパを舞台に、一話完結で読める国際サスペンス。銃弾ではなく生き延びる技術で切り抜ける主人公という点で、このリストの武闘派とは対極に置きました。

- 作者
- 浦沢直樹/勝鹿北星/長崎尚志
- 掲載誌
- ビッグコミックオリジナル
- ジャンル
- ミステリー/アドベンチャー/歴史/サスペンス
- 完結
- 完結
- 評価
- 9/10
良い点
考古学のロマンと冷戦期の国際サスペンスが噛み合い、一話ごとの完成度が映画のように高いです。普段はうだつの上がらない父親が、窮地では元SASのサバイバル技術で切り抜ける。このギャップに惚れます。石造りの街並みや砂漠の描き込みも美しく、事件の裏にある家族の情や人への愛情には何度も泣かされました。
気になる点
1980年代末から90年代初頭の連載なので、冷戦期の世界情勢や政治の話は予備知識がないと掴みづらくなります。一話完結ゆえに中盤からは解決のパターンも固まってきます。チョコレートや砂だけでプロの軍人を退けてしまう場面を現実離れしていると受け取る人もいますし、キートンの自己評価の低さや優柔不断さも、もどかしく映ります。
こんな人におすすめ
元SAS隊員が保険調査員として世界を飛び回る、知的でハードボイルドな国際サスペンスが好きな人。歴史や文化や考古学の知識が物語に自然と組み込まれた作品を読みたい人。体力より頭脳で格上を倒す主人公を追いたい人にもぴったりです。
こんな人には不向き
一話完結が基本のため、主人公の私生活にまつわる伏線がなかなか進まないともどかしく感じる人には向きません。地政学や欧州の社会背景の予備知識がないと細かい含みは伝わりにくく、爽快感の薄さを物足りなく思うアクション読者にも合いません。
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ヨルムンガンド
完結武器を憎む少年兵と、世界平和を口にする女武器商人。銃撃戦の果てに明かされる途方もない計画
この特集で選んだ理由
諜報機関に追われる側から戦場を眺める一本。国を守るのでも潜入するのでもなく、武器を売って世界を動かそうとする側に立っているのは、この13本ではここだけです。

- 作者
- 高橋慶太郎
- 掲載誌
- 月刊サンデージェネックス
- ジャンル
- ガンアクション/ミリタリー/アクション
- 完結
- 完結
- 評価
- 8.6/10
良い点
銃撃戦と知恵比べが交互に来るので休む暇がありません。白と黒のあいだのグレーを歩き続けるココの立ち姿が気持ちよく、どんな状況でも笑って指示を出し、責任は全部自分が持ちます。部隊の面々にもそれぞれ過去があって群像劇として読めますし、武器だけでなく軍事や政治や株まで飛び出す知識の詰まり方にも唸らされました。
気になる点
線が細くて薄く、主役の二人以外は顔の区別がつかないまま進みます。会話の文字量も多いので、読み進めるのに体力がいります。一度離れたヨナが戻ってくる理由は語られず、計画も動き出す手前で幕が下りるため消化不良が残りました。理屈のツメの甘さが引っかかって、破天荒な勢いが半分ほど削がれたと感じる人もいます。
こんな人におすすめ
銃撃戦と頭脳戦が休みなく交互に押し寄せる緊張感に、どっぷり浸かりたい人。戦う面々の一人一人に背負った過去がある、群像劇として読める戦場ものを探している人。武器や軍事から政治や株の話まで飛び出す重厚な物語をじっくり読みたい人にも向きます。
こんな人には不向き
台詞も専門用語もぎっしり詰まっていて、読み進めるのに体力がいる作品はしんどいと感じる人には向きません。登場人物に深く感情を寄せて読みたい人、決着まできっちり見届けたくて余白の多い終わり方だとすっきりしない人にも合いません。
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夜桜さんちの大作戦
人見知りの高校生が幼なじみを守るためスパイ一家に婿入りする、家族まるごとの戦い!
この特集で選んだ理由
スパイの技を家族まるごとで振るう少年漫画枠。組織へ潜り込むのではなく、一家に婿入りして輪の内側へ迎えられるところから始まるのが、他の12本との違いです。

- 作者
- 権平ひつじ
- 掲載誌
- 週刊少年ジャンプ
- ジャンル
- 少年漫画/スパイ/バトル
- 完結
- 連載中
- 評価
- 8/10
良い点
初めてのことばかりで怖かったはずなのに、六美のために踏ん張る太陽に惚れます。かっこよさとかわいさが同時に来る主人公です。夜桜家のきょうだいは能力も戦い方もばらばらで、その違いがそのまま人柄に出ています。笑えるところ、泣けるところ、胸が熱くなるところが順番にやってくる運びも心地よく、四男の掘り下げは特に刺さりました。
気になる点
主人公がわずか数話で強くなりすぎて、ふつうの高校生という設定はどこへ行ったのかと戸惑います。何でもスパイの一言で片づけるため世界の作りこみは薄いままです。おもしろい回とだるい回の落差も大きめです。長兄だけが強すぎて、ほかのきょうだいの見せ場が食われている印象も残ります。
こんな人におすすめ
人見知りで気弱だった主人公が少しずつ強くなっていく道のりを、じっくり追いかけたい人。家族まるごとで敵に立ち向かう賑やかな話が好きで、性格も戦い方もばらばらな面々を見比べたい人。笑いと涙が代わるがわる押し寄せる展開を、テンポよく読みたい人にも向きます。
こんな人には不向き
主人公が急に強くなる展開が苦手で、力をつけるまでの地道な積み上げを味わいたい人には向きません。世界の決まりごとや設定の細かい理屈まできっちり組まれた物語を求める人、話ごとのおもしろさのムラが気になってしまう人にも合いません。
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エロイカより愛をこめて
完結冷戦下のヨーロッパで、美術品泥棒と堅物の情報将校が追いつ追われつする諜報活劇。
この特集で選んだ理由
四十年分の冷戦ヨーロッパが一本の作品に収まっています。少女漫画の棚から出てきた諜報活劇という成り立ちも、13本のなかでここだけです。

- 作者
- 青池保子
- 掲載誌
- 別冊ビバプリンセス/月刊プリンセス/プリンセスGOLD
- ジャンル
- 少女漫画/スパイ・アクション/コメディ
- 完結
- 完結
- 評価
- 9/10
良い点
仕事しか頭にない情報将校に、美しいものしか目に入らない泥棒が横から絡んできます。そりの合わない二人の言い合いが、そのまま漫才として成り立っています。少女漫画の棚から取ったのに戦車が走り回り、原子力潜水艦まで浮上してきます。ボンからロンドン、砂漠の遺跡まで転々とする旅そのものが楽しく、街並みの描き込みにも隙がありません。
気になる点
出だしは古い少女漫画の匂いが残っていて、面白くなるまでにかなりの話数を我慢することになります。序盤で主役が入れ替わる路線変更もあります。絵柄は途中で別人のように太く重くなり、殴り合いの場面だけは最後まで動きが止まって見えます。女性への物言いが昭和の親父そのままで、今の感覚で読むと苦しいところも残ります。
こんな人におすすめ
冷戦時代のヨーロッパを舞台にした腹の探り合いと、国境をまたぐ追跡劇にどっぷり浸かってみたい人。戦車や諜報機関が出てくる硬派な題材を、あちこちにまぶされた笑いごと楽しみたい人。正反対な男たちの噛み合わない掛け合いを、何十巻でも眺めていたい人にも向きます。
こんな人には不向き
古びた絵柄や昔ふうの作風が続く序盤を、面白くなるまでの助走として割り切って読めない人には向きません。今の感覚では引っかかる女性の扱いが残る作品を避けたい人、速さのある戦闘や決まった格闘を漫画の第一に求める人にも合いません。
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君は008
完結高校全落ちの少年が入ったのはスパイ養成校。亡き父の死の真相を追う学園諜報アクション。
この特集で選んだ理由
スパイの技を学校で習うところから始まる養成もの。訓練や試験そのものが物語になっていて、すでに一人前の工作員が並ぶこのリストでは唯一の育ち盛りです。

- 作者
- 松江名俊
- 掲載誌
- 週刊少年サンデー
- ジャンル
- 少年漫画/スパイ・アクション/学園
- 完結
- 完結
- 評価
- 7.8/10
良い点
孤島でのサバイバル訓練の作り込みに唸ります。暗号が解けなくても生き延びる道を選べば合格になるという逃げ道まで用意されていて、ただの根性試しで終わりません。正義の二文字だけを頼りに前へ進む主人公はまぶしく、戦う力のない同級生が友達のために震えながら戻ってくる場面は格別でした。最終回の優しさも印象に残ります。
気になる点
話を引っ張る目標がぼやけていて、目の前の敵を倒した先に何が待つのか見えないまま巻が進みます。周りの濃い面々に押されて主役の影が薄くなる場面も多めです。情報を抜かれ放題なのに誰も慌てない運びや、刃を素手で握るような描写で気持ちが冷めてしまう人もいます。終盤の救出編も足踏みが長く感じました。
こんな人におすすめ
特別な才能を持たない主人公が、その場の発想と引かない度胸だけで格上を出し抜く展開に燃える人。訓練や試験の課題そのものが、解き方を一緒に考えたくなる謎として作られた作品を探している人。まっすぐすぎるほど正面から進む主人公を応援できる人にもぴったりです。
こんな人には不向き
いま何のために戦っているのかが常にはっきり示されていないと、読む気が失せてしまう人には向きません。周りのくせ者に主役が食われる構図が苦手な人、現実に置き換えると大怪我では済まない見せ場で気持ちが冷める人にも合いません。
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Mr.Clice
完結脳だけ美女の体に移された超A級スパイが、世界中で笑いと銃弾をまき散らす
この特集で選んだ理由
脳だけ別人の体に移されたスパイという、荒唐無稽さで抜きん出た一本。一話ごとに舞台も敵も変わる短い任務の積み重ねという作りも、長編が並ぶこのリストでは貴重です。

- 作者
- 秋本治
- 掲載誌
- ジャンプスクエア/月刊少年ジャンプ/ジャンプSQ.RISE
- ジャンル
- スパイアクション/ギャグ・コメディ
- 完結
- 完結
- 評価
- 7.8/10
良い点
中身は歴戦の男、外見は絶世の美女。この取り合わせだけで笑えます。任務のたびに壊した物の弁償で首が回らなくなる主人公という、出口のない造りも好みです。遠隔操作でF1を走らせるような題材を平然と任務に仕立ててきますし、銃や飛行機の描き込みは細かいです。作者の趣味がそのまま物語の燃料になっています。
気になる点
後半に入る超能力バトルは、生身で銃を握って切り抜ける面白さを薄めてしまいます。序盤のギャグ全振りな空気が好きだった人ほど、途中から差し込まれるシリアスな事件ものには乗り切れません。男の体に戻りたいという最初の願いを当人が口にしなくなる点、こち亀の両さんに見えてきてしまう点も引っかかりました。
こんな人におすすめ
銃やメカの細かい描き込みを眺めながら、肩の力を抜いて笑えるスパイものを探している人。中身は男のまま外見だけ美女という食い違いから生まれる、ちぐはぐな会話を楽しめる人。短い任務の積み重ねでテンポよく読み進めたい人にも向きます。
こんな人には不向き
超能力や近未来SFが入り込む展開を受けつけず、生身の肉体で戦うアクションだけを求めたい人には向きません。連載が長くなるほど絵柄や作風が変わることを許せない人、主人公が元の体に戻るという最初の目的へ話が進むのを見届けたい人にも合いません。
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目的別のおすすめ
よくある質問
スパイ漫画を初めて読むなら、どれから手に取るのがいいですか?+
『SPY×FAMILY』が入りやすいはずです。任務のために偽の家族を作るという設定で、アクションもコメディも詰まっています。少年漫画の手触りが好きなら『君は008』も読みやすい。スパイ養成校での訓練そのものが物語になっているので、専門用語で迷うこともありません。
重い話や残酷な描写が苦手でも読める作品はありますか?+
『Mr.Clice』は一話ごとに任務が変わるスパイアクションで、笑いのほうが前に出ています。『SPY×FAMILY』『夜桜さんちの大作戦』も同じように読みやすい一本。逆に『マトリと狂犬 ―路地裏の男達―』『陸上自衛隊特務諜報機関 別班の犬』『アンダーニンジャ』は、痛めつける場面や凄惨な描写が正面から描かれます。苦手な人は気をつけてください。
完結している作品だけ読みたいのですが、どれですか?+
『BLOODY MONDAY』『マトリと狂犬 ―路地裏の男達―』『MASTERキートン』『ヨルムンガンド』『エロイカより愛をこめて』『君は008』『Mr.Clice』の7作品が完結済みです。結末まで一息に読み切りたいなら、この7つから選んでみてください。
潜入捜査ものと国家間の諜報ものは、何が違いますか?+
潜入捜査ものは、身分を偽って組織の内側へ入り込む一人の恐怖が芯になります。『土竜の唄』『マトリと狂犬 ―路地裏の男達―』がこちら。国家間の諜報ものでは、組織どうしの駆け引きや盤面の大きさのほうが前に出ます。『MASTERキートン』『エロイカより愛をこめて』『陸上自衛隊特務諜報機関 別班の犬』がその系統です。
現実味のあるスパイ描写を求めるなら、どれがいいですか?+
『陸上自衛隊特務諜報機関 別班の犬』は自衛隊の装備や格闘術まで細かく描かれ、サイバーテロや拉致といった足元の脅威を扱います。『平和の国の島崎へ』は戦闘描写がプロらしく淡々としていて、派手さがない分だけ生々しさが残ります。ただし『MASTERキートン』のように、手近な物で罠を作る場面を現実離れしていると受け取る人もいます。
巻数の多い作品は、どこまで読めば乗れますか?+
作品によって助走の長さが違います。『エロイカより愛をこめて』は序盤に古い少女漫画の手触りが残り、面白くなるまで話数を重ねます。『アンダーニンジャ』も最初の数巻は雑談ばかりで本筋が動きません。逆に『BLOODY MONDAY』は第一部の完成度が高く、出だしから引き込まれます。
まとめ
顔を隠し、名前を捨て、本当の自分を誰にも見せないまま任務に就く。今回並べた13作品は、舞台も時代も笑いの量もばらばらですが、そこだけは共通しています。正体が割れた瞬間に終わるという緊張が物語の底に流れているから、日常の何気ない場面までひりついて見えてきます。
本格の諜報劇から笑い中心の一作まで揃えました。今の気分に近いものから手に取ってみてください。どれも10巻以上あるので、読み終わるまでにはしばらくかかります。