漫画よしあし10巻以上の長編漫画レビューサイト

平成の名作漫画おすすめ54選|今読んでも面白い長編漫画

編集: 漫画よしあし
公開日:更新日:

平成の名作漫画のなかから、今読んでも面白い長編を54作品選びました。対象は平成の30年間に描かれ、平成のうちに完結した10巻以上の作品です。

スポーツやバトル、少女漫画、ミステリー、静かな日常ものまで、ジャンルは幅広くそろえています。どれも最終巻まで出そろっているので、あの頃追いかけきれなかった作品も結末まで見届けられます。迷ったら、上から順に開いてみてください。

時間がない人向け結論:おすすめTOP3

  1. 必殺技に頼らず、素人が地道に積み上げていく成長が描かれるので、一戦ごとに気持ちが入ります。

  2. 全10巻のなかで展開が止まることはなく、命のもろさと強さを残酷かつ美しく描き切る筆に引き込まれる。

  3. 国の仕組みや人体錬成など、序盤に置かれた話がすべて終盤へつながっていく構成に驚かされます。

目次

選び方のポイント

  1. 1. 平成初期の少年漫画から選ぶ

    『SLAM DUNK』『幽遊白書』『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』など、平成初期の少年漫画はまっすぐな熱さが持ち味です。絵柄に時代を感じても、読むうちに気にならなくなる作品が多め。まずはこのあたりから手に取ると、平成の名作の手ざわりがつかみやすくなります。

  2. 2. 少女漫画は物語の大きさで選ぶ

    平成の少女漫画には、恋に加えて歴史や戦い、家族の傷まで描いた作品がそろっています。『天は赤い河のほとり』『BASARA』『フルーツバスケット』は、少女漫画をふだん読まない人でも物語の厚みで楽しめるはずです。甘いときめきを求めるなら、『花より男子』や『君に届け』が向いています。

  3. 3. 読後の明るさと重さで選ぶ

    名作と呼ばれる作品には、重い題材を正面から描いたものも多くあります。グロテスクな描写が苦手なら、『寄生獣』『HELLSING』『無限の住人』は少し覚悟がいります。疲れた日に読むなら、『ARIA(AQUA)』や『ヨコハマ買い出し紀行』のような静かな作品が合うと思います。

  4. 4. 長さとテンポで選ぶ

    『幽遊白書』のように19巻でまとまる作品もあれば、『NARUTO』や『MAJOR』のような大長編もあります。短めの作品で平成の空気をつかみ、気に入ったら長編へ進むのもひとつの手。各作品の情報はページ下部の比較表で確かめられます。

全54作品の比較表

横にスクロールすると他の項目も見られます

順位作品名ジャンル完結状況評価特徴向いている人
1SLAM DUNKSLAM DUNK少年漫画/バスケットボール/スポーツ/青春/学園完結9.8/10必殺技に頼らず、素人が地道に積み上げていく成長が描かれるので、一戦ごとに気持ちが入ります。派手な才能一発で勝つ話ではなく、素人が基礎をひとつずつ積み上げて強くなる過程をじっくり味わいたい人
2寄生獣寄生獣ホラー/SF/アクション完結9.8/10全10巻のなかで展開が止まることはなく、命のもろさと強さを残酷かつ美しく描き切る筆に引き込まれる。右手に宿った寄生生物と人間が共生しながら、生命の本質や人間とは何かを問い続けるSF漫画の傑作に向き合える人
3鋼の錬金術師鋼の錬金術師少年漫画/バトル・アクション/ダークファンタジー完結9.6/10国の仕組みや人体錬成など、序盤に置かれた話がすべて終盤へつながっていく構成に驚かされます。散らばった伏線が一本の線に交わる快感を味わいたい人
4DEATH NOTEDEATH NOTEミステリー/サスペンス/心理戦/ダークファンタジー完結9.3/10死神の力を手にした青年と、世界一の探偵がくり広げる頭脳と心理の読み合いが全編を引っぱる。頭脳戦のひりつく駆け引きを味わいたい人
5花より男子花より男子少女漫画/学園恋愛/ラブコメ完結9.4/10どん底に落とされても自分のプライドだけは売らない主人公の強さは、今読んでも色あせません。周りのプレッシャーにも臆せず根性と意地だけで立ち向かうヒロインの強さに痛快さを感じる人
6NARUTONARUTO少年漫画/バトル/アクション完結8.8/10孤独を知るからこその本当のやさしさが胸を打ち、敵にまで深い背景が用意されている。落ちこぼれだった主人公が努力で這い上がっていく、王道の成長物語に胸を熱くしたい人
7幽遊白書幽遊白書ファンタジー/バトル/アクション完結9.3/101話完結の人情話から始まり、中盤からかけひきの効いたバトルへと姿を変えていきます。ゆるい人情話から命懸けのバトルへ、物語ががらりと化けていく緩急を一気に味わいたい人
8MONSTERMONSTER青年漫画/ミステリー/サイコスリラー/サスペンス完結9.5/10天才外科医が救った少年は「怪物」だった、という始まりから、巧みな伏線でぐいぐい引っぱる本格サスペンスが続く。じっくり練り込まれた本格サスペンスを、腰を据えて読み込みたい人
9美少女戦士セーラームーン美少女戦士セーラームーンファンタジー/バトル・アクション/少女漫画/変身ヒロイン完結8.6/10線が美しく、敵まで美しく描かれた絵はじっくり眺めたくなるほどです。変身ヒロインたちが力を合わせて戦う物語に、子どもの頃アニメで夢中になった記憶がある人
10ヒカルの碁ヒカルの碁少年漫画/囲碁/ヒューマンドラマ/青春完結9.5/10平安の幽霊と出会った少年と、名家育ちのライバルが追って追われてをくり返す関係が熱い。囲碁のルールを一切知らなくても、盤に向かう打ち手の本気だけで最後まで引き込まれたい人
11蟲師蟲師ファンタジー/ドラマ/日常完結9.6/10退治するだけでなくともに生きる道を探す姿勢があり、自然と暮らすことに似た怖さと美しさがあります。山里や海辺を舞台にした、怖さと美しさが同居する静かな怪異譚を一話ずつじっくり味わいたい人
12フルーツバスケットフルーツバスケットファンタジー/恋愛/少女漫画/ヒューマンドラマ完結9.2/10変身の設定は入り口にすぎず、本当のテーマは大事な人とのあいだに生じる呪縛だ。登場人物一人ひとりの傷ついた過去にじっくり向き合う長い物語を、丁寧に追いかけたい人
13るろうに剣心―明治剣客浪漫譚―るろうに剣心―明治剣客浪漫譚―少年漫画/歴史/剣劇・時代劇/バトル完結9/10過去の罪をどう償うかという重い問いが芯にあり、大人になってから読むほうが胸にきます。斬らずに人を守る生き方に惹かれ、過去の罪とどう向き合うかを描く物語を味わいたい人
14のだめカンタービレのだめカンタービレ音楽/ヒューマンドラマ/青春/ラブコメ/女性漫画完結9.3/10腹を抱えて笑ったあとに温かさが残る読み心地で、終わり方も軽やかなまま胸を打つ。絵と文字だけのはずなのに、演奏の熱がそのまま押し寄せてくる感覚をじっくり味わいたい人
15うしおととらうしおととら少年漫画/伝奇アクション/ダークファンタジー完結9.3/10ばらばらに見えたエピソードが最終決戦に向けて一点へつながっていく構成にうならされます。長い旅で積み重ねた話が終盤で一気に一点へ収束するカタルシスをたっぷり味わいたい人
1620世紀少年20世紀少年ミステリー/SF/サスペンス完結8.8/10謎が謎を呼ぶ勢いのある展開で、怖いのに続きが気になってしかたない。今読んでもぞくっとくるリアルな怖さを味わいたい人
17ハチミツとクローバーハチミツとクローバー恋愛/青春/美術大学完結9.2/10やわらかな絵柄なのに、将来への漠然とした不安がやけにリアルに描かれます。恋愛だけでなく、才能や将来への不安といった人生の痛みまで描いた物語を、じっくり味わいたい人
18ドラゴンクエスト ダイの大冒険ドラゴンクエスト ダイの大冒険ファンタジー/バトル/冒険完結9.1/10勇者に憧れる少年が仲間と大魔王に挑む、勇者とは何かを問い続ける王道の物語だ。友情・努力・勝利の王道をまっすぐ味わいたい人
19GTOGTOギャグ/アクション/学園完結8.5/10やり方は乱暴でも、理屈を語らずに生徒を救っていく姿がただかっこいいです。難しい教育論やきれいごとより、常識をまとめてぶち壊す痛快さでとにかくスカッとしたい人
20天は赤い河のほとり天は赤い河のほとり少女漫画/歴史ファンタジー/タイムスリップ完結9.3/10守られるだけでなく、自分の足で苦難を切り開いていくヒロインが頼もしい。守られるだけでなく、自分の意志で運命を切り開く芯の強いヒロインの生き方に胸を熱くしたい人
21HELLSINGHELLSING青年漫画/ガンアクション/吸血鬼/ダークファンタジー完結9.5/10黒を多用した重厚な作画と大ゴマの演出で、理屈抜きに勢いと迫力で読ませるエンタメです。最強の吸血鬼が圧倒的なカリスマと狂気で敵を蹂躙するガンアクションに、血が滾る人
22H2H2少年漫画/高校野球/スポーツ/青春/ラブコメ完結8.8/10野球部すらない学校で、愛好会から始める立ち上げのわくわく感がたまらない。野球の熱さと淡い恋が半々で進む青春ものを、腰を据えて最初からじっくり味わいたい人
23からくりサーカスからくりサーカス少年漫画/バトル・アクション/ダークファンタジー完結9.3/10あちこちにまかれた伏線が一本につながる回収のカタルシスが強く、読み返すたびに発見があります。あちこちに散らばった謎が、最後に一本の線としてつながる快感をじっくり味わいたい人
24君に届け君に届け恋愛/少女漫画/青春/学園完結8.9/10悪い方へ考えて自滅しかけても、ひとつずつ言葉にしていく主人公を応援したくなる。まっすぐな言葉で気持ちを伝える話に弱く、恋も友情もじっくり描かれた学園ものを読みたい人
25昭和元禄落語心中昭和元禄落語心中落語/人間ドラマ/時代劇完結9.6/10正反対の芸を持つ二人の噺家が、お互いの才能を誰より認め合う関係に胸が震えます。落語を知らなくても、芸に人生を賭ける噺家たちの生き様と昭和の退廃美に引き込まれる人
26BLEACHBLEACHファンタジー/バトル/アクション/和風完結9.1/10構図のセンスと見せ方のうまさが際立ち、技名や決めゼリフのかっこよさに胸が躍る。刀や技の名前、決めゼリフに中二心をくすぐられるかっこよさを求めていて、見せ場の多いバトル漫画を探している人
27ヨコハマ買い出し紀行ヨコハマ買い出し紀行青年漫画/終末もの/日常/SF完結9.3/10人工的な物音が消えた静けさのなか、日が暮れていく風景がただ美しい作品です。静かに暮れていく風景と、のんびりとした空気がただ流れていく時間を味わいたい人
28MAJORMAJOR少年漫画/野球/スポーツ/青春完結9/10壊れた利き腕をあきらめ、反対の腕で投げ直す執念には鳥肌が立つ。故障や挫折が続いても何度でも立ち上がる主人公を見て、自分も前に進む元気をもらいたい人
29犬夜叉犬夜叉ファンタジー/少年漫画/バトル・アクション/恋愛/妖怪完結8.5/10妖しい戦国の景色と、先へ先へと引っぱっていく話の運びに引きこまれます。薄暗くて妖しい世界をめぐりながら、次の話へぐいぐい引っ張られる読み心地を求めている人
30四月は君の嘘四月は君の嘘音楽/少年漫画/ヒューマンドラマ/青春/ラブストーリー完結9.4/10漫画なのに絵から楽器の音が聞こえてくるような演奏シーンに引き込まれる。漫画なのに音楽の美しさと感情が溢れてくる演奏描写に、純粋に心を震わせたい人
31金色のガッシュ!!金色のガッシュ!!ファンタジー/少年漫画/バトル・アクション/コメディ完結9.4/10クスッと笑った直後に号泣させられる感情の揺れの大きさがあり、別れの場面は涙なしに読めません。ギャグで笑った直後に号泣させられるような、感情の振れ幅が大きい少年漫画を求めている人
32BASARABASARAファンタジー/恋愛/少女漫画/架空戦記完結9/10少年漫画のような熱い戦記と、少女漫画の切ない恋が真正面からぶつかる。少年漫画のように熱い戦いと、胸が締めつけられる恋が同時に走る長い物語を、腰を据えて読みたい人
33無限の住人無限の住人復讐/時代劇/アクション/ダークファンタジー完結8.8/10人を斬る場面すら芸術的に感じる絵と、信念や欲を抱えた人物たちが渦巻く群像劇に引き込まれます。動きまで見えてくる殺陣と、一見奇妙で凝った武器の造形を、じっくり眺めて味わいたい人
34アイシールド21アイシールド21スポーツ/青春/アクション完結8.5/10才能と努力のぶつかり合いを正面から描く試合はスピード感があり、アメフトのルールも自然と頭に入る。気弱でパシられていた主人公が、努力と仲間との絆で強敵に挑んでいく逆転劇に胸を熱くしたい人
35ARIA(AQUA)ARIA(AQUA)ファンタジー/日常・ヒューマンドラマ/SF完結9.3/10知らない土地なのに帰ってきたような安心感があり、くたびれた夜に開くと気持ちがほぐれます。大事件のない穏やかな日常を、きれいな水の街の景色と一緒に、一話ずつゆっくり味わいたい人
36医龍-Team Medical Dragon-医龍-Team Medical Dragon-青年漫画/医療/ヒューマンドラマ完結8.8/10手術の説明に補足があるので素人でも迷わず読め、医局の権力争いが軸になるぶん中だるみしない。手術の緊張感だけでなく、派閥や出世争いまで踏み込んだ骨のある医療ドラマを腰を据えて読みたい人
37ふしぎ遊戯ふしぎ遊戯異世界/ファンタジー/恋愛/少女漫画完結8.8/10本の世界に吸い込まれた中学生が巫女となり、七星士を探す異世界トリップの王道です。普通の女の子が本の世界で巫女になる、異世界トリップものの原点のような王道ファンタジーを読みたい人
38BECKBECK音楽/バンド/少年漫画/青春完結9/10平凡で弱気だった少年が歌の才能を見いだされて表現者として目覚めていく姿がまぶしい。音楽と青春が交わるバンド漫画の世界にどっぷり浸りたい人
39ドロヘドロドロヘドロアクション/カオス/ダークファンタジー/ディストピア完結8.8/10余白のない描き込みと振り切ったセンスで、長い話を中だるみさせずに走りきります。いかれた設定と唯一無二のカオスな世界観に、頭からどっぷり浸かって抜け出せなくなりたい人
40バクマン。バクマン。少年漫画/青春・サクセスストーリー/漫画家・業界モノ完結9/10机に向かっているだけなのに、毎週順位を突きつけられる勝負の緊張感はスポーツものと変わらない。漫画やアニメの作り手の苦労と仕事のしくみをのぞきたい人。物を作る仕事に憧れたことがある人
41彼方から彼方から少女漫画/異世界ファンタジー完結9.6/10言葉が通じない心細さがきちんと描かれ、物語にぐっと現実味が出ます。特殊能力に頼らず、自分にできることを精一杯やる主人公の姿に、そっと励まされたい人
42月下の棋士月下の棋士青年漫画/将棋/ヒューマンドラマ/勝負事完結8.8/10棋士がそれぞれ壮絶な人生と業を背負って盤に向かう姿が伝わり、将棋のルールを知らなくても楽しめる。勝負師が一手に命と魂を削り込む、すさまじい熱量の人間ドラマにどっぷり浸かりたい人
43CLAYMORECLAYMORE少年漫画/バトル/アクション/ダークファンタジー完結8.8/10弱いながら強くあろうとし、想いと行動で少しずつ仲間を得ていく姿に熱くなります。弱いながらに強くあろうとする女性戦士の姿と、仲間との結束や失われていく命の重さを骨太に見届けたい人
44もやしもんもやしもん日常/コメディ/学園完結8.8/10わちゃわちゃ動く菌たちのかわいさに癒やされながら、発酵や微生物の知識が自然と身につく。デフォルメされた菌たちが画面でわちゃわちゃする可愛さに、眺めているだけで癒やされたい人
45黒子のバスケ黒子のバスケ少年漫画/バスケットボール/スポーツ/熱血/学園完結8.8/10体格や技で上回る相手にもひるまず、チームで自分たちのバスケを貫く姿に夢中になります。試合が終わる寸前まで勝ち負けが読めない熱い試合展開を、毎回ドキドキしながら味わいたい人
467SEEDS7SEEDS少女漫画/サバイバル/SF/サスペンス完結9.1/10少女漫画なのに骨太で、全員に事情がある人物描写のおかげで誰ひとり嫌いになれない。見た目は可愛い絵柄なのに中身は重い、そんな骨太な人間ドラマをじっくり味わいたい人
47ピアノの森ピアノの森青年漫画/音楽/ヒューマンドラマ/青春完結9.2/10天才と努力型の秀才、二人の対比が残酷で美しい青春群像です。森のピアノで育った天才少年が世界の頂点を目指す、圧倒的な音楽描写と師弟愛の感動物語を楽しみたい人
48結界師結界師サスペンスホラー/少年漫画/学園ファンタジー/妖怪バトル完結8.8/10四角い結界をどう組むかで決まる駆け引きが面白く、力のインフレもなく最後まで集中が続く。派手な必殺技より、限られた術をどう工夫して使うかの駆け引きをじっくり楽しみたい人
49め組の大吾め組の大吾少年漫画/職業・ヒューマンドラマ完結8.8/10規律を破っても信じたものは曲げない主人公に、こういうヒーローがいてほしいと願ってしまいます。規律をはみ出してでも目の前の命を取りにいく型破りな主人公に、思いきり肩入れしながら読みたい人
50BLAME!BLAME!青年漫画/サイバーパンク/SF/アクション完結8.9/10言葉を削り、絵で語る無機質で広大な世界に一気に引き込まれる。セリフを極限まで削り、広大な暗黒の巨大建造物を絵だけで語る唯一無二のサイバーパンクSFに没入できる人
51capetacapetaモータースポーツ/少年漫画完結9.6/10資金の壁に苦しみながら不可能を可能にしていく主人公に胸を打たれます。車もレースもまるで知らないけれど、理屈抜きで胸が熱くなる物語にとことんのめり込みたい人
52魔法陣グルグル魔法陣グルグルファンタジー/冒険・RPG/ギャグ・コメディ完結8.8/10テンション、語感、メタ、パロディ、顔芸と、漫画でできる笑いを全部詰めこんだギャグの密度がすごい。子どものころにRPGをさんざん遊んで、ゲームのお約束をいじる笑いにニヤリとできる人
53蒼天の拳蒼天の拳格闘・アクション/青年マンガ/歴史完結8.8/10阿片や賭博が当たり前の後ろ暗い時代の匂いがする舞台が生々しく、描き込みの濃い絵からは殺気が伝わります。阿片や賭博が渦巻く戦前の街並みごと、時代の匂いを丸ごと浴びられる舞台設定を楽しみたい人
54ベイビーステップベイビーステップスポーツ/青春完結8.8/10几帳面な優等生が体力づくりで始めたテニスにのめり込み、真面目さを武器にした理論的なトレーニングで頭角を現していく。感覚ではなく論理的に競技を分析しながら成長していく、これまでにない知的なスポーツものが好きな人
1

SLAM DUNK

完結

ルールも知らない不良が、地味な基礎を積み上げて全国王者に挑むバスケ青春譚

この特集で選んだ理由

90年代の少年漫画を代表するスポーツ漫画で、「平成の名作」と聞いて真っ先に名前が挙がる一作として、このリストの先頭に置きました。

SLAM DUNK
作者
井上雄彦
掲載誌
週刊少年ジャンプ
ジャンル
少年漫画/バスケットボール/スポーツ/青春/学園
完結
完結
評価
9.8/10

良い点

ルールも知らない不良が、試合を重ねるごとに少しずつ戦力になっていきます。必殺技に頼らず、素人が地道に積み上げていく成長が描かれるので、一戦ごとに気持ちが入ります。終盤はセリフを削った絵と間だけで、歓声まで届いてくるようです。

気になる点

序盤は主人公のがなり立てる騒がしさが長く、そこで気圧される人もいます。絵柄や熱血のノリに時代を感じることもあり、競技への興味が薄いと後半で気持ちが離れてしまうかもしれません。思い切った幕引きにも好みが分かれます。

こんな人におすすめ

派手な才能一発で勝つ話ではなく、素人が基礎をひとつずつ積み上げて強くなる過程をじっくり味わいたい人

こんな人には不向き

バスケそのものへの関心が薄く、競技に思い入れがないと後半の熱量に置いていかれると感じる人

SLAM DUNKの詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

2

寄生獣

完結

人間を捕食するパラサイトと、右手に宿ったミギー。生命の本質を問う、SF漫画の金字塔!

この特集で選んだ理由

平成の初めに完結した作品のなかで、娯楽の面白さと問いの深さをもっとも高いところで両立させた一作として選んだ。

寄生獣
作者
岩明均
掲載誌
月刊アフタヌーン
ジャンル
ホラー/SF/アクション
完結
完結
評価
9.8/10

良い点

右手に宿った寄生生物と少年の関係が少しずつ変わり、そのまま「人間とは何か」という問いへと至る。全10巻のなかで展開が止まることはなく、命のもろさと強さを残酷かつ美しく描き切る筆に引き込まれる。読み終えると、世界の見え方まで変わる一作だ。

気になる点

捕食や変形の場面はかなりグロテスクで、刺激の強い描写には覚悟がいる。序盤の画風は古めに映るし、哲学的な問いが多いので一度で飲みこむのは難しい。主人公が孤独に闘いすぎていて、読んでいて胸が締めつけられる場面も多い。

こんな人におすすめ

右手に宿った寄生生物と人間が共生しながら、生命の本質や人間とは何かを問い続けるSF漫画の傑作に向き合える人

こんな人には不向き

人体を捕食する存在が登場する、生々しいグロテスクで残虐な描写が苦手な人

寄生獣の詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

3

鋼の錬金術師

完結

体を失った錬金術師の兄弟が、賢者の石を求め、国家の陰謀に挑む!

この特集で選んだ理由

2000年代の少年漫画のなかで、伏線の組み立てと完結のさせ方がそろって語られる代表格であり、完結済みの名作というこの特集の軸にもっとも合う一作です。

鋼の錬金術師
作者
荒川弘
掲載誌
月刊少年ガンガン
ジャンル
少年漫画/バトル・アクション/ダークファンタジー
完結
完結
評価
9.6/10

良い点

国の仕組みや人体錬成など、序盤に置かれた話がすべて終盤へつながっていく構成に驚かされます。長い物語なのに混乱せず、奇跡だけで片づけない結末も誠実です。ギャグの軽さと重いテーマが同じ作品に収まっているのも、この漫画ならではです。

気になる点

シリアスで暗い話が続くため、途中で読むのがしんどくなる人もいます。キャラクターがいい台詞を口にする場面が多く、少々説教くさく感じるところもあります。敵のたくらみがなかなか見えず、筋を追いにくい時期もあるでしょう。

こんな人におすすめ

散らばった伏線が一本の線に交わる快感を味わいたい人

こんな人には不向き

キャラの説教くさい台詞に鼻白んでしまう人

鋼の錬金術師の詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

4

DEATH NOTE

完結

天才・夜神月と世界一の探偵・Lが繰り広げる、頭脳と心理戦の極限バトルを描いたサスペンスの金字塔!

この特集で選んだ理由

バトルが主流だった2000年代のジャンプで、拳ではなく頭脳戦で勝負した作品として、このリストでもひときわ異色の存在だ。

DEATH NOTE
作者
小畑健/大場つぐみ
掲載誌
週刊少年ジャンプ
ジャンル
ミステリー/サスペンス/心理戦/ダークファンタジー
完結
完結
評価
9.3/10

良い点

死神の力を手にした青年と、世界一の探偵がくり広げる頭脳と心理の読み合いが全編を引っぱる。展開が簡単に読めず、毎回ハラハラさせられる。巻数のわりに密度が濃く、終盤にすべてがつながって結末へ向かう流れが鮮やかだ。

気になる点

探偵役が去ったあとの第二部は勢いが落ちてトーンダウンする。後半ほど文字量が増え、絵より文字を追う時間が長くなる。女性キャラクターの描かれ方や、救いのない結末に引っかかる人もいるはずだ。

こんな人におすすめ

頭脳戦のひりつく駆け引きを味わいたい人

こんな人には不向き

後半の空気の変わり方が気になる人

DEATH NOTEの詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

5

花より男子

完結

F4の暴君ぶりに雑草娘が宣戦布告!?恋とプライドが激突する格差ラブコメの最高峰!

この特集で選んだ理由

90年代を中心に描かれた格差ラブコメで、へこたれない強いヒロイン像を打ち出した一作として、平成の少女漫画を探す人に最初にすすめたい作品です。

花より男子
作者
神尾葉子
掲載誌
マーガレット
ジャンル
少女漫画/学園恋愛/ラブコメ
完結
完結
評価
9.4/10

良い点

格差のある学園で、雑草魂の少女が御曹司たちの横暴に真っ向から立ち向かいます。どん底に落とされても自分のプライドだけは売らない主人公の強さは、今読んでも色あせません。暴君だった御曹司が恋で空回りするギャップや、スケールの大きなドラマにも引き込まれます。

気になる点

序盤の集団いじめは、今の感覚では笑えないほど過激です。後半は記憶喪失や海外逃亡など、引き延ばしに見えるドロドロ展開が続き、恋のじゃまをする人物も次々に現れます。主人公の家族や相手の母親の言動にストレスを感じる場面もあります。

こんな人におすすめ

周りのプレッシャーにも臆せず根性と意地だけで立ち向かうヒロインの強さに痛快さを感じる人

こんな人には不向き

金持ち集団による激しいいじめが序盤から続き読んでいて精神が削られる展開が苦手な人

花より男子の詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

6

NARUTO

完結

火影を目指すナルトの成長と忍世界の戦いを描いた、世界的人気を誇る王道少年漫画!

この特集で選んだ理由

2000年代のジャンプを支え、世界中に読者を広げた忍者漫画で、平成後半の少年漫画を語るうえで外せない存在。

NARUTO
作者
岸本斉史
掲載誌
週刊少年ジャンプ
ジャンル
少年漫画/バトル/アクション
完結
完結
評価
8.8/10

良い点

里の嫌われ者で落ちこぼれだった少年が、火影を目指して努力を重ねる王道の物語だ。孤独を知るからこその本当のやさしさが胸を打ち、敵にまで深い背景が用意されている。長い連載なのにどこを切り取っても面白く、好きな人物がどんどん増えていく。

気になる点

長期連載ゆえに矛盾が多く、巻が進むほど序盤の面白さが薄れていくと感じる場面がある。落ちこぼれの成長物語が血筋の話に寄っていく点や、後半の技や忍術の複雑さで入り込めなくなることもある。忍ばない忍者という設定にも好みが分かれる。

こんな人におすすめ

落ちこぼれだった主人公が努力で這い上がっていく、王道の成長物語に胸を熱くしたい人

こんな人には不向き

短くまとまった話を好み、巻数が多くじっくり続く長編にゆっくり付き合う時間がない人

NARUTOの詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

7

幽遊白書

完結

人情話から命懸けのバトルへ、姿を変えていく冨樫義博の王道少年漫画!

この特集で選んだ理由

90年代前半のジャンプを代表する一作で、人情話からバトルへの変化ごと味わえる点から、平成初期の少年漫画を知る入り口として選びました。

幽遊白書
作者
冨樫義博
掲載誌
週刊少年ジャンプ
ジャンル
ファンタジー/バトル/アクション
完結
完結
評価
9.3/10

良い点

1話完結の人情話から始まり、中盤からかけひきの効いたバトルへと姿を変えていきます。全19巻と短めなのに中身がぎっしりで、かっこよさと可愛げをあわせ持つ仲間や敵に惚れ込みます。言葉まわしのセンスも、今読んでも色あせません。

気になる点

最終盤はトーナメントの経過が省かれ、打ち切りのような急ぎ足の幕引きに拍子抜けするかもしれません。後半は絵が荒れていき、最初と最後で雰囲気が大きく違います。強いキャラクターのノリの軽さが肌に合わない人もいます。

こんな人におすすめ

ゆるい人情話から命懸けのバトルへ、物語ががらりと化けていく緩急を一気に味わいたい人

こんな人には不向き

大きな戦いの決着から最後の結末まで、きれいに畳まれた終わり方を破綻なく見届けたい人

幽遊白書の詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

8

MONSTER

完結

天才外科医が救った少年は「怪物」だった。命の価値を問う本格ミステリーの金字塔!

この特集で選んだ理由

青年漫画の本格サスペンスを代表する作品として、このリストのミステリー枠の柱に据えた。

MONSTER
作者
浦沢直樹
掲載誌
ビッグコミックオリジナル
ジャンル
青年漫画/ミステリー/サイコスリラー/サスペンス
完結
完結
評価
9.5/10

良い点

天才外科医が救った少年は「怪物」だった、という始まりから、巧みな伏線でぐいぐい引っぱる本格サスペンスが続く。80〜90年代のドイツが舞台で、今読んでも古さを感じない。脇の人物にもそれぞれの思いがあり、残酷さの裏に人の温かみがある。

気になる点

序盤の緊張感に比べ、終盤はサスペンスが尻すぼみになると感じる場面がある。双子の入れ替わりなど設定に突っこみどころもあり、話が複雑で腑に落ちないまま進むこともある。回収されない伏線が残り、決着にすっきりしない人もいるだろう。

こんな人におすすめ

じっくり練り込まれた本格サスペンスを、腰を据えて読み込みたい人

こんな人には不向き

すべての謎がきれいに解ける、明快な結末をきっちり求めてしまう人

MONSTERの詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

9

美少女戦士セーラームーン

完結

泣き虫な中学生が愛と正義の戦士に変身し、前世からの恋と仲間とともに銀河の闇へ挑む少女漫画

この特集で選んだ理由

90年代前半に少女漫画と変身バトルを結びつけた代表作で、平成の少女漫画を語るときに外せない一作です。

美少女戦士セーラームーン
作者
武内直子
掲載誌
なかよし
ジャンル
ファンタジー/バトル・アクション/少女漫画/変身ヒロイン
完結
完結
評価
8.6/10

良い点

泣き虫の中学生が戦士となり、悩みを抱えた仲間と力を合わせていきます。線が美しく、敵まで美しく描かれた絵はじっくり眺めたくなるほどです。アニメより話がすっきりしていて、敵が次々に現れる理由にも最後に納得できます。

気になる点

展開がとにかく速く、強敵や新しいアイテムが息つく間もなく出てくるので振り落とされそうになります。キャラクターの掘り下げは少なめで、明かされない謎も残ります。仲間の戦士が回を重ねるほど敵に歯が立たなくなるのも惜しいところです。

こんな人におすすめ

変身ヒロインたちが力を合わせて戦う物語に、子どもの頃アニメで夢中になった記憶がある人

こんな人には不向き

アニメ版のように、仲間の戦士ひとりひとりの悩みや日常をじっくり描く展開を楽しみたい人

美少女戦士セーラームーンの詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

10

ヒカルの碁

完結

碁盤に宿った平安の幽霊と出会った少年が、自分の一手を見つけるまでの物語

この特集で選んだ理由

2000年前後に囲碁という渋い題材を少年誌の人気作にした作品で、題材の意外さという点でこのリストでも独特の位置にある。

ヒカルの碁
作者
ほったゆみ/小畑健/梅沢由香里
掲載誌
週刊少年ジャンプ
ジャンル
少年漫画/囲碁/ヒューマンドラマ/青春
完結
完結
評価
9.5/10

良い点

囲碁の決まりごとを知らなくても、対局の場面にはぐいぐい引き込まれる。平安の幽霊と出会った少年と、名家育ちのライバルが追って追われてをくり返す関係が熱い。大事な相棒を失ってから、残された側が立ち上がる後半こそ本番だ。

気になる点

ある別れがあまりに唐突で、きちんとした別れの場面がない寂しさが残る。終盤は急いで幕を下ろした感じがあり、最後の大一番も思い描いた決着には届かない。碁をかじった人には、打たれる手が教科書どおりに見えるかもしれない。

こんな人におすすめ

囲碁のルールを一切知らなくても、盤に向かう打ち手の本気だけで最後まで引き込まれたい人

こんな人には不向き

最終回まできれいに着地する物語を求めていて、駆け足に見える幕引きが引っかかってしまう人

ヒカルの碁の詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

11

蟲師

完結

命の原型に近い「蟲」が招く怪異に、旅の蟲師ギンコが向き合う一話完結の和風幻想譚

この特集で選んだ理由

2000年代の青年誌から生まれた和風幻想譚で、バトルも恋愛もない静かな作品として、このリストに違う温度を加えてくれる一作です。

蟲師
作者
漆原友紀
掲載誌
月刊アフタヌーン
ジャンル
ファンタジー/ドラマ/日常
完結
完結
評価
9.6/10

良い点

命の原型に近い「蟲」が起こす怪異に、旅の蟲師が向き合う一話完結の物語です。退治するだけでなくともに生きる道を探す姿勢があり、自然と暮らすことに似た怖さと美しさがあります。説教くさくなく、悲しい出来事も淡々と見守る語り口が身にしみます。

気になる点

派手な立ち回りがなく、一話完結のため大きな盛り上がりのない淡々とした語り口が続きます。話がパターン化していると感じる人もいて、絵も地味めです。冒頭の数話で心をつかまれなければ、続きを読む気になりにくいかもしれません。

こんな人におすすめ

山里や海辺を舞台にした、怖さと美しさが同居する静かな怪異譚を一話ずつじっくり味わいたい人

こんな人には不向き

敵を倒して勝ち進むような派手な立ち回りや大きな盛り上がりを、毎話の楽しみにしたい人

蟲師の詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

12

フルーツバスケット

完結

十二支の動物に姿を変えてしまう一族の秘密と孤独に、一人の女子高生のやさしさが届くまでの物語

この特集で選んだ理由

2000年前後の少女漫画のなかでも、家族の傷や孤独に正面から踏み込んだ作品として、恋愛だけではない少女漫画の名作枠に入れた。

フルーツバスケット
作者
高屋奈月
掲載誌
花とゆめ
ジャンル
ファンタジー/恋愛/少女漫画/ヒューマンドラマ
完結
完結
評価
9.2/10

良い点

十二支の動物に変わってしまう一族の秘密に、ひとりの女子高生のやさしさが届いていく。変身の設定は入り口にすぎず、本当のテーマは大事な人とのあいだに生じる呪縛だ。張りめぐらされた伏線が最後に回収され、脇のカップルまで幸せになって物語が終わるため、読後感は晴れやかだ。

気になる点

一人ずつ明かされる過去が重く、気分が沈む時期が長く続く。連載の中断をはさんで絵のタッチが大きく変わり、三角関係の行方も予想と違う方向へ進む。人物が多くて覚えきれず、主人公の善良さにいらいらすることもある。

こんな人におすすめ

登場人物一人ひとりの傷ついた過去にじっくり向き合う長い物語を、丁寧に追いかけたい人

こんな人には不向き

テンポの速い作品が好きで、重い過去語りが長く続く展開を読むのはしんどいと感じる人

フルーツバスケットの詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

13

るろうに剣心―明治剣客浪漫譚―

完結

かつての人斬りが逆刃刀を手に、斬らずに人を守ると誓って明治の世をさすらう剣客活劇。

この特集で選んだ理由

90年代のジャンプで時代劇を王道バトルに仕立てた作品で、幕末や明治の歴史への入り口にもなる点から、このリストの剣客ものの代表にしました。

るろうに剣心―明治剣客浪漫譚―
作者
和月伸宏
掲載誌
週刊少年ジャンプ
ジャンル
少年漫画/歴史/剣劇・時代劇/バトル
完結
完結
評価
9/10

良い点

かつての人斬りが、斬らずに人を守ると誓って明治の世をさすらいます。過去の罪をどう償うかという重い問いが芯にあり、大人になってから読むほうが胸にきます。敵まで含めて登場人物がかっこよく、実在の人物や事件が織りこまれているのも楽しいところです。

気になる点

前半の気楽な道中から、後半はバトルと主人公の暗い過去が中心になります。明治らしい情緒は初期のほうが濃いので、軽い読み味を最後まで期待すると戸惑います。血なまぐさい場面も多く、話が引き延ばされたと感じる箇所もあるでしょう。

こんな人におすすめ

斬らずに人を守る生き方に惹かれ、過去の罪とどう向き合うかを描く物語を味わいたい人

こんな人には不向き

流血や生々しい斬り合いの描写がどうしても苦手で、戦いの場面が多い長編漫画は避けたい人

るろうに剣心―明治剣客浪漫譚―の詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

14

のだめカンタービレ

完結

変わり者の天才ピアニストと堅物のエリート先輩が、笑わせて泣かせるクラシック青春記。

この特集で選んだ理由

2000年代にクラシック音楽を身近な題材へ変えた作品で、このリストの音楽漫画のなかでいちばん笑える一作として入れた。

のだめカンタービレ
作者
二ノ宮知子
掲載誌
Kiss
ジャンル
音楽/ヒューマンドラマ/青春/ラブコメ/女性漫画
完結
完結
評価
9.3/10

良い点

変わり者の天才ピアニストと堅物の先輩が、笑わせて泣かせるクラシックの青春記だ。紙の上から演奏が立ち上がってくるようで、留学が決まってからが本番として描かれる。腹を抱えて笑ったあとに温かさが残る読み心地で、終わり方も軽やかなまま胸を打つ。

気になる点

ヒロインの部屋の汚さや奇行の描写がきつく、にぎやかさが度を越すと読むほうが疲れる。楽器経験者には引っかかる誇張もある。音楽の話が濃くなるほど恋の甘さは控えめになり、脇の人物のその後が描かれないのも心残りだ。

こんな人におすすめ

絵と文字だけのはずなのに、演奏の熱がそのまま押し寄せてくる感覚をじっくり味わいたい人

こんな人には不向き

だらしない生活ぶりのギャグが何度も繰り返されるため、不潔さを笑いに変える描写を受けつけない人

のだめカンタービレの詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

15

うしおととら

完結

妖怪バディが日本の命運を懸けて挑む、伏線が一点に結ぶ王道熱血譚!

この特集で選んだ理由

90年代前半の少年サンデーを代表する妖怪バトルで、伏線を最後に回収しきる長編として、完結作をまとめて読む楽しさを存分に味わえる作品です。

うしおととら
作者
藤田和日郎
掲載誌
週刊少年サンデー
ジャンル
少年漫画/伝奇アクション/ダークファンタジー
完結
完結
評価
9.3/10

良い点

少年と妖怪のでこぼこコンビが、日本の命運を懸けて戦います。ばらばらに見えたエピソードが最終決戦に向けて一点へつながっていく構成にうならされます。人も妖も手を取り合う終盤の熱さは、王道をここまでやりきるのかと思うほどです。

気になる点

絵のクセが強く、戦闘がごちゃついて目で追いにくい場面があります。序盤は一話完結の妖怪退治が続き、本筋が進まない時期に中だるみを感じるかもしれません。恋の話が前に出る回や、人物の多さで場面の整理に苦労するところもあります。

こんな人におすすめ

長い旅で積み重ねた話が終盤で一気に一点へ収束するカタルシスをたっぷり味わいたい人

こんな人には不向き

線の多い荒々しくクセの強い絵柄が苦手で、すっきり整った現代風の作画でないと読みづらい人

うしおととらの詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

16

20世紀少年

完結

少年時代の空想が現実の恐怖となり、謎の教祖「ともだち」の正体に迫る浦沢直樹の傑作SFミステリー!

この特集で選んだ理由

平成の時代から昭和の少年時代をふり返る構図を持つ作品で、昭和と平成の両方の匂いをまとっている点でこのリストでも独特だ。

20世紀少年
作者
浦沢直樹
掲載誌
ビッグコミックスピリッツ
ジャンル
ミステリー/SF/サスペンス
完結
完結
評価
8.8/10

良い点

少年時代の空想が現実の恐怖になり、謎の教祖「ともだち」の正体を追っていく。謎が謎を呼ぶ勢いのある展開で、怖いのに続きが気になってしかたない。人物がみなリアルで、どこかにいそうな大人たちが丁寧に描かれている。

気になる点

前半の期待感が大きいぶん、後半の失速と肩透かし感も大きい。広げた風呂敷を畳みきらないので、あれは何だったのかと思う箇所が多々ある。伏線が複雑で、すべてを飲みこめないまま読み終えることもある。

こんな人におすすめ

今読んでもぞくっとくるリアルな怖さを味わいたい人

こんな人には不向き

前半の勢いや緊迫感が後半で落ちてしまうのが気になって楽しめなくなる人

20世紀少年の詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

17

ハチミツとクローバー

完結

全員が片思いのまま進む、切なくて優しい美大生たちの青春群像劇!

この特集で選んだ理由

2000年代の大学生の迷いを描いた青春群像で、このリストのなかで大人になる手前の時間をいちばん丁寧にすくった作品です。

ハチミツとクローバー
作者
羽海野チカ
掲載誌
CUTiE Comic/コーラス/ヤングユー
ジャンル
恋愛/青春/美術大学
完結
完結
評価
9.2/10

良い点

美大生たちの全員が片思いのまま進む、切なくて優しい群像劇です。やわらかな絵柄なのに、将来への漠然とした不安がやけにリアルに描かれます。ギャグのテンポもよく、報われない想いにも意味があると思えるラストが心に残ります。

気になる点

最後の選択に納得できないと、もやもやした後味がずっと消えません。シュールなギャグとシリアスの落差が激しく、重い場面で話の腰を折られる感覚もあります。きれいなモノローグが鼻につき、後半の息苦しさを重たく感じることもあります。

こんな人におすすめ

恋愛だけでなく、才能や将来への不安といった人生の痛みまで描いた物語を、じっくり味わいたい人

こんな人には不向き

登場人物の共依存めいた重い関係が続く後半の空気に、思わず息苦しさを感じてしまう人

ハチミツとクローバーの詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

18

ドラゴンクエスト ダイの大冒険

完結

勇者に憧れる少年ダイが仲間と共に大魔王バーンに挑む、少年ジャンプが誇る王道ファンタジーの最高傑作!

この特集で選んだ理由

平成の初めに始まり90年代半ばに完結したジャンプのファンタジーで、ゲームの世界を舞台にしながら王道少年漫画として読み継がれている一作として選んだ。

ドラゴンクエスト ダイの大冒険
作者
堀井雄二/三条陸/稲田浩司
掲載誌
週刊少年ジャンプ
ジャンル
ファンタジー/バトル/冒険
完結
完結
評価
9.1/10

良い点

勇者に憧れる少年が仲間と大魔王に挑む、勇者とは何かを問い続ける王道の物語だ。臆病だった仲間が震えながら立ち上がり、勇気ある賢者へ変わっていく姿に泣かされる。敵の魔王軍にも信念があり、初期の台詞がラストへつながる構成も見事だ。

気になる点

序盤はゲームの設定に忠実な冒険記で、本当の面白さが出るまで数巻かかる。死んだと思ったら生きていた展開が続く時期や、後付けに見える設定もある。クライマックスが長大で、一気に読むと疲れるほど密度が高い。

こんな人におすすめ

友情・努力・勝利の王道をまっすぐ味わいたい人

こんな人には不向き

序盤のゆるやかな熱が物足りなく感じる人

ドラゴンクエスト ダイの大冒険の詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

19

GTO

完結

不純な動機で教壇に立った元暴走族が、最凶クラスを力技でぶち壊していく学園もの

この特集で選んだ理由

90年代後半の学園ものを代表する作品で、コンプライアンスより勢いが勝っていた平成の空気をいちばん色濃く残す一作です。

GTO
作者
藤沢とおる
掲載誌
週刊少年マガジン
ジャンル
ギャグ/アクション/学園
完結
完結
評価
8.5/10

良い点

不純な動機で教師になった元暴走族が、最凶のクラスを力技でぶち壊していきます。やり方は乱暴でも、理屈を語らずに生徒を救っていく姿がただかっこいいです。ドギツい場面ばかりなのになぜか笑えて、平成の華やかさも闇も詰まっています。

気になる点

下ネタや乱暴な表現が多く、ギャグのノリそのものが古びているところがあります。長く続いたぶん新しい問題児が次々に投入され、最初の勢いは薄れていきます。似た展開のくり返しや、辻褄の合わない場面が目につくのも事実です。

こんな人におすすめ

難しい教育論やきれいごとより、常識をまとめてぶち壊す痛快さでとにかくスカッとしたい人

こんな人には不向き

下ネタや乱暴な表現が続くとどうしても疲れてしまい、品のいい笑いだけを静かに楽しみたい人

GTOの詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

20

天は赤い河のほとり

完結

現代の少女が古代ヒッタイト帝国へ召喚され、女神と崇められながら乱世と恋に立ち向かう大河ロマン!

この特集で選んだ理由

90年代後半の少女漫画のなかで恋と歴史の大河ドラマを両立させた作品で、このリストの異世界トリップものの中でも舞台のスケールがいちばん大きい。

天は赤い河のほとり
作者
篠原千絵
掲載誌
少女コミック
ジャンル
少女漫画/歴史ファンタジー/タイムスリップ
完結
完結
評価
9.3/10

良い点

現代の少女が古代ヒッタイトへ召喚され、女神と崇められながら乱世を生き抜く。守られるだけでなく、自分の足で苦難を切り開いていくヒロインが頼もしい。国どうしの駆け引きや戦の工夫まで描かれ、読むうちに古代史が頭に入るのもうれしい。

気になる点

恋愛の描写がきわどく、大人向けの場面の多さは好みが分かれる。終盤はサブキャラ中心の番外編が増えて間延びし、皇妃との対立も同じ形の攻防がくり返される。絵柄の古さや、置き去りにされる元の恋人が気になる人もいるだろう。

こんな人におすすめ

守られるだけでなく、自分の意志で運命を切り開く芯の強いヒロインの生き方に胸を熱くしたい人

こんな人には不向き

現代風の洗練された絵柄を好んでいて、昔ながらの少女漫画の画風にはどうしても慣れられない人

天は赤い河のほとりの詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

21

HELLSING

完結

最強の吸血鬼アーカードが、英国を脅かす狂信者やナチス残党と繰り広げる究極の死闘。

この特集で選んだ理由

90年代後半から2000年代にかけての青年誌ダークファンタジーを代表する一作で、このリストのなかでいちばん振り切った暴力と様式美を持つ作品として入れました。

HELLSING
作者
平野耕太
掲載誌
ヤングキングアワーズ
ジャンル
青年漫画/ガンアクション/吸血鬼/ダークファンタジー
完結
完結
評価
9.5/10

良い点

最強の吸血鬼が、英国を脅かす狂信者やナチス残党と死闘をくり広げます。黒を多用した重厚な作画と大ゴマの演出で、理屈抜きに勢いと迫力で読ませるエンタメです。芝居がかったセリフ回しや、狂気に満ちた敵側の演説まで声に出したくなります。

気になる点

人体の破壊や大量殺戮の描写が全編に多く、グロへの耐性がないとかなりきついです。強者どうしの殺し合いが中心なので、複雑な筋を求めると単調に映ります。初期の絵は癖が強く、ポエムのようなセリフが分かりにくい箇所もあります。

こんな人におすすめ

最強の吸血鬼が圧倒的なカリスマと狂気で敵を蹂躙するガンアクションに、血が滾る人

こんな人には不向き

大量殺戮・人体破壊などのグロテスクで残虐な描写が全編に渡る作品に精神的なダメージを受けやすい人

HELLSINGの詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

22

H2

完結

野球と恋、二人のヒーローと二人のヒロインが交わる高校三年間の青春譚

この特集で選んだ理由

90年代のサンデーで野球と恋を同じ重さで描いた青春もので、このリストのスポーツ漫画のなかでいちばん間で読ませる作品だ。

H2
作者
あだち充
掲載誌
週刊少年サンデー
ジャンル
少年漫画/高校野球/スポーツ/青春/ラブコメ
完結
完結
評価
8.8/10

良い点

野球部すらない学校で、愛好会から始める立ち上げのわくわく感がたまらない。セリフを削り、表情も大げさにしない、言わせずに見せる間の取り方が冴えている。わき役や悪役にまで納得できる背景が用意されているのもうれしい。

気になる点

決勝の行方を読者の想像に任せるような投げっぱなしに見える結末は好みが分かれる。主人公が幼なじみへの未練を引きずる場面が多く、四角関係の煮え切らなさにいらいらすることもある。人物の顔が似ていて見分けにくい場面もある。

こんな人におすすめ

野球の熱さと淡い恋が半々で進む青春ものを、腰を据えて最初からじっくり味わいたい人

こんな人には不向き

恋の行方にはっきり決着がつかないと落ち着かず、結末を読者に委ねる終わり方が苦手な人

H2の詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

23

からくりサーカス

完結

人形と人間の壮絶な戦いの奥に、二百年前の悲しい因縁が眠る王道大冒険!

この特集で選んだ理由

90年代後半から2000年代にかけて描かれた大長編で、同じ作者の『うしおととら』と並べて読むと、平成の少年漫画が描いた泣ける王道の振れ幅がよくわかります。

からくりサーカス
作者
藤田和日郎
掲載誌
週刊少年サンデー
ジャンル
少年漫画/バトル・アクション/ダークファンタジー
完結
完結
評価
9.3/10

良い点

人形と人間の戦いの奥に、二百年前の悲しい因縁が眠っています。あちこちにまかれた伏線が一本につながる回収のカタルシスが強く、読み返すたびに発見があります。憎かった敵さえ最後には泣かせてくる懐の深さに、心をつかまれるばかりです。

気になる点

荒々しい絵は好き嫌いが分かれ、設定と人物の多さで序盤に迷いやすい作品です。二つの物語が同時に進むので、一つの結末を見届けるまでが長く感じます。黒幕の心変わりがあっさりしていて、終盤の畳み方がやや強引にも映ります。

こんな人におすすめ

あちこちに散らばった謎が、最後に一本の線としてつながる快感をじっくり味わいたい人

こんな人には不向き

入り組んだ設定と多くの登場人物を追いかけていくうちに、物語の全体像を見失いやすい人

からくりサーカスの詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

24

君に届け

完結

「貞子」と呼ばれ避けられてきた少女が、まっすぐな言葉で友達と恋を手に入れる青春物語。

この特集で選んだ理由

2000年代後半から平成の終わり近くまで続いた少女漫画で、言葉にする勇気を正面から描いた作品として、このリストの恋愛ものの中でいちばんまっすぐな一作だ。

君に届け
作者
椎名軽穂
掲載誌
別冊マーガレット
ジャンル
恋愛/少女漫画/青春/学園
完結
完結
評価
8.9/10

良い点

「貞子」と呼ばれ避けられてきた少女が、まっすぐな言葉で友達と恋を手に入れていく。悪い方へ考えて自滅しかけても、ひとつずつ言葉にしていく主人公を応援したくなる。脇の子たちにも事情と変化があり、全員ぶんの青春が並んで走っている。

気になる点

自己肯定感の低さからくる誤解やすれ違いが何話も続き、手をつなぐまでがとにかく長い。両想いのあとも思い込みでもたつく場面があり、せっかちな人にはもどかしい。大人が読むと、純度の高い青春がまぶしすぎることもある。

こんな人におすすめ

まっすぐな言葉で気持ちを伝える話に弱く、恋も友情もじっくり描かれた学園ものを読みたい人

こんな人には不向き

すれ違いが何話も続く展開にいらいらしやすく、もっと軽やかに前へ進む恋物語を読みたい人

君に届けの詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

25

昭和元禄落語心中

完結

落語に命を懸けた噺家たちの、愛憎と因縁を描く人間ドラマの絶対的最高峰!

この特集で選んだ理由

2010年代に描かれた作品ですが、昭和の終わりから平成へ移る時の流れそのものを物語に取りこんでおり、平成の名作を振り返るこのリストにふさわしいと考えました。

昭和元禄落語心中
作者
雲田はるこ
掲載誌
ITAN
ジャンル
落語/人間ドラマ/時代劇
完結
完結
評価
9.6/10

良い点

落語に命をかけた噺家たちの愛憎と因縁を描く人間ドラマです。正反対の芸を持つ二人の噺家が、お互いの才能を誰より認め合う関係に胸が震えます。落語に詳しくなくても、高座の場面の凄みは言葉のキレと絵の力でまっすぐ伝わります。

気になる点

演目の前提知識や江戸弁の言い回しに慣れるまで、古典芸能になじみがないと敷居が高いかもしれません。過去編の男女の愛憎は暗く、老いや芸の衰えも生々しく描かれます。真実をぼかした決着もあり、すっきりさせたい人には消化不良が残ります。

こんな人におすすめ

落語を知らなくても、芸に人生を賭ける噺家たちの生き様と昭和の退廃美に引き込まれる人

こんな人には不向き

落語の歴史・演目の前提知識がなく、序盤の渋く専門的な雰囲気に入り込むのが難しい人

昭和元禄落語心中の詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

26

BLEACH

完結

死神の力を得た高校生が仲間のために刀を振るう、構図と決めゼリフが冴えるジャンプの長編バトル漫画

この特集で選んだ理由

2000年代から2010年代にかけてジャンプで続いたバトル漫画で、後の作品に影響を与えた見せ方の鋭さから、平成後半の少年漫画の代表として選んだ。

BLEACH
作者
久保帯人
掲載誌
週刊少年ジャンプ
ジャンル
ファンタジー/バトル/アクション/和風
完結
完結
評価
9.1/10

良い点

死神の力を得た高校生が、仲間のために刀をふるう長編バトルだ。構図のセンスと見せ方のうまさが際立ち、技名や決めゼリフのかっこよさに胸が躍る。敵が強くなるほど仲間への思いを強めていく主人公の変化も、じっくり追える。

気になる点

序盤の大きな山場を越えたあたりから、話がだらだらと長引いていく感じが強くなる。後から足される設定が増え、勝負の決め手も必殺技の有無に寄りがちだ。終盤は敵がなかなか倒れず、それでいてラスボスの最期はあっさりしている。

こんな人におすすめ

刀や技の名前、決めゼリフに中二心をくすぐられるかっこよさを求めていて、見せ場の多いバトル漫画を探している人

こんな人には不向き

バトルでは頭を使った駆け引きや泥くさい粘りで勝ちをつかむ展開を、いちばん楽しみにしている人

BLEACHの詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

27

ヨコハマ買い出し紀行

完結

海がしずかに陸を呑む近未来。岬の喫茶店で、人型ロボットがオーナーの帰りを待つ日々!

この特集で選んだ理由

90年代から2000年代にかけて描かれた作品で、終末を穏やかに受け入れる独特の空気は、このリストのなかでほかに似た作品が見当たらない一作です。

ヨコハマ買い出し紀行
作者
芦奈野ひとし
掲載誌
月刊アフタヌーン
ジャンル
青年漫画/終末もの/日常/SF
完結
完結
評価
9.3/10

良い点

海がしずかに陸を呑む近未来で、人型ロボットが岬の喫茶店でオーナーの帰りを待ちます。人工的な物音が消えた静けさのなか、日が暮れていく風景がただ美しい作品です。謎を追う話ではなく、ゆったり流れる時間を味わうために何度も開きたくなります。

気になる点

事件らしい事件がほとんど起きず、ストーリー重視の人には退屈に映るかもしれません。世界が水没した理由やオーナーの行方など、根幹の謎は最後まで明かされません。心に余裕がないときは、淡々とした空気を物足りなく感じることもあります。

こんな人におすすめ

静かに暮れていく風景と、のんびりとした空気がただ流れていく時間を味わいたい人

こんな人には不向き

大きな事件も衝突もなく時間が流れるだけの日常ものに、退屈を感じてしまいがちな人

ヨコハマ買い出し紀行の詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

28

MAJOR

完結

父を亡くした少年が、右肩の故障も挫折も越えてメジャーの頂点を目指す野球一代記。

この特集で選んだ理由

90年代半ばから2000年代いっぱいまで少年サンデーで続いた長期連載で、一人の選手の人生を幼いころから追いきった野球漫画として選んだ。

MAJOR
作者
満田拓也
掲載誌
週刊少年サンデー
ジャンル
少年漫画/野球/スポーツ/青春
完結
完結
評価
9/10

良い点

父を亡くした少年が、右肩の故障や挫折を越えてメジャーの頂点を目指す野球一代記だ。壊れた利き腕をあきらめ、反対の腕で投げ直す執念には鳥肌が立つ。勝ちだけでなく負けもたくさん描くので嘘くさくなく、成長を親の目線で見届けたくなる。

気になる点

苦労して入った名門校をあっさり辞めるくだりなど、置いていかれる側に感情移入してしまう場面がある。途中から恋愛や結婚の話が増えるのも好みが分かれる。上の舞台へ進むほど才能がものを言う世界になり、序盤の運びも急ぎ足だ。

こんな人におすすめ

故障や挫折が続いても何度でも立ち上がる主人公を見て、自分も前に進む元気をもらいたい人

こんな人には不向き

周りを振り回してでも我が道を行く主人公より、仲間思いで協調性のある主人公に共感したい人

MAJORの詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

29

犬夜叉

完結

古井戸から戦国へ落ちた少女と半妖の少年が、砕けた玉のかけらを追って旅に出る大長編。

この特集で選んだ理由

90年代後半から2000年代にかけて少年サンデーで続いた作品で、少年漫画の冒険と恋のもつれを一つにまとめた点から、男女どちらにもすすめやすい一作です。

犬夜叉
作者
高橋留美子
掲載誌
週刊少年サンデー
ジャンル
ファンタジー/少年漫画/バトル・アクション/恋愛/妖怪
完結
完結
評価
8.5/10

良い点

古井戸から戦国時代へ落ちた少女と半妖の少年が、砕けた玉のかけらを追う大長編です。妖しい戦国の景色と、先へ先へと引っぱっていく話の運びに引きこまれます。憎みきれない悪役や、ぶつかり合っていた兄弟の関係がほどけていく流れも心に残ります。

気になる点

昔の恋人をめぐるやりとりが同じところを回り、もつれた三角関係が最後まで足を引っぱると感じるかもしれません。宿敵が追い詰められるたびに逃げ、戦って逃がして追う型がくり返されます。細かな違和感が気になると、物語に入り込みにくくなります。

こんな人におすすめ

薄暗くて妖しい世界をめぐりながら、次の話へぐいぐい引っ張られる読み心地を求めている人

こんな人には不向き

敵との決着が先へ先へ延びるのが苦手で、寄り道せず一直線に進む物語だけを読みたい人

犬夜叉の詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

30

四月は君の嘘

完結

ピアノが弾けなくなった元天才少年と、自由奔放なヴァイオリニストが奏でる感動の青春ラブストーリー。

この特集で選んだ理由

2010年代に描かれた比較的新しい作品だが、平成の終わりに青春と喪失を描いた音楽漫画として、このリストの泣ける枠を代表する一作だ。

四月は君の嘘
作者
新川直司
掲載誌
月刊少年マガジン
ジャンル
音楽/少年漫画/ヒューマンドラマ/青春/ラブストーリー
完結
完結
評価
9.4/10

良い点

ピアノが弾けなくなった元天才少年が、自由奔放なヴァイオリニストと出会い、もう一度音楽に向き合う。漫画なのに絵から楽器の音が聞こえてくるような演奏シーンに引き込まれる。タイトルの意味が明かされる終盤は、涙なしに読めない。

気になる点

悲しい結末へ向かう物語なので、ハッピーエンドを求める人には重すぎる。主人公が幼いころ受けた指導は虐待に近く、序盤のヒロインの乱暴なふるまいにも戸惑う。観客のポエムのようなモノローグが大げさに感じる場面もある。

こんな人におすすめ

漫画なのに音楽の美しさと感情が溢れてくる演奏描写に、純粋に心を震わせたい人

こんな人には不向き

衝撃的で悲しいラストに向かって物語が進むことが事前に分かっていると、読み始める気持ちが重くなる人

四月は君の嘘の詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

31

金色のガッシュ!!

完結

頭の切れる中学生と記憶をなくした魔物の子が、一冊の赤い本を手に王を決める戦いへ挑む物語

この特集で選んだ理由

2000年代前半のサンデーで、子ども向けの見た目のまま本気で泣かせにきた作品として、このリストの王道バトルのなかでも涙の量では指折りの一作です。

金色のガッシュ!!
作者
雷句誠
掲載誌
週刊少年サンデー
ジャンル
ファンタジー/少年漫画/バトル・アクション/コメディ
完結
完結
評価
9.4/10

良い点

頭の切れる中学生と、記憶をなくした魔物の子が、赤い本を手に王を決める戦いへ挑みます。クスッと笑った直後に号泣させられる感情の揺れの大きさがあり、別れの場面は涙なしに読めません。敵のコンビにまでそれぞれの物語と絆が描かれているのがうれしいところです。

気になる点

まっすぐな勧善懲悪の熱血ものなので、複雑な人間ドラマを期待すると物足りないかもしれません。子どもの姿のキャラが殴られる場面など、過激な描写がつらいこともあります。熱血とギャグの作り方に、今読むと少し古さを感じる部分もあります。

こんな人におすすめ

ギャグで笑った直後に号泣させられるような、感情の振れ幅が大きい少年漫画を求めている人

こんな人には不向き

小学生向けの下ネタやシュールな笑いが挟まると、物語の流れが途切れて冷めると感じる人

金色のガッシュ!!の詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

32

BASARA

完結

文明が滅びた日本で、兄の名を継いだ少女が仇と知らぬまま恋に落ちる革命譚。

この特集で選んだ理由

90年代の少女漫画で国づくりと戦いを本格的に描いた大河ドラマとして、少女漫画は恋だけという思い込みをくつがえす一作だ。

BASARA
作者
田村由美
掲載誌
別冊少女コミック
ジャンル
ファンタジー/恋愛/少女漫画/架空戦記
完結
完結
評価
9/10

良い点

文明が滅びた日本で、兄の名を継いだ少女が仇とは知らずに恋に落ちる革命の物語だ。少年漫画のような熱い戦記と、少女漫画の切ない恋が真正面からぶつかる。敵にも味方にも生き様があり、単なる悪人が出てこない。

気になる点

主要な人物が容赦なく亡くなり、読むのがしんどくなる時期がある。仇同士という設定が重く、すれ違いが長く続く。初期の絵柄のクセや拷問・奴隷といった描写、人物の多さもあり、中盤にダレを感じることもある。

こんな人におすすめ

少年漫画のように熱い戦いと、胸が締めつけられる恋が同時に走る長い物語を、腰を据えて読みたい人

こんな人には不向き

好きになった人物が次々と退場する話は気持ちが持たず、登場人物の死が続く展開を避けたい人

BASARAの詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

33

無限の住人

完結

不老不死の侍と復讐に燃える少女が、血みどろの旅の果てに一つの答えへたどり着く時代劇!

この特集で選んだ理由

90年代から2010年代初めまで続いた青年誌の時代劇で、剣戟の絵の迫力という点では、このリストのなかでも頭ひとつ抜けた作品として選びました。

無限の住人
作者
沙村広明
掲載誌
月刊アフタヌーン
ジャンル
復讐/時代劇/アクション/ダークファンタジー
完結
完結
評価
8.8/10

良い点

不老不死の侍と復讐に燃える少女が、血みどろの旅を続ける時代劇です。人を斬る場面すら芸術的に感じる絵と、信念や欲を抱えた人物たちが渦巻く群像劇に引き込まれます。一見おかしな形の凝った武器と、その使い手が次々に出てくるのも楽しいところです。

気になる点

拷問や性暴力をにおわせる場面があり、えぐい描写に胸が悪くなることもあります。ヒロインの自問がくり返される堂々巡りに疲れる人もいます。長い連載のなかで中だるみや作風の変化があり、そこについていけるかで評価が分かれるところです。

こんな人におすすめ

動きまで見えてくる殺陣と、一見奇妙で凝った武器の造形を、じっくり眺めて味わいたい人

こんな人には不向き

残虐な拷問や暴力をにおわせる、目を背けたくなるような描写が続くのが苦手な人

無限の住人の詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

34

アイシールド21

完結

逃げ足が才能に変わる——弱小チームの知恵と熱さが光る少年アメフト漫画!

この特集で選んだ理由

2000年代のジャンプで、日本ではなじみの薄いアメフトを題材にしたスポーツ漫画として、競技の珍しさでもこのリストの中で目を引く一作だ。

アイシールド21
作者
稲垣理一郎/村田雄介
掲載誌
週刊少年ジャンプ
ジャンル
スポーツ/青春/アクション
完結
完結
評価
8.5/10

良い点

パシリで鍛えた逃げ足が才能に変わる、という設定だけで胸をつかまれる。才能と努力のぶつかり合いを正面から描く試合はスピード感があり、アメフトのルールも自然と頭に入る。人物が多いのに名前がすんなり入り、敵チームにもそれぞれの人生がある。

気になる点

専門用語が多く、なじみのない競技なので序盤は難しく感じるかもしれない。後半は雰囲気が変わり、もっと面白くできたはずという惜しさも残る。人気キャラの家族など、明かされずに終わる部分もある。

こんな人におすすめ

気弱でパシられていた主人公が、努力と仲間との絆で強敵に挑んでいく逆転劇に胸を熱くしたい人

こんな人には不向き

競技の専門用語がやや多い序盤を、慣れるまでじっくり腰を据えて読み進めるのが苦手な人

アイシールド21の詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

35

ARIA(AQUA)

完結

水の都を模した火星の街で、見習いの少女が四季の移ろいや人々と触れ合いながら一人前を目指す癒やしの物語

この特集で選んだ理由

2000年代の癒やし系を代表する作品で、激しい展開の名作が多いこのリストのなかで、疲れた日に開ける一作として入れました。

ARIA(AQUA)
作者
天野こずえ
掲載誌
月刊コミックブレイド
ジャンル
ファンタジー/日常・ヒューマンドラマ/SF
完結
完結
評価
9.3/10

良い点

水の都を模した火星の街で、見習いの少女が一人前を目指す癒やしの物語です。知らない土地なのに帰ってきたような安心感があり、くたびれた夜に開くと気持ちがほぐれます。日々の小さな出来事を大切にしたくなる作品で、何年たっても手放せません。

気になる点

アクションもスピード感もなく、大きな事件で盛り上げるタイプではありません。一話読み切りの積み重ねなので、物語の引きで読ませる漫画を期待すると戸惑います。どこかで見たネタが続くように感じる人もいます。

こんな人におすすめ

大事件のない穏やかな日常を、きれいな水の街の景色と一緒に、一話ずつゆっくり味わいたい人

こんな人には不向き

アクションやスピード感のある激しい展開で、ぐいぐい引っ張られるような漫画を求める人

ARIA(AQUA)の詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

36

医龍-Team Medical Dragon-

完結

追放された天才外科医が、腐りきった大学病院に切り込む医療ドラマの金字塔!

この特集で選んだ理由

2000年代の青年誌から出た医療漫画で、手術の緊張と組織の政治を両方描いた点から、このリストのお仕事ものの代表として選んだ。

医龍-Team Medical Dragon-
作者
永井明/吉沼美恵/乃木坂太郎
掲載誌
ビッグコミックスペリオール
ジャンル
青年漫画/医療/ヒューマンドラマ
完結
完結
評価
8.8/10

良い点

追放された天才外科医が、腐りきった大学病院に切り込む医療ドラマだ。手術の説明に補足があるので素人でも迷わず読め、医局の権力争いが軸になるぶん中だるみしない。組織の病巣に切り込む社会派として読めて、主人公の引き際まで筋が通っている。

気になる点

後半は教授選の話が長く、主人公の出番が減る期間がある。主人公がほとんど喋らず内面が見えないので、感情移入しにくい。周りの医師が引き立て役に収まりがちで、終盤のぼかした締め方にももやもやが残る。

こんな人におすすめ

手術の緊張感だけでなく、派閥や出世争いまで踏み込んだ骨のある医療ドラマを腰を据えて読みたい人

こんな人には不向き

組織の駆け引きよりも、手術の場面だけを続けて味わいたい気持ちが強く、寄り道を面倒に感じる人

医龍-Team Medical Dragon-の詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

37

ふしぎ遊戯

完結

本の世界に吸い込まれた中学生が朱雀の巫女となり、七星士を探す異世界ロマンスファンタジー

この特集で選んだ理由

90年代前半の少女漫画で異世界に召喚される物語を描いた一作で、今の異世界ものが好きな人が平成をさかのぼって読むのにちょうどいい作品です。

ふしぎ遊戯
作者
渡瀬悠宇
掲載誌
少女コミック
ジャンル
異世界/ファンタジー/恋愛/少女漫画
完結
完結
評価
8.8/10

良い点

本の世界に吸い込まれた中学生が巫女となり、七星士を探す異世界トリップの王道です。七星士それぞれに重い過去があり、仲間との別れの場面は涙が止まりません。大人になって読み返すと、置き去りにされた親友のつらさも見えてきます。

気になる点

「愛してる」「好きだ」で全編を駆け抜けるような話なので、すれた大人の目にはまぶしすぎるかもしれません。主人公の能天気さにいらっとくる場面や、少女漫画にしては残酷な描写もあります。人物や設定が多く、前に戻って確かめながら読むことになります。

こんな人におすすめ

普通の女の子が本の世界で巫女になる、異世界トリップものの原点のような王道ファンタジーを読みたい人

こんな人には不向き

少女漫画にしては残酷な場面や人が亡くなる展開がつらく、明るい恋愛ものだけを楽しみたい人

ふしぎ遊戯の詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

38

BECK

完結

犬との出会いから始まる、音が聞こえてくるような青春バンド漫画!

この特集で選んだ理由

ロックを題材にした音楽漫画として、クラシックのピアノものが並ぶこのリストに別の音を持ちこむ一作だ。

BECK
作者
ハロルド作石
掲載誌
月刊少年マガジン
ジャンル
音楽/バンド/少年漫画/青春
完結
完結
評価
9/10

良い点

犬との出会いから始まる青春バンド漫画で、ライブの熱気が画面越しに伝わってくる。平凡で弱気だった少年が歌の才能を見いだされて表現者として目覚めていく姿がまぶしい。普通の日常が丁寧に描かれるからこそ、ステージの輝きが胸に響く。

気になる点

主人公が優柔不断でうじうじする場面が多く、いらいらさせられる。終盤は裏社会が絡む陰謀めいた展開が増え、純粋な音楽ものを期待していると戸惑う。洋楽の小ネタが多いうえ、歌声が聞こえない漫画の限界を感じる場面もある。

こんな人におすすめ

音楽と青春が交わるバンド漫画の世界にどっぷり浸りたい人

こんな人には不向き

音楽用語や洋楽ネタなどマニアックな知識を求められると疲れてしまいやすい人

BECKの詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

39

ドロヘドロ

完結

記憶を失ったトカゲ頭の男が、混沌の街で魔法使いを狩る唯一無二のカオス・ダークファンタジー

この特集で選んだ理由

2000年代から平成の終わり近くまで描かれた作品で、ほかのどの漫画にも似ていない世界という点では、このリストで一番の変わり種です。

ドロヘドロ
作者
林田球
掲載誌
月刊IKKI/ゲッサン/ヒバナ
ジャンル
アクション/カオス/ダークファンタジー/ディストピア
完結
完結
評価
8.8/10

良い点

記憶を失ったトカゲ頭の男が、混沌の街で魔法使いを狩るダークファンタジーです。登場人物は全員いかれているのに、ダークな世界の空気はどこかからっとしています。余白のない描き込みと振り切ったセンスで、長い話を中だるみさせずに走りきります。

気になる点

線の描き込みが多く、目が滑って読みにくいところがあります。戦闘の流れがつかみにくく、序盤の謎が中盤以降は別の話に流されていくので、じれったさも残ります。結末は駆け足で丸く収まった印象を受けるかもしれません。

こんな人におすすめ

いかれた設定と唯一無二のカオスな世界観に、頭からどっぷり浸かって抜け出せなくなりたい人

こんな人には不向き

人体がバラバラに解体されるような、血みどろで過激なグロ描写がどうしても受けつけない人

ドロヘドロの詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

40

バクマン。

完結

絵と物語、二人で組んだ高校生が週刊少年ジャンプの連載争いに挑む青春ドラマ

この特集で選んだ理由

2000年代後半から2010年代初めのジャンプで、漫画を描くこと自体を題材にした作品として、平成の漫画文化そのものを振り返れる一作だ。

バクマン。
作者
小畑健/大場つぐみ
掲載誌
週刊少年ジャンプ
ジャンル
少年漫画/青春・サクセスストーリー/漫画家・業界モノ
完結
完結
評価
9/10

良い点

絵と物語で組んだ高校生二人が、週刊少年ジャンプの連載争いに挑む。机に向かっているだけなのに、毎週順位を突きつけられる勝負の緊張感はスポーツものと変わらない。漫画づくりの舞台裏がのぞけるうえ、ライバルの新人たちにも見せ場がある。

気になる点

ヒロインが都合よく描かれ、働く女性の描き方に時代の古さがのぞく。作中で天才とされる漫画の面白さが読者に伝わらないまま、ほめ言葉だけが続く場面もある。業界の暗い面が増える後半は、夢の話を楽しみたい人にはこたえる。

こんな人におすすめ

漫画やアニメの作り手の苦労と仕事のしくみをのぞきたい人。物を作る仕事に憧れたことがある人

こんな人には不向き

夢と結婚の約束が物語を動かしていく展開になじめず、働く姿だけをまっすぐ追いかけたい人

バクマン。の詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

41

彼方から

完結

言葉も通じない異世界で、無力な少女と孤独な戦士が惹かれ合う王道ファンタジー!

この特集で選んだ理由

90年代から2000年代初めに描かれた少女漫画で、言葉の壁から始まる異世界ものとして、今の異世界作品と読み比べると手応えの違いがよくわかる一作です。

彼方から
作者
ひかわきょうこ
掲載誌
LaLa
ジャンル
少女漫画/異世界ファンタジー
完結
完結
評価
9.6/10

良い点

言葉も通じない異世界で、無力な少女と孤独な戦士が惹かれ合う王道ファンタジーです。言葉が通じない心細さがきちんと描かれ、物語にぐっと現実味が出ます。落ちこんでもすぐ前を向くヒロインと、彼女をそばで守る戦士の関係にときめきます。

気になる点

連載開始から時間がたっているぶん、絵柄の古さで入り口をためらう人もいそうです。政争のあたりから人物と国の情勢が増え、展開を追うのに骨が折れます。主人公の善良さが度を越して見える場面や、ややご都合主義な展開もあります。

こんな人におすすめ

特殊能力に頼らず、自分にできることを精一杯やる主人公の姿に、そっと励まされたい人

こんな人には不向き

感情を激しく揺さぶる急展開を求めていて、説明的で丁寧な語り口をまどろっこしく感じる人

彼方からの詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

42

月下の棋士

完結

型破りな天才少年が命を懸けて将棋界の頂点に挑む、圧倒的迫力の人間ドラマ!

この特集で選んだ理由

90年代の青年誌で描かれた勝負師の物語として、同じ盤上の競技でも『ヒカルの碁』とはまったく逆の熱さを持つ一作だ。

月下の棋士
作者
能條純一
掲載誌
週刊ビッグコミックスピリッツ
ジャンル
青年漫画/将棋/ヒューマンドラマ/勝負事
完結
完結
評価
8.8/10

良い点

型破りな天才少年が、命を懸けて将棋界の頂点に挑む。棋士がそれぞれ壮絶な人生と業を背負って盤に向かう姿が伝わり、将棋のルールを知らなくても楽しめる。鋭い線と鬼気迫る表情、映画のような演出で、静かな将棋がここまで動いて見える。

気になる点

劇画調の絵と吐血や失禁といった過剰な演出が続き、受けつけるかどうかで評価が二分される。盤面の手順や戦術はほとんど描かれず、主人公も最後まで傍若無人なままだ。相手が勝手に崩れていく展開のくり返しにも好みが分かれる。

こんな人におすすめ

勝負師が一手に命と魂を削り込む、すさまじい熱量の人間ドラマにどっぷり浸かりたい人

こんな人には不向き

盤上で吐血や失神が起こる過剰な劇画的演出より、現実に近い将棋の駆け引きを楽しみたい人

月下の棋士の詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

43

CLAYMORE

完結

半人半妖の女戦士たちが、人間を捕食する妖魔と過酷な戦いを繰り広げるダークファンタジー!

この特集で選んだ理由

2000年代に始まった女戦士たちの物語で、男性主人公が多いこのリストのバトル漫画のなかで、女性どうしの結束を描いた点で異彩を放ちます。

CLAYMORE
作者
八木教広
掲載誌
ジャンプスクエア/月刊少年ジャンプ
ジャンル
少年漫画/バトル/アクション/ダークファンタジー
完結
完結
評価
8.8/10

良い点

半人半妖の女戦士たちが、人を喰う妖魔と過酷な戦いを続けるダークファンタジーです。弱いながら強くあろうとし、想いと行動で少しずつ仲間を得ていく姿に熱くなります。読み進めるほどストーリーと画力が上がり、ラストももやもやせずに読み終えられます。

気になる点

人物の多くが無表情で顔が似ていて、名前や過去を覚えるのがややこしい作品です。グロい描写が苦手だと、序盤で脱落してしまうかもしれません。1巻ではハマりにくく、面白くなるまで少し辛抱がいります。

こんな人におすすめ

弱いながらに強くあろうとする女性戦士の姿と、仲間との結束や失われていく命の重さを骨太に見届けたい人

こんな人には不向き

登場人物が全員無表情で顔が似ており、感情移入のきっかけが掴みにくい人

CLAYMOREの詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

44

もやしもん

完結

「かもすぞー」!肉眼で菌が見える主人公が農大で繰り広げる、発酵と青春のキャンパスライフ。可愛すぎる菌たちに癒やされながら知識も身につく、唯一無二の菌漫画。

この特集で選んだ理由

2000年代のうんちく漫画のなかでも、学びと笑いをいちばん軽やかに両立させた作品として選んだ。

もやしもん
作者
石川雅之
掲載誌
イブニング
ジャンル
日常/コメディ/学園
完結
完結
評価
8.8/10

良い点

菌が肉眼で見える主人公が、農大で発酵と青春のキャンパスライフを送る。わちゃわちゃ動く菌たちのかわいさに癒やされながら、発酵や微生物の知識が自然と身につく。変人ぞろいの学生と強烈な大人たちの掛け合いには、声を上げて笑ってしまう。

気になる点

菌や発酵のうんちくが長く、説明の多さがくどく感じる場面がある。中盤以降は舞台が広がり、初期の農大での日常ドタバタが好きだと雰囲気が変わって見える。後半は菌が見えるという特性があまり生かされなくなる。

こんな人におすすめ

デフォルメされた菌たちが画面でわちゃわちゃする可愛さに、眺めているだけで癒やされたい人

こんな人には不向き

純粋な物語展開だけを楽しみたく、菌や発酵にまつわる長めのウンチクをくどく感じる人

もやしもんの詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

45

黒子のバスケ

完結

影の薄さを武器にパスでつなぐ少年が、天才集団「キセキの世代」に挑む高校バスケ漫画

この特集で選んだ理由

2010年代前半のジャンプで、『SLAM DUNK』とは対照的に能力バトル寄りの見せ方でバスケを描いた作品として、平成の終わりのスポーツ漫画を代表して入れました。

黒子のバスケ
作者
藤巻忠俊
掲載誌
週刊少年ジャンプ
ジャンル
少年漫画/バスケットボール/スポーツ/熱血/学園
完結
完結
評価
8.8/10

良い点

影の薄さを武器にパスでつなぐ少年が、天才集団「キセキの世代」に挑みます。体格や技で上回る相手にもひるまず、チームで自分たちのバスケを貫く姿に夢中になります。試合終了ぎりぎりまで勝敗がわからず、天才たちの過去編には胸が締めつけられる思いです。

気になる点

高校生なのにバトル漫画のような必殺技や能力が次々に出てきます。同じバスケ漫画の名作と比べると、物足りなさが残るかもしれません。天才たちが出てくると主人公の持ち味が通じにくくなり、良さが半減して見えることもあります。

こんな人におすすめ

試合が終わる寸前まで勝ち負けが読めない熱い試合展開を、毎回ドキドキしながら味わいたい人

こんな人には不向き

スポーツ漫画には現実のプレーに近いリアルさを求め、必殺技のような演出に冷めてしまう人

黒子のバスケの詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

46

7SEEDS

完結

文明が崩れた未来で目覚めた若者たちが、生きる意味を問われながら過酷なサバイバルに挑む物語!

この特集で選んだ理由

2000年代から平成の終わり近くまで描かれた少女漫画のサバイバルもので、少女漫画らしくない少女漫画として男性読者にも届けたい一作だ。

7SEEDS
作者
田村由美
掲載誌
別冊少女コミック/月刊フラワーズ
ジャンル
少女漫画/サバイバル/SF/サスペンス
完結
完結
評価
9.1/10

良い点

文明が崩れた未来で目覚めた若者たちが、過酷なサバイバルに挑む。少女漫画なのに骨太で、全員に事情がある人物描写のおかげで誰ひとり嫌いになれない。視点が次々に移って展開が読めず、恋のもだもだもあるがそれが主役ではないのもいい。

気になる点

人間関係のしんどさが増す時期があり、毎エピソード続くご都合主義が重なると白けてくる。途中から展開がだれ、ある人物が追放されるまでの流れも不自然だ。白い虫の大群が出てくる場面があり、虫が苦手な人にはすすめにくい。

こんな人におすすめ

見た目は可愛い絵柄なのに中身は重い、そんな骨太な人間ドラマをじっくり味わいたい人

こんな人には不向き

うごめく虫や生き物の生々しくリアルな描写がどうしても苦手で、絵で見るだけでもつらい人

7SEEDSの詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

47

ピアノの森

完結

森のピアノに導かれた少年が、ライバルとの絆を糧に世界の頂点を目指す感動の音楽劇。

この特集で選んだ理由

90年代の終わりから2010年代まで描かれた音楽漫画で、『のだめカンタービレ』や『四月は君の嘘』と並ぶクラシックもののなかでも、生まれ育ちの壁にいちばん深く踏み込んだ一作です。

ピアノの森
作者
一色まこと
掲載誌
モーニング/ヤングマガジンアッパーズ
ジャンル
青年漫画/音楽/ヒューマンドラマ/青春
完結
完結
評価
9.2/10

良い点

森のピアノに導かれた少年が、ライバルとの絆を力に世界の頂点を目指します。天才と努力型の秀才、二人の対比が残酷で美しい青春群像です。コンクール編の緊張感は心理戦のようにスリリングで、最後はすべてが報われる大団円を迎えます。

気になる点

主人公が育った環境には水商売や暴力が絡み、キラキラした音楽漫画を想像すると重いかもしれません。一部の人物の身勝手さにいらいらする場面もあります。才能ひとつで問題が解決していく展開が、ご都合主義に見える瞬間もあります。

こんな人におすすめ

森のピアノで育った天才少年が世界の頂点を目指す、圧倒的な音楽描写と師弟愛の感動物語を楽しみたい人

こんな人には不向き

主人公の過酷な生育環境の描写が序盤に重く、純粋な音楽漫画を期待していると戸惑う人

ピアノの森の詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

48

結界師

完結

妖を呼ぶ土地を守る少年と幼馴染が、四百年前の過ちにたどり着くまでの戦い

この特集で選んだ理由

2000年代のサンデーで、派手なインフレを避けて最後まで軸がぶれなかったバトル漫画として、王道を落ち着いて読みたい人に向けて選んだ。

結界師
作者
田辺イエロウ
掲載誌
週刊少年サンデー
ジャンル
サスペンスホラー/少年漫画/学園ファンタジー/妖怪バトル
完結
完結
評価
8.8/10

良い点

妖を呼ぶ土地を守る少年と幼なじみが、四百年前の過ちにたどり着くまでの戦いだ。四角い結界をどう組むかで決まる駆け引きが面白く、力のインフレもなく最後まで集中が続く。幼なじみを守るという一点で戦う、見栄を張らない主人公がまっすぐだ。

気になる点

絵は読みやすい反面、登場人物の見た目に華がない。バトルの山場が少なく、編の区切りもはっきりしないので退屈さを覚える。終盤は主人公より兄が話を引っぱり、決着の付け方に納得できない人もいる。

こんな人におすすめ

派手な必殺技より、限られた術をどう工夫して使うかの駆け引きをじっくり楽しみたい人

こんな人には不向き

大きな山場が次々にやって来て、わかりやすいカタルシスが待っている少年漫画を読みたい人

結界師の詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

49

め組の大吾

完結

火事のめったに起きない出張所に配属された新人消防士が、破天荒な救助で命をつかみ取る!

この特集で選んだ理由

90年代後半のサンデーで描かれた消防士の物語で、医療の『医龍-Team Medical Dragon-』と並ぶお仕事ものとして、命を救う現場の熱さをまっすぐ味わえる一作です。

め組の大吾
作者
曽田正人
掲載誌
週刊少年サンデー
ジャンル
少年漫画/職業・ヒューマンドラマ
完結
完結
評価
8.8/10

良い点

火事のめったに起きない出張所に配属された新人消防士が、破天荒な救助で命をつかみ取ります。規律を破っても信じたものは曲げない主人公に、こういうヒーローがいてほしいと願ってしまいます。怖さと向き合いながら前に出る姿に、こちらまで背中を押される思いです。

気になる点

現実ではありえない現場が続き、消防のリアルな描写を期待すると肩透かしを食らいます。主人公が何でも片づけてしまうので、途中から現場の緊張感が薄まります。後半は線が荒れていき、序盤も絵がごちゃついて慣れるまで時間がかかるのが難点です。

こんな人におすすめ

規律をはみ出してでも目の前の命を取りにいく型破りな主人公に、思いきり肩入れしながら読みたい人

こんな人には不向き

実際の消防活動に近いリアルさを求めていて、手順や組織の動きをじっくり読みたい人

め組の大吾の詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

50

BLAME!

完結

暴走した巨大階層都市で、システムを正常化する「ネット端末遺伝子」を探す男の果てしない旅。

この特集で選んだ理由

90年代後半から2000年代初めに描かれたハードSFで、物語より世界そのものを見せる作風は、このリストでも唯一無二だ。

BLAME!
作者
弐瓶勉
掲載誌
月刊アフタヌーン
ジャンル
青年漫画/サイバーパンク/SF/アクション
完結
完結
評価
8.9/10

良い点

暴走した巨大な階層都市を、ひとりの男が果てしなく旅する。言葉を削り、絵で語る無機質で広大な世界に一気に引き込まれる。セリフも説明も少ないぶん、空間の広がりや静けさを想像する楽しみがある。

気になる点

用語の説明がほとんどなく、設定が難解で理解が追いつかないことがある。何が起きているのかを読み手が補う場面が多く、描き込みの多い戦闘は状況がつかみにくい。暗く重い世界と淡々とした展開に、途中で疲れるかもしれない。

こんな人におすすめ

セリフを極限まで削り、広大な暗黒の巨大建造物を絵だけで語る唯一無二のサイバーパンクSFに没入できる人

こんな人には不向き

セリフがほとんどなく世界観の説明が最小限のため、状況把握に苦労して読み続けるのが大変になる人

BLAME!の詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

51

capeta

完結

何にも本気になれなかった少年が、手作りカート一台で世界へ駆け上がる熱血レース物語!

この特集で選んだ理由

2000年代に描かれたモータースポーツ漫画で、題材のなじみの薄さとは裏腹に、努力ものの熱さではこのリストの中でも指折りです。

capeta
作者
曽田正人/冨山玖呂
掲載誌
月刊少年マガジン
ジャンル
モータースポーツ/少年漫画
完結
完結
評価
9.6/10

良い点

何にも本気になれなかった少年が、手作りのカートから世界へ駆け上がる熱血レースの物語です。資金の壁に苦しみながら不可能を可能にしていく主人公に胸を打たれます。車に興味がなくても毎戦ハラハラでき、仲間が手作りで支える場面には涙腺がゆるみます。

気になる点

劇画調の絵は昔ふうで、慣れるまで少し時間がかかるかもしれません。終盤は駆け足で、恋の話も慌ただしく片づけられます。最後の勝負が主人公の独壇場に見えることや、F1での活躍が描かれないことにも心残りがあります。

こんな人におすすめ

車もレースもまるで知らないけれど、理屈抜きで胸が熱くなる物語にとことんのめり込みたい人

こんな人には不向き

昔ふうの劇画調の絵柄が最初のハードルになりやすく、そこで読む手が止まってしまいそうな人

capetaの詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

52

魔法陣グルグル

完結

腰みので踊る変人と行く珍道中の先で、少女の初恋がそっと実る王道RPGファンタジー

この特集で選んだ理由

平成の初めから2000年代初めにかけて描かれた作品で、RPGのパロディという平成らしい題材をギャグと恋の両方で描ききった点から、このリストのコメディ枠に選んだ。

魔法陣グルグル
作者
衛藤ヒロユキ
掲載誌
月刊少年ガンガン
ジャンル
ファンタジー/冒険・RPG/ギャグ・コメディ
完結
完結
評価
8.8/10

良い点

腰みので踊る変人と行く珍道中が、少しずつ少女の初恋の物語へ育っていく。テンション、語感、メタ、パロディ、顔芸と、漫画でできる笑いを全部詰めこんだギャグの密度がすごい。シリアスへ切り替わっても、世界観が壊れない。

気になる点

中盤から抽象的なネタが増え、序盤のキレに比べると間延びした印象を受ける。絵柄が丸く可愛く変わっていく点や、変なおじさんキャラのアクの強さは好みが割れる。終盤はファンタジーラブコメの色が濃く、まっすぐなパロディを期待すると肩透かしだ。

こんな人におすすめ

子どものころにRPGをさんざん遊んで、ゲームのお約束をいじる笑いにニヤリとできる人

こんな人には不向き

巻を追うごとの絵柄やノリの移り変わりが気になって、最後まで同じ調子を求めてしまう人

魔法陣グルグルの詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

53

蒼天の拳

完結

煙草を手放さない北斗神拳の伝承者が、戦前の上海で友と愛のために拳を振るう。

この特集で選んだ理由

昭和の『北斗の拳』の流れを2000年代に受け継いだ作品として、昭和と平成の名作をつなぐ位置に置きました。

蒼天の拳
作者
原哲夫/武論尊
掲載誌
週刊コミックバンチ
ジャンル
格闘・アクション/青年マンガ/歴史
完結
完結
評価
8.8/10

良い点

煙草を手放さない北斗神拳の伝承者が、戦前の上海で友と愛のために拳をふるいます。阿片や賭博が当たり前の後ろ暗い時代の匂いがする舞台が生々しく、描き込みの濃い絵からは殺気が伝わります。前作を知らなくても置いていかれません。

気になる点

主人公が強すぎて、負ける心配がまったくできないぶん緊張感は薄めです。真剣な場面の横で急にふざけ出す落差や、同じ言葉で感動を押しつけるような繰り返しが気になるかもしれません。因縁の対決が持ち越されがちなのももどかしいところです。

こんな人におすすめ

阿片や賭博が渦巻く戦前の街並みごと、時代の匂いを丸ごと浴びられる舞台設定を楽しみたい人

こんな人には不向き

山場でも主人公がほとんど追い詰められないので、勝敗の行方を心配しながら読む緊張感がほしい人

蒼天の拳の詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

54

ベイビーステップ

完結

几帳面な高校生が論理的思考でテニスの頂点を目指す!圧倒的リアリティのスポーツ漫画!

この特集で選んだ理由

2000年代後半から平成の終わり近くまで描かれたテニス漫画で、熱血より理詰めで勝ち上がるスポーツものの代表として、平成後半のスポーツ漫画の変化を感じられる一作だ。

ベイビーステップ
作者
勝木光
掲載誌
週刊少年マガジン
ジャンル
スポーツ/青春
完結
完結
評価
8.8/10

良い点

几帳面な優等生が体力づくりで始めたテニスにのめり込み、真面目さを武器にした理論的なトレーニングで頭角を現していく。努力した分だけ結果が出る爽快感があり、静止画なのに動いて見える作画にもうなる。プロの停滞期をゆっくり越えていく描き方もいい。

気になる点

中盤は展開がゆっくりで、試合の描写も専門的すぎてついていけない場面がある。派手な大逆転を期待すると淡白に映る。最終回はツアーのデビュー戦の途中で唐突に終わり、消化不良が残る。

こんな人におすすめ

感覚ではなく論理的に競技を分析しながら成長していく、これまでにない知的なスポーツものが好きな人

こんな人には不向き

細かく論理的な試合描写を難解に感じてしまい、もっとスピーディーでわかりやすい展開を求める人

ベイビーステップの詳細レビューを見る →

気に入ったら購入(外部サイト)

目的別のおすすめ

この特集で、読み放題・無料で読める作品

掲載作品のうち、Kindle+(旧Kindle Unlimited)で1巻が読み放題、または期間限定で1巻が無料になっている作品です。Amazonの表示を毎日確認して更新しています。

読み放題の長編漫画をすべて見る →今だけ無料の漫画をすべて見る →

よくある質問

平成の名作漫画で完結しているのはどれ?+

この特集で紹介している54作品は、すべて平成のうちに完結しています。最終巻まで出そろっているので、続きを待たずに最後まで読めます。まず1作選ぶなら、時間がない人向けのTOP3から見るのが近道です。

平成の漫画で無料や読み放題で読める作品は?+

各作品の読み放題・無料の状況はページ下部の一覧と /kindle-unlimited・/free で毎日更新しています。配信の状況は日によって変わるため、読む前にそちらで確かめてください。

平成初期の少年漫画でおすすめは?+

平成初期に連載された作品なら、『SLAM DUNK』『幽遊白書』『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』『うしおととら』を推します。どれも王道の熱さがあり、今読んでも古さより勢いが先に立ちます。

平成の少女漫画で今読んでも面白い作品は?+

恋愛を軸にするなら『花より男子』『君に届け』、物語の大きさで選ぶなら『天は赤い河のほとり』『BASARA』『彼方から』が向いています。家族や心の傷に向き合う『フルーツバスケット』は、恋愛だけにとどまらない深さがあります。

絵柄が古いのが気になるけど楽しめる?+

時代を感じる絵柄の作品もありますが、『SLAM DUNK』や『天は赤い河のほとり』のように、読み進めるうちに古さが気にならなくなる作品も少なくありません。気になる場合は、各作品の「気になる点」で絵柄についての記述を確かめてから選ぶと安心です。

まとめ

ここで紹介した54作品に共通するのは、作者が結末まで描ききっていることです。連載当時は次の号を待つしかなかった物語も、今なら最初から最後まで続けて読めます。気になる1作を開いて、平成の名作を結末まで見届けてみてください。

関連する特集

オモシロ漫画ツール